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学びと教えの(一つの)終着点

 3月22日に、清水校舎で学位授与式がありました。
午前と午後に学生が研究室に来ました。別れを惜しむように、これまでを懐かしむように、話は尽きません。
 この合計数時間の対話に長さも短さもありません。お互いの記憶をたどり、これからの未来に対する不安の解消に助言し、たった人生の4年間という時間の濃厚さをお互いに認識して、この期間よりも今から何倍にも続く関係性の面白さを別れの言い訳に代えて送り出すこの作業は、自分が大学教員として円熟してきたことを認識します。
 今年度の学位授与式は私にとって、あるいは海洋スポーツ特定プログラムの授業を履修した学生にとって特別な年なのです。忘れもしないあの入学式の出来なかった東日本大震災のあった2011年にスタート時に入ってきた学番1B生から始まり、ファイナル7B生による幕引きの年なのです。

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 私は、この9年足らずの間に全力で高等教育に携わってきた自分の姿勢を否定しません。つまり、その教えについてきてくれた学生たちをリスペクトしています。もちろん、持ち前の運の良さが色々な局面で困難な状況を乗り越えるファクターになったことは否めませんが、大きな事故も無く大円団を迎えられたことは(途中で足を引っ張った学生の顔は今でも思い返せますが)喜ばしい限りです。()内の学生は今一度反省するように(笑)。
 延べ人数は、今はそれほど重要ではないので積算していませんが、年間の履修者が500名平均(過少です)と考えても5000人近い海洋スポーツの専門教科を行ったことになります。もちろん、私が独りで達成した人数ではありませんが、これは海洋としての総合高等教育としての金字塔ではないかと考えます。海洋学として学士を輩出する高等教育機関は世界中探しても無いことから東海大学海洋学部は、世界で唯一の海洋高等教育機関と言えるでしょう。

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 このプログラムの終了によって、私も仕事はひと段落して次のステップに向けて研究をシフトしてゆきますが、常に水中考古学に対するフィードバックは意識していますし、海事考古学とのコラボレーションには面白みを感じていますので、また専門の潜水法の研究も「!」となっています。その閃きを通じて新しい知見を発表していけると考えています。

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