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静かなキャンセル(2021.10.14 The Critic記事日本語訳)

ジュリー・ビンデル氏による「The Critic」への寄稿https://thecritic.co.uk/the-quiet-cancellations/ (2021.10.14)を日本語訳しました。

静かなキャンセル

〜キャンセルカルチャーに怯える雰囲気の中で、女性と少女が機会を再び失う〜

ジュリー・ビンデル


ブライトンから海岸線を50マイルほど下ったところにあるポーツマスは、いわゆる「ジェンダー戦争」の次の苦しい戦線の候補になりそうには見えません。最大の雇用主-英国海軍-に支配され、英国で最も貧しい地域が、ハンプシャー州の繁栄の傍に並んでいます。

この労働者階級の海軍都市にとって、青く縁取られたジェンダークィア・デミセクシャルのこれまで以上に複雑なミクロ・アイデンティティは、どのような関心事なのでしょう? 一見、何も関係なさそうです。

しかし、ポーツマスは、女性や少女-特に労働者階級や少数民族のコミュニティの人々-のための議論や活動を封じ込める自由裁量権が自称「進歩主義者」の小さくとも声の大きい圧力団体に与えられたときの悲惨な影響を示す好例です。

今週末、ヨーロッパ最大の草の根フェミニスト会議が、慈善団体FiLiAの主催でポーツマスで開催されます。1000人以上の女性と数人の男性が、家庭内虐待、女性と障害、少女の性的対象化、妊産婦の健康、移民女性の政治参加、女性と宗教的原理主義、レズビアンスペースなど、多岐にわたるテーマについて、世界中から集まった講演者の話を聞きます。

「トランス活動家」は、女性と少女のための草の根活動を妨げてきました

講演者の中には、いわゆる「トランスの包括性」の名の下に女性の権利が侵食されていることについて、何か言いたいことがある女性もいます。
代名詞にhe/themを持つ人がヒゲを生やした退屈な異性愛者であることが判明するのと同じくらい、FiLiAの会議に対して抗議活動が行われることが予測可能です。

無所属の地方議員であるクレア・ウディが主催する「トランスフォビアに立ち向かう」では、もし女性同士が男性の暴力と戦う方法について話しあったり、「生理のある人」という言い方は何千年間も女性が身体の機能に降格され、恥ずべきもの扱われてきたのと同じ非人間化だとあえて意見すれば、トランスジェンダーの人々の命が危険にさらされるといつも非難しています。

今回の抗議活動は、ウディ氏のようなシングルイシューの活動家がFiLiAの会議の開催を阻止するために会場に予約をキャンセルするよう圧力をかけるなどの、協調した取り組みのクライマックスです。

しかし、ここでの真相は、目に見える抗議活動や(失敗した)キャンセルの試みではありません。FiLiAに対して行われた悪質な誹謗中傷のソーシャルメディアキャンペーンでもなく、サラ・エバラードが殺害された後に行われた「Reclaim These Streets(通りを取り戻そう)」というイベントでFiLiAのボランティアでありサバイバーでもある女性がスピーチをしようとした際に浴びせられた罵声でもありません。

むしろ、「トランス活動家」とその「アライ」が、FiLiAがポーツマスの女性と少女のための草の根活動を行うことをいかに積極的に妨げてきたか、そしてそれが地元の機関や選挙で選ばれた代議士の共犯のもとで行われてきたか、ということが、すべての人に警鐘を鳴らす必要があるのです。

FiLiAは、ポーツマス市議会の青少年グループ「プレイ・ユース・コミュニティ」と共同で、学校を退学させられた、あるいは退学させられる危険性のある少女たち(犯罪や性的搾取の危険性が高いグループ)を対象に、1年間の連続企画を実施する予定でしたが、これが中止されました。この連続企画はトランスジェンダー問題とは無関係であったにもかかわらず、FiLiAが「トランスフォビア」だと告発されたことに基づいて中止されたといわれています。

ポーツマスの赤十字社のメンバーは、難民や移民の女性がFiLiAの伝承プロジェクトや読書会に参加するのを積極的に阻止しました。
このプロジェクトに参加すれば、女性たちは自信をつけるためのワークショップやスキルアップのためのワークショップに参加できるだけでなく、英国で人種差別や性差別に異議を唱えてきた経験を持つ黒人や民族マイノリティ出身の作家と交流することができたはずです。
赤十字社の職員は、このイベントの詳細を地元の女性たちと共有することを拒否し、他のサービス提供者にもFiLiAをボイコットするよう働きかけましたが、これも「トランスフォビア」という偽りの告発に基づくものでした。

FiLiAがポーツマスで組織を結成し始めたとき、地元の機関はこのイベントを両手を広げて歓迎するはずでした。しかし、ポーツマスで最も疎外されている女性や少女たちは、支援を受けることができなくなってしまいました。
この会議に対する敵対的な抵抗は、女性が自分の権利について話すことを恐れるような環境を作り出すことに貢献しています。それが「インターセクショナリティ」です。

女性の権利に対する機関の取り組みは生ぬるい 

2019年以降、ポーツマス南地区の労働党議員であるスティーブン・モーガンは、FiLiAの代表者との面会を拒否し続けていますが、ストーンウォールのCEOであるナンシー・ケリーや地元のアーティストでトランス活動家のサモ(トランスジェンダーカラーに塗った野球バット「TERF用おもちゃ」を新しく買ったと、威嚇するようなポーズでソーシャルメディアに投稿した人)とは時間を見つけて面会しています。

FiLiAが今年7月にポーツマス市議会に提出した情報公開請求は、正式な期限が来たにもかかわらず、いまだに何の回答も得られていません。情報委員会に苦情を申し立てています。

2020年3月11日に開催された女性のセクハラに関するセミナーでFiLiAの代表が講演するのを阻止しようと、ポーツマス大学に匿名の苦情が寄せられましたが、一部のまともな学者たちによって却下され、イベントは開催されました。
しかし、9月に大学で開催されたWPUKのミーティングで私が講演した際に分かったことですが、大学側はしぶしぶ開催を許可しましたが、撮影は許可しませんでした。言論の自由や女性の権利に対する機関の取り組みは、生ぬるくて神経質なものです。

これがキャンセルカルチャーの仕組みです。「キャンセル」されるのは、大規模で注目を集めるイベントではなく、密室でのひそひそ話やほのめかしや関わりで「汚名を被る」ことへの恐れから、開催されない機会、実現しない対話などです。そして、誰が機会を逃すのでしょう? 「進歩的」とされるけれど実際には昔から変わらないミソジニーである行動計画の名の下に犠牲になるのはまたしても、女性と少女たちです。

誰の責任でしょうか?注目を集めようとする一握りの「活動家」が、ますます乱暴な要求をしていることを責めるのはあまりにも簡単です。
私たちは、このようないじめに立ち向かうという職務を出来たり出来なかったりしている政党、公的機関、大学などを精査し、責任を追及する必要があります。
私たちは、女性の権利も人権であることを認識し、基本的人権に基づく女性の集会、結社、表現の自由を支援する必要があります。

(www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳し、適宜修正しました。)

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