MTG質問箱まとめ 2023/02/13-02/19

いつもここに書く文章を一番時間をかけて考えてしまう MTG質問箱(https://twitter.com/testing_box)および 多人数箱testing_multibox( https://twitter.com/testing_box_m )の中の人の1人です。ツイッターでの回答では書けなかった解説を中心に、過去ログのまとめとして機能していければなあと思います。時間をかけてもあんまり内容とは関係のない部分なのですが。

 記事を記載するにあたり、実際にツイッター上で受けた質問文をそのまま流用しているとは限りません。文法上の違いや表現、挙げられた条件に対してわかりやすいようにカード名としての具体化を行っている場合があります。ご了承下さい。


質問:《混種の頂点、ロアレスク》の「増殖を行い、その後もう一度増殖を行う」と、《球層の追跡者、エズーリ》の「増殖を2回行う」にルール上・プレイング上の違いはありますでしょうか。

回答:今のところは、何も違いはありません。

追記:増殖を2回行うことと増殖を1回行うことを2回連続で行うことの違いは、「増殖を行うこと」自体が置換されるなら現れるかもしれませんが、今のところそのような効果はありません。


質問:《スランの医師、ヨーグモス》の1番目の起動型能力のコストとして《腐り腹のネズミ》を生け贄に捧げた場合、ネズミの死亡時誘発(増殖)とヨーグモスの効果(-1/-1カウンター1個を置き...)の解決順はどちらが先でしょうか。

回答:まず、起動した能力がスタックに積まれます。その後、起動している間に誘発した能力がその上に積まれます。従って、質問の状況では先に《腐り腹のネズミ》の誘発型能力が解決されるでしょう。

追記:呪文や能力のコストでパーマネントを生け贄にして、そのパーマネントが墓地に置かれた時の誘発型能力を持つなら、その誘発型能力が、唱えた呪文や起動した能力よりも先に解決されます。これはスタックへの積み方を考えることでわかるでしょう。


質問:《大変成家、アンクタス》コントロールしている状態で、《ぎらつく予見者》の能力を起動しました。この場合の処理手順として《ぎらつく予見者》の占術を先に処理することは可能でしょうか?

回答:いいえ。まず、起動した能力がスタックに積まれます。その後、起動している間に誘発した能力がその上に積まれます。従って、質問の状況では先に《大変成家、アンクタス》由来のの誘発型能力が解決されるでしょう。

追記:これも、本質的には先の質問と同様であることがわかるでしょう。


質問:私は《機械の母、エリシュ・ノーン》をコントロールしています。《斡旋屋一家の潜伏先》を手札からプレイすると何が起きますか?

回答:《斡旋屋一家の潜伏先》の戦場に出たときの能力が2回誘発します。1つ目の解決でこれを生け贄に捧げると、それによって続きの誘発型能力が誘発します。これは何かが戦場に出たわけではないので2回目の誘発はしません。それの解決時に、対応する土地を探してあなたはライフを得ます。
2つ目の《斡旋屋一家の潜伏先》の能力の解決時には、もう戦場に《斡旋屋一家の潜伏先》はなく、生け贄に捧げることもできません。つまり、もう何も起きません。


質問:《奇怪な具現》の誘発型能力をコピーした場合、それぞれの誘発ごとにクリーチャーを生贄にしないと行けないのでしょうか、それとも一体生贄で2体出せるのでしょうか。

回答:前者です。それぞれの能力の解決中に、あなたはエンチャントを生け贄に捧げます。


質問:《テフェリーのヴェール/Teferi's Veil》をコントロールしている状態で《呪詛術士》の蘇生能力を起動して同クリーチャーで攻撃しフェイズアウトしました。 次の自分のターン、攻撃せずに終了ステップへ移行したとき、《呪詛術士》は蘇生能力で追放されますか?

回答:いいえ。蘇生能力を起動したターンの終了時に、蘇生能力の解決中に"予約"された遅延誘発型能力が誘発します。これの解決時には《呪詛術士》はまだフェイズ・アウト状態なので、生け贄に捧げることもしません。そしてその後はこの遅延誘発型能力は誘発しません。

追記:一度誘発した遅延誘発型能力は、それがどうなろうとも再度誘発はしません。



質問:《天使のトランペット》の能力は、《ケラモーフ、ギルソン・スターン》の能力を複数回誘発させますか?

