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ブラジルでの嬉しい「期待外れ」。

Facebookの
「過去のこの日 6年前」を見て
かなり久しぶりに思い出したのですが
2014年の8月下旬
W杯が終わってすぐのブラジルを
1週間ほど訪れていたのでした。

一番の目的は
当時ショップディレクターを務めていた
『Futbol&Cafe mf』の南米雑貨の買い付け。

ちなみに、mfはこんな素敵なお店でした。



で、このときにブラジル買い付けた
南米アイテムの一番のヒットは、こちら!



サントスFCが
サンパウロ州選手権で3連覇したときの記念シャツ。
元ブラジル代表のガンソ、エラーノと共に
若き日のネイマールもプリントされたものです。

このやり過ぎ感がブラジルらしくてたまらない。
自分で購入しておけばよかったと後悔しております…

ちなみに
当時バスコ・ダ・ガマに所属していた
フェルナンド・プラスという選手の
100試合出場のこの記念ユニフォームも好きでした。



2014年のこのブラジルへの買い付けでは
途中に「タナビ」という町にも訪れました。

タナビは
自分が19歳だった1995年に
サッカー留学で半年ほど生活していた町で
ここにある「タナビE.C」というチームで
練習や試合をやらせてもらっていました。

サンパウロ州4部リーグ(当時)の
信号がひとつもないような田舎町の小さなチームで
スタジアムも昔ながらのブラジルらしい
石造りの味のあるスタジアムです。



タナビを訪れたこのときは
なんの連絡もなく行ったのですが
スタジアムにいたスタッフに
持参した20年前の写真を見せると


「 おお、そうなのか!
  もうすぐ寮でお昼ごはんだから食べていきな! 」


ありがたいその申し出を受けることにし
スタジアムに隣接した寮へ。

そこは自分も当時生活していたところで
昔となんら変わっていませんでした。

二段ベッドがぎっしり入った部屋。



半テラスのような食堂。
(ハエがめっちゃ飛んでます…)



唯一のテレビがある共有スペース。



そして、ごはんを食べた後は
スタジアムでU-20の試合があるということで
そのまま見学させてもらうことに。

すると、またもや嬉しすぎる言葉が。


「 今日はお前はチームの一員だから
  ロッカールームに来ても
  グラウンドに来ても
  とにかく自由にしてていいからな! 」


ブラジル人のこういうリベラルなところ
(もっというと中南米の人たち)
最高にいいよなぁといつも思います。
いつか自分もそういう人になりたいです。心から。



試合を見た後は
昔の思い出を辿りながらタナビの町を散歩。



カラフルな壁に惹かれて写真をいっぱい撮ったりして。



とても不思議な感覚に襲われていました。

ひと言で言うと「期待外れ」。

20年前は
何を見ても、どこに行っても刺激しかなくて
日々、心のアップダウンが繰り返されていたのに
このときの自分は妙にフラットな気持ちでした。

あのときと同じくらい心が沸き立ったり
もっとノスタルジックな気持ちに包まれて
感慨深くなるのかと思ってたのに。

正直、すごく寂しい気持ちになりました。

でもしばらくして
ああ、そりゃそうだよなぁという思いが。

あのときの自分とは違うんだから。

あれから20年、サッカーコーチをしたり
コスタリカでプレーしたり、mfで働いたり。

いろいろな経験をしていったことで
自分の見方や感覚は変化していってる。

だから
同じような感覚に包まれるはずがないんだ。

でも、その自分の土台になっているのは間違いなく
初めての外国となったあのブラジルでの経験だし
それがすっかり身体に馴染んでいったからこそ
あのときより今の方が自分の中は豊かになってる。

期待が外れて、よかったのかもしれません。

でも、ひとつだけ
ノスタルジックな思いに襲われました。

それは、20年前
自分は確かにこの町で生きていたんだ
という静かで、強い実感。

たまらなく嬉しい実感でした。

ブラジルはご飯も美味しいし
ビールやカイピリーニャも好きなので
必ずまた訪れたい国のひとつです。



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