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タイ 首都圏鉄道レッドライン開業

タイに首都圏鉄道レッドラインが8/2に開業されました。
このプロジェクトは日本からの円借款により整備が進められ、タイ国鉄により運用されます。首都バンコクの市街地とドンムアン空港を結ぶアクセスの改善、交通渋滞の緩和が目的です。

総延長は41.3キロメートル。日本政府が2009年から合計2681億円の円借款を寄与したとあります。この円借款とはよくJICAが海外のインフラ整備をするときにつかう言葉で簡単にいうと超低金利でまたは0金利で海外のインフラ整備を目的としてお金を貸すという仕組みです。
「えーなにそれめちゃくちゃお得じゃーん」と思いますが、そうなんです。お金はタダで貸すから日本の技術を使ってくださいというキャンペーンのことです。

世界は空前のインフラブーム

日本人口は減少の一途をたどっていますが、世界は増加傾向にあり、もうそろそろで100億人を超します。人口が増えてくると、必要になってくるのがインフラの整備です。水、電力、交通インフラの需要がものすごく高まっています。
アジアでは人口の増加にインフラの整備が間に合っておらず、人々が車やバイク、自転車で移動しています。しかし、なんでもかんでもこれらで賄えるかというと難しい問題があります。交通渋滞が大変なことになるし、排ガス問題もでてきます。クリーンな世界に向かっていかなければならない昨今、大量輸送には鉄道が必ず必要になってくるのです。
そこで、鉄道といえばわが国日本の出番ということで、2009年ごろから日本政府主導で日本のインフラを輸出しようという国策が掲げられました。
アベノミクスのなかにもきちんと明記されております。
しかし、そこで疑問がわきます。日本の先進的な技術は需要が見込めるのになんで円借款でやっているの?誰もが欲しい技術であれば、0円キャンペーンなんて必要ないでしょ?という疑問です。
はい、お答えしましょう。いろいろ言い方はありますが、一言でいうと「日本の技術は高くてあまり需要がない」ということです。日本でやろうとするとなんでもかんでも、高くついてしまうんです。
僕もよくわかりませんが、日本の技術はたしかに高いと思います。ただお金がめちゃくちゃかかります。その大きなところに言語の問題があります。
世界の標準言語は、英語です。日本以外のほとんどの国の人は英語がそれなりに喋ることができます。
皆さんの周りで英語を喋れる日本人はどのくらいいますか?おそらくそれを使って人に説明したりビジネスができる人は少ないでしょう。一方、東京の飲食店では結構な数の外国人がいます。人種は様々ですが、彼らはおそらく母国語、英語、日本語と二か国語から三か国語はしゃべることができるでしょう。なぜならそれぐらいできないと生きていけないから。日本では日本語だけで生涯不便なく暮らすことができます。日本の教育が何年も英語を学校で教えているのに、日本人が英語がなかなかしゃべれないのは使う機会が全然ないからと言われています。幸せなんですね
しかし、ビジネスで英語が使えないと通訳が必要です。あと日本が作成した成果物、設計計算書、図面など納品物をすべて英語に英訳しないといけません。よく使われるのAI英訳ソフトですが一人のアカウントで40万円以上しますし、一語〇円と書かれていますがかなり高い金額が請求されます。
日本でものをつくると絶対この日本語→英語への翻訳料金がかかってしまします、しかも莫大です。日本人からしたら「いや当然かかるでしょ」みたいなことを思うかもしれませんが、海外からしたら「なんで英語がしゃべれないやつの面倒をこっちがお金をはらわなといけないの?英語なんて小学生だってしゃべれるよ」ぐらい温度差があるので、そんな莫大なお金は日本がもってという交渉になります。なので日本の円借款契約では日本で設計して納品するというところまで日本政府がもつ(お金をだす)場合が多いです。これら設計業務は〇〇〇億円程度かかってしまうことがざらにあります。日本企業が海外で勝てない理由はこれがあって、日本人が設計をすると英語ができないので余計にお金と時間がかかってしまい、採算がとれなくなるのです。また、日本から輸出して製品をつかってもらおうとすると必ず海をわたる必要があります。これも高くついてしまう原因で「いや、こんな高いならいらないです。」と簡単に言われてしまうのが昨今の状況で、めちゃくちゃ高くていいもを使わなくても、そこそこいいもので安いものはたくさんあるという今日の世界ではそこまで日本製の需要はないのです。

