【レビュー】水樹奈々『CANNONBALL RUNNING』はホテルビュッフェだ
どうもテトラ・ワトソンです。
今回は水樹奈々『CANNONBALL RUNNING』についてレビューしていきたいと思います。
この作品はとても重要な作品です。
歌手デビュー20周年をむかえる彼女が「聴く前に覚悟を決めないと封を開けられないかも」とまで発言する作品。
三嶋プロデューサーが「最高傑作」と発言したONE TEAMとしての自信作です。
昨年はサブスクリプションの解禁に夏のツアー、今年もツアーの開催がきまっており、歩みを止めない彼女は弾丸です。
タイトルはまさに「弾丸のように駆け抜けてきた」という自分自身を表す言葉として彼女自身が選んだように、彼女の軌跡に触れるにはびっくり箱を開ける前のような覚悟が必要なのかもしれません。
またこのアルバムについてはYouTubeの方で彼女自身が収録曲について解説をしてるので一度見てみてください。
無料で見れます。
<CD>
01. Higher Dimension
作詞:藤林聖子 作曲:EFFY(FirstCall)・太田雅友(FirstCall) 編曲:EFFY(FirstCall)
02. カルペディエム
作詞 : ヨシダタクミ(saji) 作曲 : 上松範康(Elements Garden) 編曲 : 藤永龍太郎(Elements Garden)
03. Love Fight!
作詞:TATSUNE 作曲・編曲:原 一博
04. DAYBREAKERS(ゲームアプリ「重装戦姫」主題歌)
作詞:藤林聖子 作曲:光増ハジメ(FirstCall) 編曲:光増ハジメ(FirstCall)・太田雅友(FirstCall) 弦編曲:弦 一徹
05. Knock U down
作詞:水樹奈々・山田竜平 作曲・編曲:山田竜平
06. BLUE ROSE(スマートフォン向けアプリ『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』「メアレス」シリーズ テーマソング)
作詞:しほり 作曲:福田 初・kikurage・石川陽泉 編曲:藤間 仁(Elements Garden)
07. Sweet Dealer
作詞:あおまふ 作曲・編曲:石川ゆう 弦編曲:津田ケイ
08. WHAT YOU WANT(アニメ「モンスターストライク」EDテーマ)
作詞:しほり 作曲:ats- 編曲:ats-、清水武仁&渡辺徹
09. マーガレット
作詞:水樹奈々 作曲:BOUNCEBACK 編曲:日比野裕史
10. METANOIA -Aufwachen Form-(TVアニメ「戦姫絶唱シンフォギアXV」OPテーマ)
作詞:水樹奈々 作曲:上松範康(Elements Garden) 編曲:藤永龍太郎(Elements Garden)
11. glitch
作詞・作曲・編曲:中野領太
12. NEVER SURRENDER(劇場版アニメ「魔法少女リリカルなのは Detonation」主題歌)
作詞:水樹奈々 作曲・編曲:加藤裕介
13. Light Births Shadow
作詞:松井五郎 作曲:ラムシーニ・小高光太郎・藤井亮太 編曲:小高光太郎 弦編曲:藤井亮太
14. REBELLION(アニメオンラインRPG「叛逆性ミリオンアーサー」主題歌)
作詞:しほり 作曲 : 高尾奏之介 編曲:加藤裕介
15. UPSETTER
作詞・作曲:水樹奈々 編曲:藤間 仁(Elements Garden)
16. ALL FOR LOVE
作詞:岩里祐穂 作曲・編曲:吉木絵里子、華原大輔 弦編曲:前嶋康明
17. FINAL COMMANDER -Aufwachen Form-(TVアニメ「戦姫絶唱シンフォギアXV」挿入歌)
作詞:しほり 作曲:上松範康(Elements Garden) 編曲:菊田大介(Elements Garden)
さてこのアルバム、17曲入りというなかなかのボリュームです。
当初15曲から2曲追加された経緯があります。
もはや15も17も変らないくらい、数ではない曲自体のパンチが今回はかなり強く感じます。
本当は詳細に曲ごとにレビューをしたいのですがそれは後日ピックアップして書きたいと思います。
なんせ数が多いのでね。
今回は全体的なアルバムの印象をレビューしたいと思います
今回のアルバムは通常版
初回限定盤CD+Blu-ray
初回限定盤CD+2DVD
と3バージョンが発売されています。
いつも通常版のジャケ写が好みなんですが、今回はDVD版が私は一番好きです。
さてタイトルにあるように水樹奈々『CANNONBALL RUNNING』はホテルビュッフェだ、と書いたのは私はオリジナルアルバムはコース料理だと思っていました。
しかしそれを覆したのがこのアルバムです。
彼女が序曲であるという Higher Dimensionは
全体の粗筋や雰囲気をまとめてあらかじめ伝えるように作られたというより
響く高音に彼女の覚悟がうかがえるような、宣言文のような歌詞で
彼女自身そのものを表してるように思えます。
この過去現在未来の水樹奈々を表すような曲を序曲とするあたり、
アーティスト水樹奈々流自己紹介といった感じでしょうか。
わくわくするサウンドで今にも何かが動き出しそうな高揚感が味わえます。
しかし、アルバム全体を流して聴いてると何曲か流れから浮いてるように感じる曲もありました。しかしそれは悪いことではありません。
今回17曲に増やしたというのは選択肢を増やすということ。
『CANNONBALL RUNNING』は水樹奈々自身が「栄養ドリンクのような」と
比喩するように、我々が必要なときに必要な曲を好きなだけ選択して聴けばいいのです。
サブスクリプションが解禁されSpotifyではこの記事を書いてる2020/01/14時点で今月のリスナー数が134,826人を記録しています。
