【R指定のファンタジー映画】パンズ・ラビリンス

最近観て、面白いなーと思った映画をなるべく初見の人にネタバレしないようにメモ。

パンズラビリンス

1944年の軍事政権下のスペインが舞台。内戦やゲリラ戦が続く時代に、オフェリアという小さな女の子が母の再婚相手のいる山奥に引越すところから物語がスタートする。ある日、パンという妖精から自分は地底世界のお姫様だと知らされ、地底世界へもどるため与えられた3つの試練に向かっていく。

ファンタジーだけどR指定

監督はヘルボーイなどを手掛けたギレルモデルトロ。日本では2007年に公開されて、第79回アカデミー賞では撮影賞、美術賞、メイクアップ賞を受賞した作品。タイトルのパンは、羊飼いの神様の事で、ピーターパンのパンも同じような意味らしい。

主人公オフェリアが大きなカエルから鍵を奪ったり、クリーチャーという化け物から剣を盗んだり、与えられた試練に向かっていくファンタジーと並行して、政府軍と対抗するゲリラ軍の戦いが進んでいく。拷問したり、暴力の描写もすごく生々しく描かれている。


-ここからネタバレあり-


そりゃ、逃げたくなるなる

暴力シーンのすごい生々さは、どれだけ酷い時代なのかをダイレクトに伝えてくれる。紛争で父親が死に、母親の再婚相手も拷問を趣味にしているようなひどい奴。こんな時代に子ども一人で生きられるはずもない。そんな状況で自分は地底世界のお姫さまで、物語の主人公で、逃げられる世界があると教えられたことは、オフェリアにとって唯一の救いで希望だった。


大人だってつらいよね

再婚相手の将軍がオフェリアの母親を親類に紹介する食事会が印象的だった。なれそめについて話しをするが、急にやってきたオフェリアの母を親類が受け入れるはずもない。偶然の出会いだと主張するものの、母親の挙動、表情から自分と家族を守るために選んだ状況なんだなということが伝わってくる。

夫の死別や妊娠、相談相手もいない山奥で、再婚に反対するオフェリアに大人になればわかる、と諭すシーンは見ていてつらい。こういう細かい人間的な心理描写がすごい作品だなと思った。


クリーチャーは1度見ておいた方がいい

第2の試練で出てくる化け物で、子どもを取って食うのが好きというやばい設定。しかも、顔に目が無い。手のひらに目玉を入れて襲ってくる。気持ち悪くて最高だから、1度は観た方がいいと思う。


最後のシーンをどうみるか

最後のシーンは人によって意見が分かれるところだ。これまでの物語が現実なのか、オフェーリアの妄想なのか。ファンタジーなのか、子どもにあの最後をもって救いと思わせる悲惨な戦争映画なのか。どちらにしても、オフェーリアにとってはハッピーエンドだったと信じたい。

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