あいだてつお(作家・神社仏閣ソムリエ)

小児喘息、いじめ、パワハラ、引きこもりを経験。転職に失敗し人生どん底から大逆転。神社仏…

あいだてつお(作家・神社仏閣ソムリエ)

小児喘息、いじめ、パワハラ、引きこもりを経験。転職に失敗し人生どん底から大逆転。神社仏閣ソムリエ®︎、レイキヒーラー、スピリチュアルヒーラー、アドラー流メンタルトレーナーとして活動中。現在3冊目の未来先取り法を執筆 アメブロ https://ameblo.jp/tetu0122/

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Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(2章)⑩

僕たちのように国に所属しない人がいるのではないかと思い、探してみることにした。山田さんのところに行くと、すでに移住した後だった。しかしそこには違う人が住んでいた。 「こんにちは、山田さんは移住されましたか?」 「もしかして、あなたがあきらさんですか?山田さんから聞いていますよ、私は林って言います。山田さんは子供ができたから便利な都市部に移住すると言っていました」 「そうでしたか、こんなところに来て、あなたは国に所属していないんですか?」 「所属してますよ。地球に優しい発電をこ

    • Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(2章)⑨

      何年か経ったころ、集団は大きくなり小さな集落の人は吸収されていった。そして、僕たちのグループにも集団の人が訪ねてきた。 「こんにちは、政府の者です。ライフラインの通っていない生活でご不便ではないですか?」 「国の復旧が進んでいますので、都市部に移住していただければ、住居はご用意しますよ」 どうやら集団は政府を作り以前のような暮らしをしているようだ。 「僕たちには電気もガスも水道も必要ありません、今の暮らしがいいんです」 「移住したらまた、税金とか家賃とか公共料金を支払わないと

      • Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(2章)⑧

        縄文時代から弥生時代に変わったのは、水田稲作が始まり大規模な集団生活になったころだ。 備蓄が可能な水田稲作が始まると、集落内で格差が生まれたのが豪族の始まりらしい。 すると、縄文時代には争いがなかったのに弥生時代では争うようになった。それを避けるために弥生時代の生活を拒む人たちもいた。 今も同じようなことが起きていて、争いを避けて大きな集団に属しないで生活している人もいる。やっと環境破壊のない戦争のない世界になりかけたというのに、災害前の世界と同じ生活をする人が出てくると、僕

        • Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(2章)⑦

          村を訪ねていると、大きな集団ができているという噂をきいた。この辺は小さな集団があちこちにあるという状況だけど、関西のほうでは大きな集団が形成されているらしい。現在が縄文時代だとすると、弥生時代に移り変わった時のような動きが始まった。 人間というのは欲深い生き物だ、どうしても支配欲が出てきてしまう。他人より優位でいたい、裕福に暮らしたいと思ってしまうんだ。電気やガスや水道があることが当たり前の生活をしてきたから、どうしても元の生活に戻りたいと思ってしまう。それは普通の考えなんだ

        Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(2章)⑩

        マガジン

        • Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(2章)世界を作る子供
          10本
        • Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(1章)大災害後の世界
          12本
        • Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(プロローグ)
          7本
        • 【連載小説】突然,覚醒しちゃいました
          22本
        • 【連載小説】優しい人類が作る優しい世界
          9本
        • 【連載小説】36歳独身推し事始めました
          12本

        記事

          Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(2章)⑥

          グループ同士の繋がりが大切だと思い、近所の村に訪ねていくようになった。近所といっても山を一つ越えるので、1時間以上はかかる場所だ。ご近所付き合いというには遠いけど、 近すぎるとトラブルが起きるのではないかと不安になるからちょうどいい。 たまに村に訪ねていき、困っていることはないかと聞いて回った。そこで食べ物をもらうこともあれば、他の村の情報をもらうこともある。東京に住んでいた時はご近所付き合いなんてしたことがなかったけど、人との交流はいいものだ。 最近では子供がいる村も増えて

          Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(2章)⑥

          Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(2章)⑤

          ずっと思い出せなかった昔のことを思い出したが、あまりにも今の生活と違い過ぎて夢だったのではないかと思う。お金のために働き、趣味のロードバイクを楽しんでいた。当時はそれが普通だと思っていたけど、今思うとロードバイクに乗るためだけに我慢して働いていたんだ。なんか虚しい人生だ。 人生って 何のためにあるんだろうと考えたこともあったけど、答えが分からないから趣味のために生きると決めた。でも今は違う、人類はやり直す機会を与えられた。欲だらけの世界は終わり、優しい世界が作られていくんだ。

          Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(2章)⑤

          Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(2章)④

          「隼人、今日の火はどうだい?」 「今日の火は最高だぜ」 どう見てもいつもと同じ火だけど、隼人にとっては最高らしい。 「山田さんが来たんだけど、子供が生まれている村があるらしいぜ」 「こんな時代でも子供は生まれるんだな」 「人間って強いんだな、都会は壊滅しているらしい」 「そうか、田舎より都会のほうが被害が大きかったんだな、しかも都会ほどライフラインが無くなったら生活ができないだろう」 「そういえばあきらはここに来る前はどこに住んでいたんだっけ?」 「それが、あの時の激しい揺れ

          Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(2章)④

          Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(2章)③

          数か月後、山田さんが訪ねてきた。 「こんにちは、あれから色々と行ってみましたが5名くらいのグループを5つ見つけました」 「なかには夫婦もいて、子供が生まれていました」 「えっ、こんな暮らしでも子供は生まれるんですね」 考えてみれば、僕たちがいるということは、洞穴で生活していた原始時代から子供を生んでいたということなんだよな。 「私たちは便利な生活から今の暮らしになりましたけど、子供は最初から今の暮らしですからね、野性的で強く育ちますよ」 「そうですね、人類は適応力があるんです

          Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(2章)③

          Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(2章)②

          食材を探して帰ってくると、みんなが揃って焚火をしていた。 「はじめ、山田さんという人が訪ねてきたけど知ってる?」 「山の向こうの人だろ?生きていたんだな」 「10名くらいいたらしいが、今は3名になったらしい」 「老人ばかりだったからな」 はじめは知っていたようだ。 「他に生きている人がいないか捜しにいくらしいぞ」 「そうか、僕はここが居心地いいな」 「はじめもそう思うか?」 「そりゃ、もともと僕のキャンプ場だしな」 「そういえばそうだったな」 「隼人とおさむとシェフもそう思う

          Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(2章)②

          Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(2章)①

          「こんにちは、山田と申しますがどなたかいますか?」 僕たちのグループに人が訪ねてきた。 「こんにちは、僕たち以外にも生きていた人いたんですね、どちらから来たんですか?」 「私は、山の向こうの村からきました。」 「私の村は老人ばかりで、災害前は10名いましたが病気になり、若者3名になってしまいました」 「そうでしたか?病院がないから体調を崩したら命取りですよね」 「そうなんです、健康のありがたさが分かりました」 「村人が減って動く余裕ができたので、他に生きている人がいないか、都

          Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(2章)①

          Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(1章)⑫

          「はじめ、僕の服が切れちゃったんだ縫ってくれないか?」 「あそこに干してあった服だろ?縫っておいたよ」 何も言っていないのになんで分かったんだろう? 「ありがとう助かるよ」 あの災害からどのくらいたっただろうか、長い時間一緒に暮らすとしゃべらなくても相手の思っていることが分かるようになるみたいだ。それはテレパシーとかの特殊な能力ではなく、長い時を過ごした夫婦のような。自分のことよりも、相手のためになりたいと思った時に考えていることが分かるみたいだ。 欲がなくなると、それぞれが

          Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(1章)⑫

          Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(1章)⑪

          早朝に山の頂上で景色を見るのが僕の日課だ。今日は先約がいた。 「おさむ、この山は他に人は住んでいなかったのかい?」 「この山にはライフラインが通っていなかったからな、人は住んでいなかったんだ、キャンプというのは不便を楽しむものだからな」 僕はキャンプに興味がなかったから、やったことがなかった。テレビやインターネットやゲームがない生活なんて考えられなかった。しかし、なくなってみたら何もないことが幸せに感じるものだな。 山頂から森を見ても全く人の気配がない。もしかして、僕ら以外の

          Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(1章)⑪

          Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(1章)⑩

          ライフラインがなく、経済活動もない生活が続けば必要のない知識は忘れ、もしかしたら言葉まで忘れてしまうかもしれない。 この世界は支配者が被支配者を洗脳しやすいように言葉やルールなどを作ってきたからだ。共存の世界になったら言葉もルールも必要なくなる。歴史や科学や数学を勉強してもなんの意味もない。お金を稼ぐためにしていたことは全て必要なくなるんだ。必要なのは食べ物を見つける能力と、野生動物や自然の脅威から身を守ることだけ。新たに支配の世界が始まらない限り、ずっとこの平和な生活が続く

          Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(1章)⑩

          Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(1章)⑨

          森が橙色に染まり鳥のさえずりで目が覚めた、人間の生活は大きく変わったというのに野生動物の生活は変わっていない。物が溢れていたあの頃の生活が、今では夢だったのではないかとさえ思う。魂が本来のあるべき姿として考えれば、人生とは魂の世界から3次元に学びに来ているということだ。それはまるで遊園地に遊びに行って、おばけ屋敷で怖い思いをしたり、ジェットコースターでスリルを味わったり、メリーゴーランドで楽しい思いをする。この世界はバーチャルと言われることがあるけれど、バーチャルの世界のほう

          Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(1章)⑨

          Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(1章)⑧

          夕飯を食べ終わったら順番でお風呂に入った。もちろん電気もガスもないからドラム缶を焚き木で温めるゴエモン風呂というやつだ。隼人が起こしてくれる火がありがたい。温まると眠くなってきた。テレビもパソコンもスマホもないから、起きていてもやることはない。たまには星を見るのもいいけど、毎日見ていてもう飽きた。 物があふれていた時は、新しい衣服が欲しいとか釣り竿が欲しいとか思っていたけど、物がない世界になると物欲というのは無くなるんだと思った。もちろんお金もないから金銭欲もないし、裕福とか

          Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(1章)⑧

          Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(1章)⑦

          それにしても、シェフの作るご飯は美味しい。魚を焼くだけなんだから誰でもできそうなんだけど、僕がやってみたら苦いし、形は崩れてぐちゃぐちゃだし味も見た目も残念な仕上がりだった。野菜スープを作った時も、なぜか泥水みたいな味になってしまって、つくづく料理の才能がないって思った。 僕が一人で食べるのなら、生きるためなら食べるのだけど美味しい料理というのは幸せな気持ちにさせてくれる。 「シェフ、ごちそうさま君がいてくれるおかげで美味しいご飯が食べられるよ、ありがとう」 「こちらこそ、

          Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(1章)⑦