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テトラについて

こんにちは。テトラ店主のリコです。

※4/12に一部編集をしました。また画像も差し替えました。基本的な内容は同じです。

20代後半の2年間、ロシア人の元夫と日本で生活していました。その間に数々の大喧嘩を重ね、家出をしまくり、泣きながら深夜のコンビニの駐車場でスト缶をあおり、周りにも散々迷惑をかけ、「もうこいつと一緒にいるのイヤやわ」と離婚、残ったのは国際結婚って大変なんだという今更すぎる、でも体験しないとわからない事実と、ボルシチを始めとするいくつかの異国の料理のレパートリー。
元夫は嫌いになって別れたけど、料理には罪はない。おいしければそれでいいじゃない。娯楽だもの。



立派すぎるポスター
東伏見place JINさんに掲示する用に作ってもらいました。

こちらのポスター写真は、見る人が見ればわかるスタローヴァヤ(食堂)を意識しました。
丸亀製麺的にまずはおぼんを持って横に移動していき、好きなものを取ったり冷蔵ケースの向こう側で無愛想に突っ立ってる店員さんに「これください」と言って取ってもらったりして、最後に会計する仕組みの、アレです。

まあそんなに選べるほど品数が出せないので、丸亀製麺的システムは作れませんでしたが、おぼんにのせた様はスタローヴァヤっぽくしたいと思いました。

テトラをなんでスタローヴァヤ風にしたかというと、まず基本シェアキッチンなので仕込みに使える時間などが限られており、しかも一人でやるのでコース形式など凝ったオペレーションはできないこと。そして、「ボルシチやらピロシキって、そんなにかしこまって食べるものかな?」という、前々から思っていた疑問からです。

日本でそういうものを食べられる場所となると、大体レストランですね。コースでウン千円と高いし(酒カスなのでお酒がついていないとそんなに出したくない)、なんか一応小綺麗な格好してテーブルマナーとか覚えていかないといけないのかなぁ、みたいな。

でも、わたしが体験した現地もしくは現地人の日常的な食事って、そういうのじゃないんですよね。
ナイフなんかなくてもフォークでザクザクぐちゃぐちゃぶったぎって、サラダはマヨネーズでなんでも和えて、じゃがいもピューレにびっちゃりおかずの汁がかかってて、味付けは塩かスメタナ、パンはおぼんやテーブルに直置き。そんな光景がわたしの当時の日常でした。

少なくともわたしの知る限り、日本にそんな料理を出すお店はありませんでした。うやうやしく出されてくる割にこれトマトスープ?みたいなボルシチとか、春雨が入ったピロシキとか、目ん玉飛び出るくらい高い立派なラムのステーキとか。それはそれでおいしいんだけど、こうじゃない!!という体験の連続。
だったら、自分で作ったボルシチのほうがおいしいや。と、わたしの料理を褒めちぎってくれるシン・日本人夫の甘い言葉に煽てられいい気になり、たまたま日曜空いていた近所のシェアキッチンを勢いで借り、今バタバタと準備をしています。

わたしがロシアに滞在していたのは大体2016、2017年頃。スタローヴァヤは、元夫の家族に連れて行ってもらったカザンの観光途中で入ったのが最初の体験でした。

カザンのスタローヴァヤ(丸めたティッシュ気になるわぁ)


調子に乗って色々取ったら量が多くて食べるのが大変だった。お腹いっぱいになりながら「デザートは余計だったわ」と思った記憶があります。
なんか、あっちのたまごって黄身の色薄いですよね。それがまた今見るとノスタルジック。

ここの店が特別おいしかっただとかそういうことはないんですが、観光名所などの食べられない物には興味がなくて、国内外問わず旅行に行けば地元のスーパーやローカルなファストフード店をめぐって「こんな物売ってる!どんな味なんだろう!」と大興奮しているような食いしん坊人間なので、フランクな食堂でご飯が食べられたのはすごく嬉しかったです。
あと、お土産で買ったチャクチャクもおいしかった。ちょうどいい例えが浮かばないけど、白くて細いかりんとうが固めてあるみたいな、カザンで買えるタタールのお菓子。そのうち作りたい。

元夫の実家のダーチャで食べたシャシリクとかモスクワ観光で行ったお店とか思い出したら色々あるんですが、それについてはまたいずれ書きます。

そういう体験を通して、お店をやるならスタローヴァヤっぽいかんじにしたい!と思って、今回の形に落ち着きました。
スタローヴァヤに行ったことがある方々から、写真を見て「ぽい!」と嬉しいコメントもちょこちょこいただき、変に気取らなくてよかった……とほっとしました。

スタローヴァヤを知ってる人も知らない人も楽しめるよう、フリーター生活の合間を縫ってできるだけ頑張りたいと思います。
こんなに小規模なのにお店の準備は大変だし、お客さん来てくれるかなって不安になるし、貯金が尽きるのはいつかわからないし、あれもこれもやらなくちゃって追われて飲みすぎて吐くし、でも忙しくて楽しいです。これからどんな形になるかわからないけど、少しでも面白いことをやれたらいいなあって思います。

ちなみにトップ画像は、ベラルーシ留学中の友人から送られてきたおそらくセリョートカパドシューバイの写真。乗ってるのはディルなのかなんなのかわからないけど……ぱっと見おしゃれに見せかけて、ミンスク、盛り付けが斬新だな!




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