東北完全制覇(第五夜)JR大湊線

乗りつぶしで、往々にして「盲腸線(行き止まり線)」は後回しにされがちですが、大湊線はその最たるもの。今回の旅は「東北新幹線の新青森ー盛岡間制覇」で締めくくる予定でしたので、夕方までの時間配分を考慮して、3連休最終日の朝イチは大湊線を片付けることにしました。

下北半島の付け根から首筋をたどるように延びているのが大湊線。かつては下北駅から大畑線(国鉄→下北交通)が分岐していたことから、それこそ「半日以上かけないと乗りつぶせない難行」エリアでありました。大畑線亡き今、相手にすべきは大湊線だけですので、大湊で小一時間待たされたとしても、都合3時間あまりでカタがつきます(!)。

野辺地から大湊へは、進行方向左側に座るに限ります。午前中なら順光で陸奥湾を眺めることができます。午後は直射日光がキツいかもしれませんが、東側は陸地ばかりですので、それよりはマシかと(え?)。前面展望ならば、下北発車後、恐山とほぼ真正面に向き合いながら終点の大湊へ向かうことになります。

ところで、今回の旅で使っているのが「三連休きっぷ」......青い森鉄道も乗車可能......なので気にしていませんでしたが、大湊線はJR東日本唯一の「孤立路線、飛び地路線」です。青春18きっぷでも「青森ー八戸間は通過利用可能、野辺地での大湊線への乗り換えも可能」となっているので、あまり意識されることはないかもしれません。

「飛び地」になるなら、いっそのこと大湊線も運営を切り離してしまう手もあったでしょうが、2007年11月、JR東日本さんは「新幹線延伸後も自社路線として運営する」と侠気を見せて、今に至ります。

実際、現在のダイヤでは、日中は(1往復が青森発着なのを除いて)八戸まで足を延ばしていますし、臨時列車「リゾートあすなろ下北(八戸発着)」が継続運行されています。新幹線との接続を他社(=青い森鉄道)経由ででも確保することで、大湊線は活性化するとのスタンスの現れといえます(復路の快速「しもきた」八戸行きでは、大きめの荷物を持った家族連れも見かけました)。

次に大湊線を訪れることがあれば、ぜひ「リゾートあすなろ下北(HB-E300系)」に乗ってみたいところです。

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