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26〈仮説〉しもふさ120分エンデューロ④ 2019年5月6日(月)

レース中盤の60分をすぎた頃に

(ようやく半分かぁ~、さてどうすっかなぁ~。)

なんて思いながら先頭を牽いていると、『渋めさん』が

「レースはまだ始まってもいないよ。そんなにあわてなくてもいいよ。」

みたいな声かけしてもらう。

(たしかに何か焦ってたかもなぁ~。はい。さっさと、下がろーっと。)

半分とかの節目にくると、人間って動きたくなっちゃうのかな。

そんな心理を読んでいたかのような声かけ。

少し冷静になれた。

後半戦になって、エネルギーの補給をし始めた。天気も良く、日差しも強かったので、水分補給もこまめにとっていた。

そんな中、『OTRさん』が奇妙な動き。

隊列から出ていって、コースの右はじにいった。けど、しばらくしたら戻ってきてる。

初めは気づかなったけど、後々にわかった。

右はじによって、補給していたのだ。

誰の邪魔にもならないように。

集団走行中の補給って、なんだかちと難しい。なので、前の人から少し遅れちゃったりもする。そうすると、後ろの人にも迷惑かかるので、補給を躊躇しちゃう時が何度もあった。けど、OTRさんのやり方なら、周りに迷惑かけないし、落ち着いて補給できるからいいなぁって思った。

集団も落ち着いてきて、20~30人くらいいたと思う。

(このまま、淡々と終わるのかなぁ~。)

などと、思っていたら、状況が変わった。

レース開始、80分経過した頃だったと思う。

右から第2集団が、ゆっくりと上がっていきた。

そこまでの速度差もないから、乗り換えようかと悩んだが、疲れも見えてきた頃だったので、踏みとどまることにした。

それでも、第2集団に移った人も多かったと思う。

第2集団と第3集団が合流していたその時、さらに第1集団も現れたのである。

それぞれの流れをもった、集団が合わさる光景はなんだか、巨大な生き物が混じり合っているような感じだった。

第1集団に飛び乗った人も多かったのだろう。集団も過ぎ去り、周りを見渡すと、残っているメンバーは、OTRさんを含めて4人程度になっていた・・・。

作ってきた集団が粉々にされた・・・。

「おいおい、みんな連れて行かれちゃったなぁ~。せっかく大きくなってきたのにねぇ~。」

「まっ、しゃーないっすね!!いきましょーかね。」

とOTRさんとのローテーション。

うーん。

一緒に走るのは、当然初めての方なのですが、なんというのかOTRさんとは

『脚が合う』

んですよね!!気持ちよく走れました。(^-^)

前方に少し速い小規模な集団がいると、

「前の集団に入っちゃいましょう。」

なんて言って力強い加速。

(う~ん。ちょうどいいわぁ~。)(^_^)ノ
 
 
やはり、先ほどの集団に乗っていった人たちがこぼれ落ちてきた・・・。

こちらに乗ろうとしている人もいただろうが、力尽きて乗れない人がほとんどだった。

ふぅ。つられて乗らなくてよかったかも。
 
 
90分経過。

残り時間は30分

相変わらずOTRさんとローテーションを回していく。

(ラストは、OTRさんとの戦いになるかもな。全体の順位は、もうわけわからないけど、この人に勝てるかどうかが、今日の目標だ。)

そんなことを考えながらも、肉体にも疲労が見え始めてきた。

太ももの筋肉は、余裕があるのだが、腰周りや、股関節付近の筋肉がだんだんと重くなってきて、ペダルを回すのがきつくなってきた・・・。 
 
 
 
再び6~7人の集団を作りながら走る。

残り20分 

走行時間は100分

今までの走行距離は、

60キロとちょっと

嫌な距離と、

時間帯だ・・・。

手賀沼でだいたい千切れるのもこの時間帯・・・。

身体がだいぶきつくなってきた・・・。

残り15分の時

ついに、トダがOTRさんの集団から千切れたのである・・・。


腰周りの筋肉が回らない・・・。

太ももで回そうとするが、それはそれで疲れちゃうし、長くは回せない・・・。

先ほどまでは、時速37~40キロくらいではしっていたのが、30キロ以下にまで落ち込む・・・。

(クッソー!!)

(終わった・・・。)

(情けねぇ・・・。)

(最後までもたないとは・・・。)

(ラストの勝負できなかった・・・。)

集団にのって追いかけたいが、集団なんてないし、そもそも、もう脚がない・・・。
 
 
(ラスト15分は個人走かよ・・・。)
 
 
終わった感いっぱいで一周経過・・・。
 
 
すると、

後ろから

『グワングワン』と音がする。

右を見ると、巡行速度の速い二人組が現れた。

序盤で何度か見かけた、腰にダーツのマトみたいなマークが一つだけついている『ダーツさん』と、ホイールから音がなっているのであろう、黄色ウェアの『グワングワンイエローさん』であった。

 
(速いな!!)

