東北完全制覇+α(第九夜)① JR東日本 仙石東北ライン 快速 前面展望 仙台→石巻

東北本線と仙石線が隣り合う場所に(長めの)渡り線を設け、そこを介して仙台(地上駅)と石巻を結ぶのが「仙石東北ライン」......正直その程度の理解でした。しかし、仙台駅1番ホームで入線を待つ人の多さに驚きました。えらく繁盛しているではありませんか!

2011年の東日本大震災で寸断された仙石線が全線で運行を再開したのが2015年。その際、仙石線の快速をこの「仙石東北ライン」に移すことで、高城町ー石巻間の速達化を図りました(かたや、仙石線内完結列車はすべて各駅停車になりました)。元が私鉄だった仙石線は、駅間が短い上に待避設備がないことから、いわゆる緩急接続運転ができず、快速の増発に困っていたためです。また、高速バスとの対抗という意味もありました。

これにより、仙台ー石巻間は、従来の「仙石線内完結の快速」で60分台だったものが、仙石東北ラインの「快速」で1時間を切り、「特別快速」だと50分切りで結ばれることになりました。これだけ判りやすい時短効果を見せられると、仙台駅で行列もできようものです。あと、塩釜までは東北本線の普通列車としても機能していますので、その分も上積みされていたのかもしれません。

そして、仙石東北ライン(仙石線)で忘れてはいけないのは、東日本大震災からの復興に際して、線路を内陸に付け替えた区間(陸前大塚ー陸前小野間)です。仙石線は1990年の夏に乗りつぶし済みだったのですが、その付け替えが大規模だったために、さすがに乗車記録を返上せざるを得ませんでした。まだまだ新しさの残る付替後の線路から海沿いを見下ろして、改めて被害の大きさと、復興はまだまだ進行中であるということを思い知った次第です。

ちなみに、個人的には、これが初めての「JR東日本バイブリッド車乗車体験」でした。停車中はアイドリングストップ。発車直後は蓄電池でモーターを起動しますが、ほどなく発電用のディーゼルエンジンが唸りだします。惰行に入るとほどなくエンジンは静かになりますが、最加速時はまたエンジンが唸る。減速時は回生ブレーキで充電しながら停まる......前面展望撮影しなくていいのなら、車中のモニターをガン見しながら挙動の確認に勤しんでいたことでしょう。

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