回答:《天使のトランペット》はこれによってタップしたクリーチャーの数と同じだけのダメージを1度に与えます。例えば3体なら3点のダメージを1回与えます。1点のダメージを3回ではありません。従って1体のみがタップされたならば《ケラモーフ、ギルソン・スターン》の能力が誘発します。


質問:自分が《封じ込める僧侶》をコントロールしている状態で《緑の太陽の頂点》をX=3で唱え、《飢餓の潮流、グリストを》戦場にだそうとした場合の挙動を教えて下さい。

回答:それが戦場にあるとして置換効果を考慮します。すると、戦場にある《飢餓の潮流、グリスト》はクリーチャーではないので、《封じ込める僧侶》は何もしません。《飢餓の潮流、グリスト》はそのまま戦場に出ます。


質問:《るつぼのゴライアス、ケテク》の誘発能力で死亡時の誘発能力を持つクリーチャーを生け贄に捧げた場合、ケテクの効果とそのクリーチャーの効果を解決する順番は自分で決定出来ますか?

回答:いいえ。《るつぼのゴライアス、ケテク》の能力は生け贄に捧げた後の一連の効果も全て含みます。従ってこれによって死亡したときの能力がスタックに積まれるのは、《るつぼのゴライアス、ケテク》の誘発型能力が解決した後になります。つまりそれらの順番は入れ替えられません。


質問:《パンハモニコン》をコントロールしていて、ダンジョンの「魂を食らう墓」を踏破していない状態です。私が《アーチリッチ、アサーラック》を唱えて戦場に出した場合、これの能力の1回目の解決時に手札に戻りますが、2回目の解決時にダンジョン探索は出来ますか?

回答:はい。2回目の解決時に、まだ魂を食らう墓を踏破していないなら、もう《アーチリッチ、アサーラック》は戦場にないのでそれを手札に戻すことはしませんが、ダンジョン探索は行います。

追記:手札に戻すことは効果の一部であり、ダンジョン探索に必要な行動ではありません。


質問:《気まぐれな厄介者》の効果で、モードを持つ両面カードを追放した際の挙動について質問です。第1面、第2面共にクリーチャーでないカードの場合、第2面を唱えることはできるでしょうか?

回答:いいえ。第1面がクリーチャーでも土地でもないカードを選択することはできますが、それのコピーは第1面の特性しか持ちません。従って唱えることができるのも第1面のみです。

質問:同じ状況での《気まぐれな厄介者》で、第1面がクリーチャーで第2面がクリーチャーでないカードの場合、第2面を唱えることはできるでしょうか?

回答:いいえ。そもそも第1面がクリーチャーなので、《気まぐれな厄介者》の能力の解決時にそれを選択することはできません。


質問:パワー7以上のクリーチャーをコントロールしている状態で《八百長試合》で《八百長試合》を場に出した場合、2度目に秘匿したカードを同ターンに唱えることは可能でしょうか。

回答:いいえ。《八百長試合》の能力の解決中に追放されていた《八百長試合》を唱えることはできます。それが戦場に出たとしても、もう「あなたのターンの戦闘の開始時」は過ぎているので、通常は今しがた戦場に出た《八百長試合》の能力は誘発しないでしょう。


質問:自分の《機械の母、エリシュノーン》によって2枚のカードを追放した《呪文捕らえ》をコントロールしています。この2枚のカードは対戦相手がオーナーであるカード1枚と、自分がオーナーであるカード1枚です。この《呪文捕らえ》が戦場を離れた際、どのような順番で唱えることができますか?

回答:追放されていたカード群はそれらそれぞれのオーナーが唱えます。唱える順番はAPNAP順になります。つまりまずAPが自分がオーナーであるカードを唱えるかどうかを選び、その後にNAPが同じことをします。
追記:より先に解決されるのはNAPが唱えたカードになります。


質問:構築物・トークンのコピーとして戦場に出ている《ファイレクシアの変形者》を対象に、《マイコシンスの庭》のアーティファクトのコピーになる効果は起動できますか?

回答:はい。「トークンであること」はコピー可能ではありません。従ってその《ファイレクシアの変形者》はトークンでないアーティファクトであり、対象にできます。

追記:もし《ファイレクシアの変形者》自体がトークンであったなら、その場合は対象にできません。


質問:対戦相手のターンに私のコントロールする《異端の法務官、ウラブラスク》の能力が誘発し、解決されました。その後、同じターンのアップキープ中に、対戦相手が《渦まく知識》を唱えた場合どのような挙動になりますか?