(飛び乗れるか?)

(脚も無いし、無理かもしれない・・・。)

(けど、ここで逃したら残り時間は精神的苦痛を味わい続けることになる!!)

(喰いつけ!!)

思い切っての加速!!
 
 
乗れた!!
 
 
(キツいが、ついていける!!)

巡行速度も40キロオーバーで突っ走る!!

脚が回る!?

(脚が生き返った?)

(なんでだ?)

(回復したのか?)

とにかく、生き返ったかのように走れる。

3人で突き進んでいくと、小規模ながら速そうな集団が。

「あ!!」

クリナップサーヴェロさんや!!

「おおー!!やっと見つけました~!!速いっすねぇ~!!」

「いやいや~。」(^_^)

なんて、いいながらテンション上がりぎみの高速巡行。

他にも速そうな人がいたが、

(おお!!『Reゼロ』の『レムたん』やないか!!)

めっちゃ『痛ジャージ』を来ているライダーが!!

思い切って話しかけてみた!!

「おおー!!レムたんやないですか!!」



レース終盤にもかかわらず、

めっちゃ、

どや笑顔!!

 
みんなでなんとか坂も登りきった。

ゴール地点のタイマーを見ると、残り時間は

『3分』

「おおー!!とうとう残り3分かぁ~!!ラスト一緒にゴールしたいなぁ~。」

なんて言ったら、

 
みんな目の色が変わった!!

 
さっきまで笑顔だった『クリナップサーヴェロさん』

突然のアタック開始!!

(ええっ!!)

と思い加速するが

「速ぇえ!!」

それに続いて、みんなかっとんで行った!!

追いかけながら、なんとか走りきる。

アナウンスが残り時間一分を告げる。

ゴール地点まであと、わずか。

一秒でも時間が残ってゴールをくぐればもう一周できる。

残り時間40秒

(もう、つらい・・・。)

(ゆっくり入って、終わりにしてもいいんじゃないか・・・。)

残り時間30秒

(いや)

(いけるんだったらギリギリまで走ろう!!)

残り時間20秒でゲート通過!!

正真正銘のファイナルラップスタート!!

さて、周りを見渡すと、なんだかいつものメンバーもちらほら。

近くに『ゼブラー君』を発見。

ところどころ離れはしたが、おそらく最初から最後まで一緒だったゼブラー君。ここで初めて話しかけてみる。

「いよいよラストだね。ていうか、ラップ数たぶん同じだよね。」

「そっすね。」

「では、ラストはバトルですな!!」

ゼブラー君

にやりと笑う

(よっしゃー!!ファイナルバトルスタート!!)

ゼブラー君は軽量級。体型から推測すると、もろにクライマー。

このコースのゴールは登り坂の頂上。

登り勝負になったら、間違いなくやられる・・・。

ということは、坂に入る前に引き剥がして、逃げ切りゴールじゃ!!

そんな作戦を立てました

が、

ラストの状況では、引き剥がせるほどの脚も残っておらず、そもそも引き剥がせるほどの速度域をもっていない・・・。

びっちり牽かされて、登りで数人にまくられてフィニッシュ!!(´д`)

57/123位という結果でした。

ゴールしてからは、ゼブラー君やOTRさんに挨拶。

自転車を積み込んでたら、クリナップサーヴェロさんが挨拶に来てくれて嬉しかったな!!

そうそうにトップ集団についていくのはやめたけど、今回学べたことは、120分走りきるには、補給の工夫が必要であること。

そして、レースに出れば競いあえるライバル達がたくさんいて楽しかった!!ということでしょうか。秋はしもふさクリテリウムに出場するし、また一緒に走れたら楽しいだろうな!!(^_^)
 
 
それにしても、今回ふと思ったのが、一度千切れた後に、なぜ回復できて追走できたのか?

あの千切れた状態はハンガーノックだったのだろうか?

私は、他の人よりもハンガーノックになりやすいのか?

回復したのは、補給していたエネルギーが、身体に取り込めたからなのか?

だとしたら、手賀沼での千切れも同じ現象?
(う~ん。脚が完全に終わるパターンがほとんどのような気がしますわ。)

それならば、補給をうまく行えば千切れずに走りきれる?

いろいろな『仮説』がよぎった。

『仮説』のあとは『実証』

このレースの経験を今後に活かしていこう。
 
 
次のレースは、6月9日の富士山一合目から五合目までの

『富士ヒルクライム』

写真提供はウインドマスターさんでした。応援もありがとうございました!!(^_^)

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