どこで儲けるのか

じゃあなんで海外進出するのよ?こんなの負け戦じゃん!という意見があります。それにはわけがあって、日本は人口減少により経済の成長率が先進国でもダントツでびりですね、コロナ渦といえど先進国が経済回復を見せているなか、日本はまだ先進国で唯一回復しきれていない国です。難しいですね。日本は皆さんもご存知のとおり、技術国として成長してきました。その理由は簡単です。石油や資源がないからです。どっかの国は穴を掘ればお金がわいてきますが、日本はわいてきません、ものを加工して外国人に買ってもらわないと生きていけないのです。なぜなら、何をするにしても資源は必要だからです。石油に頼らないことには生活ができないのがこの国の現状です。今までは自動車産業が日本の経済をけん引してきました。というか自動車産業ぐらいしかないというのが正直なところです。しかし、日本が世界に誇れるものといえばインフラ技術なんです。
海外旅行に行かれるかたはすぐ気づくとおもいますが、水道水が飲める国はそう多くありません。トイレも水洗式で衛生環境についても日本は頭ひとつ抜きんでています。水、衛生面では日本は世界トップクラスなんです。あともう一つ海外の人がびっくりするものが日本の鉄道です。日本の鉄道はほとんど遅れません。また安心・安全で運行しているのも海外の人からは魅力的に見えるそうです。あと海外ではかなりレアケースなのが日本の鉄道は民間会社が運営していることです。世界の国々、ヨーロッパも含めてですが鉄道は国が運営しています、国が運営しているということはほとんど赤字ということです。しかし日本の鉄道会社はコロナ渦以前であれば黒字、しかもかなりの利益をだしています。そういう運用面でも日本のビジネスを目指したいという国は日本式の鉄道の導入を考えています。
さあ、ここまで日本の海外進出のいい面と悪い面を記述してきました。ではどこでもうけるのか、なぜ日本政府は多額のお金を無償で貸し付けてまで、日本式を使ってほしいのかというと、メンテナンス費で儲けたいからです。民鉄各社の収益をみるとメンテナンス費が莫大だということがわかります。人々の旅客により収益を上げる鉄道会社ですが、そもそも人口減少により新しい線路を引いても乗る人はすくなくなる。また人が乗らなくても維持管理のためのメンテナンスにお金がかかる、など日本で新線を引いても儲けが難しいのは火を見るよりも明らかです。そこで、これから鉄道が必要になる、人口が増加しているアジアに目を向けたのです。しかもインフラは一度導入させてしまえば継続的に使われ変更が加わりにくいというメリットもあります。おそらく土木・建築の施工などは賃金の関係から日本企業に勝ち目はないでしょう。新設工事をしようとしたら世界中のゼネコンと価格争いをして競り落とすことになりますが日本の平均給与は世界的にみても高額です。おそらく現地のゼネコンが勝つと思います。しかし、その現地のゼネコンが作るものを日本式の車両専用に設計をしてしまえば日本の車両メーカーは必ず使用されるのです。日本の車両は当然ながら日本の技術者によってメンテナンスされるのでお金は日本に落とされるのです。
というような高度なビジネスを日本政府は主導しているということを記述してみました。もちろんすべてが上手くいっているというわけではなく、中国に車両をおろしたら技術がすべて盗まれたなど、リスクはつきものですが世界に日本の鉄道を広める活動は今後さらに加速していくでしょう。

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