回答:渦まく知識》の解決時に、まず1枚目のカードは引く代わりに追放されます。それはこのターンプレイできます。2枚目、3枚目はそのまま引きます。その後、手札から2枚のカードをライブラリーに戻します。

追記:置換されるのは次に引く1枚のみです。


質問:P/Tが-1/6のクリーチャーは、《切り崩し》で対象に取れますか?

回答:はい。可能です。合計値を算術計算する際には、負の数はそのまま負の数として計算します。つまり-1/6のパワーとタフネスの合計値は5です。


質問:「毒性1を持つ1/1クリーチャー」へ何らかの手段で「感染」を与え、このクリーチャーで対戦相手へ戦闘ダメージを与えたら、相手は毒カウンターを幾つ得ますか?

回答: 2個です。1点のダメージの結果として、感染により1個、毒性1により1個の毒カウンターを与えます。


質問:《収穫祭の襲撃》を唱え、《練達の生術師》と《ベナリアの軍司令》を戦場に出すことを選択しました。この場合、《ベナリアの軍司令》にカウンターは置かれますか?

回答:《練達の生術師》の能力は、クリーチャーが戦場に出る際に機能する置換効果です。つまりこれと同時に戦場に出るクリーチャーには機能しません。つまり《ベナリアの軍司令》にはカウンターが置かれません。


質問:《現実チップ》がクリーチャーに装備されている状態でデッキトップにある、《孤独》を想起コストで唱える事はできますか?

回答:はい。可能です。唱えることに対して特に制限はなく、通常通りコストを支払って唱えることになります。


質問:対戦相手の《生ける治療、メリーラ》を《伝染する一噛み》で除去した後、毒性3の《非道なティラナックス》で攻撃して戦闘ダメージを与えた場合、対戦相手が得る毒カウンターはいくつでしょうか?

回答:唱えられた呪文の解決によって毒カウンターを1個得て、それが《生ける治療、メリーラ》によって置き換わります。つまり1個だけ得て、このターンはもう毒カウンターを得ません。


質問:《謎のゴライアス、オヴィカ》の誘発型能力は、《秘儀の砲撃》によりコピーしたインスタントやソーサリーを唱えることでも誘発しますか?

回答:はい。コピーを唱えたので誘発します。


質問:《霊気の薬瓶》によって唱えずにクリーチャーを戦場に出す能力により《封じ込める僧侶》を戦場に出したとき、それは戦場に出ることができますか?

回答:はい。可能です。《封じ込める僧侶》は戦場に出ることができます。


質問:第2面である《キキジキの鏡像》が一時的に追放され戦場に戻った場合、エンチャントとして戻るのかクリーチャーとして戻るのかどちらになるのでしょうか。

回答: 特に指定がないのであれば第1面で戦場に出ます。つまり《鏡割りの寓話》で戦場に戻ります。


質問:《アルケヴィオスの神託者、ジャズィ》の魔技能力で《もみ消し》を公開した時、これを《もみ消し》そのものを公開した魔技能力を対象に唱えるのは可能でしょうか。

回答:はい。可能です。まだその魔技能力はスタックにあり、これから唱える《もみ消し》の適正な対象です。


質問:《敬慕される腐敗僧》と《呪文滑り》が場にいる状態で、《敬慕される腐敗僧》を対象に《変異原性の成長》を唱えた後、《呪文滑り》の能力でその対象を《呪文滑り》に変更した場合、《敬慕される腐敗僧》の能力は合計2回誘発しますか?

回答:はい。《変異原性の成長》を唱えて対象を取ったときと、《呪文滑り》の能力が解決されて対象が《呪文滑り》になったとき、それぞれで《敬慕される腐敗僧》の能力が誘発します。


質問:《踊る影、魁渡》の一番上の能力でトークンを指定して手札に戻した場合、忠誠度能力は2回使えますでしょうか。

回答:はい。《踊る影、魁渡》の誘発型能力でトークンを戻しても構いません。


質問:《Chun-Li, Countless Kicks》の戦場に出た時の能力によって、《任務+完了》のような分割カードの片方がインスタントのカードを追放することはできますか? もし可能であれば、攻撃誘発の効果によって分割カードのインスタントではない方の呪文を唱えられますか?

回答:はい。墓地にある分割カードはいずれかの側がインスタントであるなら、インスタント・カードです。また、コピーした分割カードのいずれの側でも唱えることができます。


質問:相手がコントロールする《上級建設官、スラム》に《歩哨の目》と《きらきらするすべて》がエンチャントされている状態で、こちらが《一時的封鎖》を唱えました。これが戦場に出た時の能力の解決で、先の3つはすべて追放される、で合ってますでしょうか? また《一時的封鎖》が戦場を離れた場合はどうなりますか?

