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2021.02.12 #219 ライブ配信後記

今回は、津軽平野に残る未乗路線3本をご紹介しました。
津軽鉄道、弘南鉄道大鰐線、弘南鉄道弘南線です。

津軽鉄道については、前面展望でご覧いただいたとおりです。
コメントに「自分が行った頃と変わっていない」とあったように、昭和・平成の名残が今なお強く残る路線です。
しかし、近江鉄道が彦根駅構内に残っていた旧車群を一気に「粛清」したのを知っている私としては、経営状況いかんでは、五所川原に残る車両たちも、ある日突然キレイさっぱりいなくなってしまう可能性を拭えないのです。
ですので、コロナ禍がある程度落ち着いて動ける状況になりましたら、津軽鉄道の「いつかはなくなる今」を記憶にとどめに行っていただきたいと思います。

そして弘南鉄道。弘南線と大鰐線。
どちらも経営状況は厳しいとはいえ、弘南線の方がまだ生き残れる可能性は高いようです。弘前と黒石、ふたつの街を結ぶ路線であり、途中に本社を擁することや、弘前駅は直接JRと接続していることが幸いしているのでしょう。
これに対して大鰐線ですが、元は別の会社(弘南「電鉄」)により戦後開通した路線であり、元の会社の経営破綻でやむなく引き受けたという経緯もあり、過去に廃線の話もありました。
どちらも同じ車両(元 東急7000系)を使いながら、細かく見ていくと、吊り革を赤く塗って「りんご風」に仕立てているのが目立つものの、大鰐線の車両の方が「捨て置かれた感」が強いです。
あと、列車本数も、昼間こそどちらも毎時1本ですが、朝夕の本数は弘南線の方が厚みがあります。大鰐線は「よくもこれで生き残れているな」と思えるほどです。
先般、弘南鉄道の沿線自治体は、今後10年間で計9億円以上の援助を行うと表明した一方で、大鰐線は今後3年間で増収できなければ廃止せよとのメッセージを出しました。残酷といえば残酷ですが、実際に両線を乗り比べてみると、トリアージするなら結果は明白。残っているうちに乗りに行けというのは、大鰐線に対してこそ言える言葉です。

いいだけ道路交通が充実しているであろう津軽平野で、鉄路を残すというのはなかなかに至難の業だと思いますが、余所者の鉄道好きとしては「旅して乗って貢献する」ことで、延命に助力できればと思います。

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