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何を変化させて、何を変化させないのか。

今の「エリア伊都ジュニアユース」には
これまでにはいなかった「異人」が2人います。


ひとりは、中学3年生の " ひいと " 。

コロナの緊急事態宣言が明けた後
中学のサッカー部から移籍してきました。
( 顧問の先生の快い了承のもと )

3年生最後の中体連の大会が
コロナの影響で中止になってしまったこと
高校でもサッカーを続けたい気持ちが大きく膨らんだこと
が移籍してきた理由でした。

同じ中学校の友だちがうちにいるとはいえ
チーム内での人間関係がほぼでき上がっている
3年生のこの時期に1人で飛び込んでくる
その心意気には、グッとくるものがありました。

それは、プレースタイルにも表れていて。

相手ゴールに
アグレッシブに向かっていけるプレーや
シュートを外しても
何回でもチャレンジできるその姿勢は
彼のメンタリティがもたらしている武器なんだと思います。


そして、もうひとり
うちのジュニアユースでは
初の女子プレーヤーとなる中学1年生の " あかり " 。

九州トレセンに選ばれるほどの実力があるものの
性格的には引っ込み思案な部分があって
男子ばかりのチームになかなか溶け込めずにいました。

でもここ最近では
男子たちが意識的にあかりに声がけをしたり
あかり自身も入っていこうという姿勢を見せるようになり
いい距離感が生まれ始めてきました。

それと共に、あかりの特徴である
「パスを受ける能力」「パスを配給する能力」
が試合の中で活かせるようになってきました。


サッカー留学で所属していた
ブラジル・サンパウロ州の田舎のチーム
コスタリカで練習生として参加していた1部リーグのチーム
プロ契約を結んだコスタリカ2部リーグのチーム
自分はどこでも「異人」でした。

異なる国籍。異なる言語。異なる習慣。

そこにいる選手たちとは
あらゆることが異なっていました。

異なることの少ない
日本の環境で生きてきた当時の自分にとって
それは結構つらいことでした。

だからなのか
最初は異なっていることを
認めようとしない自分がいました。

でも、誰がどう考えても異なっている。
だからまずは、異なることを受け入れないと。

自分の異なる部分を変えようとするのではなく
それをそのまま受け入れよう。

そう考えて
自分はそのチームでは異人なんだと自覚した上で
そこにいる選手たちの輪に入っていくようにしました。

ブラジル人やコスタリカ人のように
なろうとするのではなくて
みんなとは異なる日本人として
ブラジル人やコスタリカ人の輪に入っていく。

そうしたら少しずつ
自分に対して興味を持ってくれるようになり
困っていることがあれば
助けてくれるようにもなりました。


何を変化させて、何を変化させないのか。


いつもそのことを考えてた気がします。

そしてそれは、サッカーの部分でも同じで。

チームから求められる
ポジションの役割に適応していかないといけない部分と
日本人の " TETSU ARISAKA " というプレーヤーとして
貫いていかないといけない部分とのバランス。

これがバシッとハマったときの快感は
もう、たまらないんだよなぁ。


何を変化させて、何を変化させないのか。


そこを考えざるを得ないこと
考える回数が圧倒的に増えること
そして、そのことで
自分自身のことを深く知れること。

それは、つらいことの多い
異人としてアウェイの環境に身を置くことに対しての
ご褒美みたいなものなんだと思います。

どこで、どんなことをやっても活かせるだろう
とんでもなく素敵なご褒美。

" ひいと " と " あかり " が
今の環境で自分の居場所を確立できたとき
また次のレベルへと上がっていけるんだと思います
サッカー選手として、ひとりの人間として。

異人になることを恐れずに。むしろ、楽しみに。



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