《ティシャーナの潮縛り》とフェイズ・アウト

以前にnoteで記事にした《ティシャーナの潮縛り》ですが、もうちょっと説明することができたので以下にまとめます。今回は巻き込まれるクリーチャーがフェイズ・アウトする場合を考えます。

今回のカードたち

今回の対象となるひとたち

プレイヤーAが《大洞窟のコウモリ》を唱えて戦場に出し、それにより誘発した能力で対戦相手であるプレイヤーBを対象にします。Bはそれに対応して《ティシャーナの潮縛り》を唱えて戦場に出し、誘発した能力で先程の《大洞窟のコウモリ》の能力を対象にします。

ここまでは共通です。さて、この後にAがこのカードを使おうと考えています。

《とんずら》を唱えるとして、タイミングと対象が2通りずつあります。
タイミングとしては、《ティシャーナの潮縛り》の能力の解決前か解決後で区別されます。また、対象のクリーチャーは《ティシャーナの潮縛り》なのか《大洞窟のコウモリ》なのか、という分類ができます。

ケース1:解決前に《大洞窟のコウモリ》がフェイズ・アウト

まず、《ティシャーナの潮縛り》の解決前に《とんずら》が《大洞窟のコウモリ》を対象に唱えられた場合を考えます。

《ティシャーナの潮縛り》の能力の解決時に、《大洞窟のコウモリ》の誘発型能力は打ち消されます。Bの手札には何も起きません。

そして、この解決中に発生源を見ますが、もうフェイズ・アウトして戦場に無い扱いなので、「そのパーマネント」を参照できません。つまり、《大洞窟のコウモリ》の能力は失われず、フェイズ・インしても飛行や絆魂は持っています。(フェイズ・インは戦場に出たことにはならないので、《大洞窟のコウモリ》の能力が再度誘発することはありません)

ケース2:解決前に《ティシャーナの潮縛り》がフェイズ・アウト

次に、《ティシャーナの潮縛り》の解決前に《とんずら》が《ティシャーナの潮縛り》を対象に唱えられた場合を考えます。

先ほどと同様に、《ティシャーナの潮縛り》の能力の解決時に、《大洞窟のコウモリ》の誘発型能力は打ち消されます。Bの手札には何も起きません。

そして、この解決中に発生源を見ます。「そのパーマネント」はクリーチャーなので能力を失うように思えますが、《ティシャーナの潮縛り》はフェイズ・アウトしていて戦場に無い扱いです。つまり、『ティシャーナの潮縛りが戦場にあり続けるかぎり/as long as~』という条件を満たしません。従ってもう期限が過ぎているので、《大洞窟のコウモリ》の能力は一瞬たりとも失われることはありません。

702.26f パーマネントがフェイズ・アウトしている間に、そのパーマネントに影響を及ぼしている継続的効果の期限が切れることがある。その場合、そのパーマネントがフェイズ・インしてきたときにはもうその効果は影響を及ぼさない。特に、そのパーマネントを確認する「~し続けているかぎり/for as long as」という期限(rule 611.2b 参照)は、そのパーマネントがフェイズ・アウトすると見失うので終わりになる。

マジック総合ルール

また、《ティシャーナの潮縛り》がフェイズ・インしても、それは戦場に出たことにはならないので、《ティシャーナの潮縛り》の能力が再度誘発することはありません。

ケース3:解決後に《大洞窟のコウモリ》がフェイズ・アウト

次は《ティシャーナの潮縛り》の解決後に《とんずら》が《大洞窟のコウモリ》を対象に唱えられた場合を考えます。つまり、すでに《大洞窟のコウモリ》の能力は打ち消され、さらに《大洞窟のコウモリ》は能力を失っています。

フェイズ・アウトしてもそれは戦場から移動していません。つまりオブジェクトとしては「新しく」なりません。つまり、フェイズ・アウトしたオブジェクトを《ティシャーナの潮縛り》の効果は追跡することができます。つまり、《大洞窟のコウモリ》がフェイズ・インしても、やはりそれは能力を失ったままです。

ケース4:解決後に《ティシャーナの潮縛り》がフェイズ・アウト

最後に、《ティシャーナの潮縛り》の解決後に《とんずら》が《ティシャーナの潮縛り》を対象に唱えられた場合を考えます。ケース3と同様に、すでに《大洞窟のコウモリ》の能力は打ち消され、さらに《大洞窟のコウモリ》は能力を失っています。

この場合、ケース2と同じ理由で、《ティシャーナの潮縛り》がフェイズ・アウトした時点で、それの能力の期限が切れます。つまり、フェイズ・アウトしたなら、《大洞窟のコウモリ》の能力は元に戻ります。それは飛行や絆魂を持つでしょう。

まとめとおまけ

フェイズ・アウトは少しややこしいですが、概ね以上のような挙動になります。また、おまけとして、すでに手札を追放している《大洞窟のコウモリ》をフェイズ・アウトさせたとしても、それは戦場を離れたことにはならないので、追放されたカードが手札が戻ってくることはありません。

今回は以上です。



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