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社会主義の必要性:通貨の流動速度と人口、資本分布の傾斜は近似的に比例する

電磁気学でマクスウェル方程式において
∇×E=–∂B/∂t ……①
という方程式が知られている。
コイルの中で磁石を動かすモデルを考えてみよう。
コイルに磁極を近づけるとそれを妨げるように起電力が発生する。
①式の左辺は電場の傾斜のことで起電力の大きさともいえる。
右辺にー符号がつくのは妨げる方向という意味である。
偏微分型の部分は磁界の変化速度である。つまり磁石を動かす速さだ。
これと同様に
∇×(人口、資本)=∂(通貨量)/∂t…②  t:時間
②式では左辺は人口や資本分布の偏り、右辺は通貨の流動速度ということになる。
人口や資本が偏っている状態というのは大都市があることに相当する。大都市周辺では通貨流速が速いということである。
大都市に資本、人口が集中することは
div(人口、資本)>0…③
ということである。ここで気になるのは②式は電磁気学とは異なり符号が正であることだ。市場に委ねておけば人も資本も都市に集中してしまうということだ。
この独占資本主義を促進するような収束性は地方産業を壊してしまうだろう。
従って、保守主義においては、流動の方向性を意識したものである必要がある。単に保守と言えば中央を保守することを意味しやすい。これは独占につながる。人口や資本の独占は極端になれば流動性は失われてしまうだろう。
なぜならば地方には人が住まなくなり、資金もなければ地方から人や食料はやががて供給されなくなってしまうし、地方は消費をしなくなる。
地方を健全に保つためには、単に市場任せではだめなのだ。
逆向きの流動性は政策的に作り出さねばなるまい。この駆動力は政策圧力に比例する。
政策圧力=通貨流動量x流動抵抗 …④
社会主義的生産様式を考える場合には流動抵抗の質的な内容が重要となるはずだ。従来の資本主義ではこれが金利や間接税だった。この部分に地方の人民の声、要求という地方需要の要素を加味することが考えられる。これは独占資本主義では不採算なもの、つまり赤字として切り捨てられてきたものだ。
中央(大都市)からみれば地方需要を満たす資金の流れはマイナス方向なので、④式の左辺の符号がーならばマクスウェル方程式の形式と類似になる。
社会主義は地方を重要視し、農業を基幹産業と位置付ける。地方保守主義とかみ合うものである。
社会主義政策圧力=ー通貨流動量x地方需要 …⑤
div(人口、資本)≒0…⑥
ここで⑥が近似的に成り立っていれば、都市人口の過度の過密化がなく、農村の過疎化も抑制されよう。
④+⑤より
(市場+社会化)圧力=通貨流動量x(流動抵抗ー地方需要)…⑦
div(人口、資本)≒0…⑥
この⑥⑦式を同時に満たすように運営するのが社会主義の基礎ではないだろうか。(私はこの二つの式を社会主義方程式と呼びたい)
⑦式の地方需要がそこそこ大きくなり流動抵抗と等しくなれば両辺は0に近くなる。これは政策圧力を小さくする効果がある。資本主義では過度な政策圧力はプロパガンダ圧や戦争圧になった。これが小さいほど政策ストレスも小さくなる。つまり平和な社会ともいえるだろう。


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