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自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep5.「事なかれ主義・日本」への挑戦~

Ep5.「事なかれ主義・日本」への挑戦

 式場見学を終えた僕は、気になって日本の結婚式業界が抱える問題点や式を挙げるためのルールなどを徹底的に調べた。結論から言うと結婚式というものは「事なかれ主義」に縛られているということだった。つまり、可もなく不可もない結婚式が望まれるのが日本の式場のやり方だった。

 例えば、「参列者は黒の礼服で無ければならい。」「人の死について語ってはいけない。」「会社の上司にスピーチをして貰うのが常識。」「スタッフは涙を流してはいけない。」「プランナーは結婚式には参加しない。」「使ってはいけない言葉が多い。」「持込料を必ず取られる。」挙げればキリがないくらい謎の決まりに縛られていた。

 果たして、みんな納得しているのかが疑問だった。結婚式はこういうものだと“納得させられている”のではないだろうか。

 実際、黒の礼服について調べても「新郎新婦より目立ってはいけない」という暗黙のルールがあるらしいが、元を辿れば洋服の仕立屋さんが「結婚式には『黒の礼服がスタンダード』という事にしよう。」と利益目的に宣伝した結果、日本に広まったというのが本当のところらしい。

 ホワイトデーみたいなものだ。不二家が「バレンタインがあるならホワイトデーを作ろう」と言ったように結婚式も利益のために作られている謎のルールが複数ある。

 それが完全な悪だとも思わないし、新郎新婦に寄り添ったプランナーさんがいることも分かった。ただ、僕はあの3.11の時のディズニーのような「最高のサービス」を作りたいし受けたい。「そこそこ」でなく「最高」だ。新郎新婦だけではなく、参列者やスタッフも輝き、感動を全員が共有することが出来る結婚式。それが僕の理想の結婚式だった。

 冒険するのが好きな僕は「理想が叶えられないなら新しい結婚式を自分で創ろう」と息巻いた。超カッコよく言うなれば、事なかれ主義・日本への挑戦である。


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