回答:はい。3つすべてが追放されます。また、《一時的封鎖》が戦場を離れたなら、それら3枚が同時に戦場に戻ります。ただし2枚のオーラは同時に戦場に戻る《上級建設官、スラム》にはつけられません。(すでに戦場にあってそれらをつけるクリーチャーを選ぶ必要があります)


質問:《祖先の幻視》などのマナ・コストを持たない待機持ちのカードは、続唱能力で唱えられる事は知っています。では、《全知》にあるようなマナコストを支払わず唱える効果は適用できるでしょうか?

回答:「マナ・コストを支払わずに唱える」ことは代替コストの適用です。つまり、唱える際に本来支払えないコスト( マナ・コストが無いので支払えない)ではなく、代替コストを適用することによって、そっちで支払うことで唱えることを完了することができます。これは続唱能力でも《全知》でも待機能力自体(!)でも同じです。


質問:対戦相手は、4マナで唱えて戦場に出した《搭載歩行機械》と、4マナで唱えて戦場に出した《果てしなきもの》をコントロールしています。私の《エルズペス、死に打ち勝つ》のI章の能力で、どちらかを対象にとって追放する事は可能でしょうか?

回答:いいえ。マナ・コストにある{X}はスタック以外では0として扱われます。従って挙げられた2つのクリーチャーはいずれもマナ総量が0です。


質問:APが《完成化した精神、ジェイス》を唱えて戦場に出し、そのまま[-2]の能力をNAPを対象にして起動しました。 NAPはこれに対応して《夏の帳》唱えて解決しました。この場合、3枚切削とドローは不適正で消えますか?

回答:すべての対象が不適正になったので、この忠誠度能力は解決されません。


質問:カウンターが何も置かれていない《再誕槽》が出ている時に《ドロスの囁き》で自分のコントロールするクリーチャーを破壊した場合、《再誕槽》のカウンターはいくつ増えますか?

回答:1つです。《再誕槽》の能力は《ドロスの囁き》が解決された後で誘発します。つまり、《ドロスの囁き》の解決中に増殖を行う時点では、まだ《再誕槽》に油カウンターは置かれておらず、増殖することはできません。


質問:蓄積カウンターが3個乗った《霊気の薬瓶》から、《ファイレクシアの肉体喰らい》といった試作能力をもつクリーチャーを、試作の状態で出す事は出来ますか?

回答:いいえ。試作はそのコストを用いて唱えることができるという能力です。《霊気の薬瓶》ではマナ総量を参照するので、蓄積カウンターが3個ではそれらのカードを出すことはできません。


質問:《Chun-Li, Countless Kicks》をコントロールしており、追放領域にkickカウンターの置かれた《満潮》と《予期》があります。 《Chun-Li, Countless Kicks》で攻撃し、それの誘発型能力で《満潮》と《予期》のコピーを唱えたいのですが、《満潮》を解決させてから、《予期》のマナコストを支払うことは可能でしょうか

回答:いいえ。《Zethi, Arcane Blademaster (Chun-Li, Countless Kicks) 》の一番下の能力は、解決中に追放されているカードのコピーを唱えることを許可するものです。つまり、《満潮》と《予期》をそれぞれ唱えることはできますが、それらの解決は2つの呪文が唱えられた後になります。《予期》を唱える前に《満潮》を先に解決することはできません。

質問:kickカウンターが置かれた《夢まみれ》がある場合、同じ状況で《夢まみれ》を唱える際にXの値は決めることができますか?

回答:はい。唱えるためにコストを支払う必要がありますが、Xの値は決めることができます。


質問:《概念の群れ》の能力で、瞬速を持たずインスタントでもない墓地のエレメンタル・カードを、インスタント・タイミングにプレイ可能ですか?

回答:はい。《概念の群れ》の起動型能力の解決中に、対象としたカードを唱えます。この際、通常のタイミング(あなたのターンのメイン・フェイズでスタックが空など)は無視されます。

質問:《概念の群れ》と《舞台照らし》との違いは、「ターンの終了時まで」といったタイミング指定の有無でしょうか?

回答:能力の解決中に呪文を唱えるのか、それとも一定の期間内で単に唱えることを許可するかの違いです。

追記:呪文や能力の解決中は、プレイヤーは優先権を得ず、呪文を唱えたり能力を起動したりできません。つまり、解決中の効果によってプレイヤーが呪文を唱えるのは通常の状態とは異なっていることに注意してください。


今週のまとめはここまでです。


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