一番安全なことって?

鉄道業界では日々目にし、耳にする「安全」という言葉。

新入社員教育からしつこいくらい安全について叩き込まれますし、定期的な訓練でも安全について教育があるほか、昇進試験でも安全について問われることもある等、安全は鉄道で働く限りずっと近くにあるものです。

ただ安全に作業しろと言われても、最初はいまいち分かりません。

基本動作を守ってやればいいんでしょと新人の頃はやるものですが、やはり慣れてくると手を抜いてしまうのが人間であり、手を抜いていった結果ヒヤリハットや最悪事故につながっていきます。

ヒヤリハットを経験する人間はとても多いと思います。ヒヤリハットは本人の責任を追及せずにミスを防いでいくために活かしていく制度として大抵の会社が取り入れていますが、わざわざ自分のミスを報告するということは所謂恥さらしになってしまうことも多く、ヒヤリハットを経験しても報告しない人は多いと思います。

私自身もヒヤリハットを経験したことがありますし、本当に危なかったこともあります。しかし、それを経験して初めて「これをやると危ないんだな」と実感しその後は気を付けていくんですね。

大抵一回は危ない思いするもんだよとよく先輩に言われたものですが、本当にその通りだと思います。

しかしそのうちヒヤリハットで済まなかったものが事故として出てきてしまうのでしょうね。

ちなみに「鉄道で一番安全なことって何だと思う?」と先輩に聞かれたことがあります。皆さんはどう思いますか?

自分は指差喚呼とかそんなことを言ったのですが、答えは「動かないこと」と言われました。最初はこれを言われてもよく分かりませんでしたが、確かに何も動かなければ鉄道の事故は殆どなくなると思いました。

まあ鉄道ですので動かないわけにはいかないんですが、もし何かあったときに「だろう」で行動してしまうのではなく、とりあえず「動かずに」状況を整理して、自分を落ち着かせ、基本通りの取り扱いをしていくことで、事故や或いは事故時の二次災害を防いでいけるのでは?というのが、先輩の話を聞いて自分なりの解釈です。

鉄道に限らずあらゆる職種で日々安全を守り続けている皆様が「ご安全に」過ごしていけるよう祈っています。


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