見出し画像

おさんぽててて 映画をつくる!

<はじまり>

2017年の春、私たち親子は、いなべ市大安町~北勢町のさかいにある、おさんぽ道に出会いました。東海自然歩道の一部でもあり、さっぱりと草が刈ってある道の両脇には、可愛い草花が咲き誇り、小川が流れ、緑がまばゆい、風が吹き抜ける素敵なおさんぽ道でした。
『こんなところで、のんびりおさんぽして、四季の美しさをあじわう仲間を募りたいね』友人親子と話したことから、おさんぽの会ててては始まりました。

あんなちゃん

おさんぽの会は、毎週一回、春も夏も秋も冬も、晴れの日も雨の日も、このさんぽみちに集まりました。時おり、市内の畑や山へも出かけましたが、ほとんどがこのおさんぽ道で過ごしてきました。
子どもたちは、『水』『虫』『草や花』『木の実』『匂い』『風』四季折々の自然を楽しませてもらい、その中で、笑うことも怒ることも、泣くことも驚くことも、自分自身の感情をめいいっぱい出して過ごしました。
また母たちも、ちょっとした悩みごと、誰かに聞いてほしい困りごと、またはうれしい報告を持ち寄りながら、『みんなでみんなの子どもたちを見守る子育て』『ひとりぼっちじゃない子育て』『自然に助け合える子育て』をしてきました。子どもに負けじと、母たちもたくさんたくさん笑って泣いてすっきりする時間を過ごしました。

<大きな変化>

着工後

2019年のあるとき、おさんぽを楽しんでいた東海自然歩道の一部分がクローズ(通行閉鎖)となり、その後は太陽光発電施設となることが決まりました。田舎にお住いの方なら想像ができることと思いますが、昨今、里山で田畑を耕作する人は減り、耕作放棄地を含め雑木林などの手入れ(草を刈ったり水路をととのえたり)することが困難で、地主さんの高齢化がすすむと土地の保全という作業はなかなか大変なのです。その結果、土地を手放したり業者さんに貸し出して、そこは大規模な太陽光発電施設に変わっていくことが、多いのです。 
子どもたちにとって素晴らしい恵みであったその場所を、失うことはとても寂しいことでした。私たちに何かできないかと考えました。
けれど、その場所をただ使わせていただいていた私たちにできることの選択肢はそれほどありません。
そこで、考えました。
このおさんぽみちだけでなく、いなべにある素晴らしい自然と、その中に溶け込むようにして遊ぶ子どもたちの姿を、できるかぎり記録にしっかり残しておきたい、そして多くの人たちに「大切にしたいことは何か」発信したい、と。

<ショートムービープロジェクト>

画像1


仲間のひとりが、「考現学」という本を教えてくれました。       今和次郎氏が提唱する「考現学」とは、リアルタイムで今現在を記録する学問と説明されます。私たちができることは、『今ある自然の中で子どもたちが何をして遊び、何に目を輝かせ、どんなに幸せか』という記録だ!と考えることができたのです。

いずれ世の中がいかに変遷をしようとも、今目の前にある幸せを残しておくことは、きっとひとつの考現学として1ページをふりかえることができると思います。 また、この記録を単なる「思い出」ではなく、ショートムービーとストーリーのある形に表現し、伝えることも大切なことなのではないかと、このプロジェクトをスタートすることにしました。

画像6

市内を中心に東海地域で活動中の、いなべ市在住 映像クリエイターウラタタカヒデ氏(arigato-creation代表)に制作を依頼しました。彼の「映像」の仕事に取り組む想いとも一致し、応援価格で撮影~ショートムービー制作を引き受けてくれることになりました。そこでおさんぽ道の工事着工の直前、2019年8月か撮影スタート! そこからおおよそ1年間かけて、ててての子どもたちと母たちが自然の中で遊ぶ様子を撮影していただき、その映像を30分に満たないまでも”観る人が何かを感じてくれるようなムービー”に仕上げるプロジェクトにレイアウトがととのいました。                

題して、『おさんぽててて アソビノレシピ』!!

いなべの四季を、心から楽しんであそび、心豊かに過ごす子どもたちの、それは遊びであり、遊びの環境。遊びの材料がちりばめられた自然の様子であり、子どもたちそれぞれにぴったりの遊びの見つけ出し方。それが、まるで、お料理のレシピのように、その子・その日のオリジナルの遊びのつくり方。ひとりのお母さんが、「あそびのレシピだね!」と言ってくれてタイトルが決まりました。それから、毎月、毎月、ウラタ氏にもおさんぽの会に来てもらい、ててての活動の様子を、子どもたちの真剣勝負な遊びの姿を、撮りためてもらっています。

<新型コロナウィルスの時代>

撮影も中盤に差し掛かる頃、巷では新型コロナウィルス感染症の流行が始まりました。私たちおさんぽの会ててても、これまでと同じ活動はでき難くなり、しばらくの間お休みにすることにしました。
それでも、春は訪れ、野花は咲き誇り、田んぼには若い稲が風にそよぎ、そして子どもたちは日々日々、笑って怒って泣いて、生きています。

画像5

撮影はいったん中断しましたが、それぞれのおうちでの「おさんぽの会ててて的すごしかた」をみんなで共有し合って、より良いときを刻んでいこうとしています。また、活動を再開すれば、ショートムービーの撮影もまた再開です。

ショートムービーの完成後は、「いなべのすばらしき自然展(仮称)」を開催し、ショートムービーの上映会と共に、子どもたちが自然から得たインスピレーションを盛り込んだ作品展示や、市内の子どもたちから募集した「自然の中の”きれい””うれしい””だいすき”を描く絵(仮)」を展示して、いなべの自然の豊かさに感謝する機会を開きたいと、楽しみにしています。

私たちの「考現学」をぜひ、応援してください。
どうぞよろしくお願いします。

              2020年5月 おさんぽの会ててて

<アソビノレシピ おすそわけ オンラインSHOP始まりました>

画像6
このショートムービーを制作するために、必要な費用を「みんなで」作り出したいために、オンラインショップを運営することにしました。
私たちの里山でのあそびの楽しさを、少しでも多くの方に「おすそわけ」して、その際にいただくお金を、ショートムービーにつなげたいと考えています。

このショートムービーを、てててのメンバーのみならず、多くの方の「手」によって作っていきたいという願いがあります。ぜひSHOPも覗いてみてくださいね。

オンラインショップはこちらから!

🏠おさんぽててて アソビノレシピ おすそわけ👏
https://tetete.base.shop/

              2020年6月 おさんぽの会ててて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?