2021.06.25 関東甲信越完全制覇(第三夜)上田電鉄 別所線 車窓 別所温泉→上田

上田電鉄別所線は、その名のとおり、上田駅から別所温泉に向かう路線。上田盆地(上田平)の塩田平を縫うように走ります。塩田流北条氏ゆかりの地で、著名な社寺・遺跡が点在することから、「信州の鎌倉」と呼ばれており、2020年には「日本遺産」にも認定されています。

もしかしたら、本線のことを「上田交通」の名前でご記憶の方もいらっしゃるでしょう。現在の上田「電鉄」は、2005年に上田交通から分社化されたもので、その前にバス・タクシー事業も分社化(1999年。2009年にグループ離脱)したことで、現在の主業態はは不動産業となっています。ただ、東急創業者の五島慶太が当地(小県[ちいさがた]郡青木村)の出身ということで、東急グループを構成する企業のひとつでもあります。

2019年の台風19号により被害を受けた千曲川橋梁(千曲川右岸;城下駅寄りの桁が落橋)は、2021年3月28日に復旧し、元の運行形態を取り戻しました。その際、橋梁部分を上田市が市有化することで、公共事業スキームでの復旧が為されたことでも注目を集めましたが、1970年代から上田市による財政面のテコ入れが行われてきたことが「千曲川橋梁のみ市有化」なる決断につながったのかもしれません。

本作は、別所温泉から上田に向けて下っていく車窓ですので、あまりピンとこないかもしれませんが、下之郷から別所温泉にかけては勾配がきつく、とりわけ別所温泉(標高554m)付近は40‰の勾配になっています。1986年に1500Vに昇圧されるまでは、「丸窓電車」を含めた旧型車両が20km/hそこいらのスピードしか出せずに難儀したとか。その「丸窓電車(上田温泉電軌デナ200形→上田丸子電鉄モハ5250形)」のうち1両(モハ5252)は、別所温泉駅構内で静態保存されています。

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