ちなみに人気曲のベスト3に16曲目の ALL FOR LOVEがランクインしています。
先行配信やTV放送の影響でしょうか、
ちなみにベスト5はFINAL COMMANDERがランクインしています。
このように今の音楽を聴き方の変化を考えるとこのアルバムはニーズに合ったモノになっていると感じます。
さて水樹奈々は欲張りです。
なんでもやりたい、体現したいという欲が原動力となり自分のポテンシャルを向上していきました。
そしてこれだけ振れ幅があるラインナップを揃えたアルバム。
元気がないときに背中を押してもらいたい人もいるでしょう、
他にもとことん落ちたい人もいるのです。
どこでもカバーするぞ!あなたに合った一曲を!という、これまで以上に
ターゲットを広く取った印象を受けます。
もはや水樹奈々はアニソン業界だけでなく、日本の音楽を担うだけの存在であることは明白です。
それでは楽曲について"geek mode "
02. カルペディエム
早口で畳みかけるような歌詞と、あえて打ち込みにこだわったサウンド、
歌詞の重さと軽快さが相反する世界に3:45があっという間に感じます。
05. Knock U down
気だるさとダサ感、ファッションでいうと「抜け感」というやつです。
全力全開が持ち味の彼女が魅せる余裕と遊び。
8ビートロックでありながらバブルガムポップ要素も強く、
ヨーロッパのバンドのようなPVは遊び心満点です。
07. Sweet Dealer
初めて聴いた時からライブ会場が思い浮かぶサウンド。
特に坂本竜太と門脇大輔の演奏シーンが目に浮かびます。
強い女性が見せる弱さ、ライブでの歌う表情が凄く楽しみなもてあそばれたくなる曲です。
11. glitch
脳に訴えけるようなイントロと「終わらない」のあとのギターソロがたまらなくかっこいい。
サビの「なんでなんでなんでなんで」とナイフで刻みつけるような歌詞は歌ってみると舌を噛みきってしまいそうです。水樹奈々、化け物だ。
13. Light Births Shadow
ナナラボを経て彼女は自分の声をひとつの楽器だと発言しています。
メロディが平坦なのに飽きさせない緩急、私は今回の17個ある楽器の中でこの楽器が一番好きです。
15. UPSETTER
水樹奈々自身が作詞したこの曲。
「世界は変えられないけれど 君の笑顔はサポートできるよ」
「努力が今日を歴史にする」
このフレーズに彼女らしさと彼女の大衆性を感じます。彼女自身が我々の目線で大それた事でなく、「正しく努力すること」について歌っています。また楽しむことも忘れるなよという彼女のメッセージ付きです。
16. ALL FOR LOVE
ピアノの音色が素晴らしく、繊細なサウンドとストレートな歌詞なのに、世界観が壮大です。音に包まれてると錯覚するほどの「愛」
彼女の儚い歌声がそれに拍車をかけています。TV放送でも彼女の表現力に驚かされました。曲にも命を吹き込める声優歌手、素晴らしい。
さて楽曲についてはあまりにも多いので簡略的にまとめました、
今回のアルバムには映像作品が付属されたバージョンもあります
「NANA MUSIC LABORATORY 2019 ~ナナラボ~」
「making of NANA MUSIC LABORATORY 2019 ~ナナラボ~」
「NANA in Melbourne」。
通常版以外には上記の内容が収録されています。
特に「NANA MUSIC LABORATORY 2019 ~ナナラボ~」
については今までの彼女のライブとは一線を画す内容で、
玄人向けながら彼女の「うまみ」を感じることができる内容です。
サンマの苦いところや、ご飯のお焦げのような通好みの内容といった方がいいでしょうか、彼女の可能性をまだまだ感じられる内容です。
また彼女を支えるサポートメンバーの能力の高さを実感できる内容でもあり、ベテランの凄みを生で実感できる貴重な公演でした。
私は現地で体感することができましたが、水樹奈々を知るには必要なファクターです。ぜひ見ることをオススメします。
次はこのアルバムのムカツク所です。
今回のアルバムには「プレイパス」のダウンロードカードが付属されています。
これは通常版なら楽曲を、映像付なら収録楽曲と先ほど書いた
「NANA MUSIC LABORATORY 2019 ~ナナラボ~」を含む収録映像をスマホにダウンロードすることができます。
今までは映像をパソコンでエンコードしてスマホやタブレットに取り込んでいた人もいるでしょう。
楽曲も同じく取り込むのは手間で、中にはパソコンも日常的に使わない、
いわゆるスマホだけで全てを済ます人も多くなっています。
そのなかでこのサービスは画期的だと思います。
ライブ映像の無断転載が伸びるのはスマホで見れらることが大きな要因です。
それを広告無しでいつでも見れられるのは凄く便利だと思うのですが、これについてのプロモーションが全然されていません。
世に出したのであればプロモーションを行い、認知させより良くしていくことが必要です。これはメーカーにぜひ訴えたいです。
またこのサービスが今後リリースされる映像作品でも実装されていくことを願いたいですね。
総評ですが
水樹奈々の13枚目のオリジナルアルバム『CANNONBALL RUNNING』水樹奈々をよく知っている人には説明不要ですが、まだ彼女を知って間もない人、これから触れようとする人も17個の選択肢の中からどれか一つ自分に合った音を見つけることができるアルバムだと思います。
マナーや提供順にこだわることなく、あなたの好きな音を好きなときに好きなだけ召し上がってください。そうホテルのビュッフェのようにね。
気軽に新しい音楽に触れることができるようになった今の時代、あなたも新時代の担い手水樹奈々の楽曲に触れてみてください。
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