MTG質問箱まとめ 2023/02/20-02/26

寒さに震える日もあれば暖かな日差しに眠くなる MTG質問箱(https://twitter.com/testing_box)および 多人数箱testing_multibox( https://twitter.com/testing_box_m )の中の人の1人です。ツイッターでの回答では書けなかった解説を中心に、過去ログのまとめとして機能していければなあと思います。ただまだまだ夜は寒いのです。
 記事を記載するにあたり、実際にツイッター上で受けた質問文をそのまま流用しているとは限りません。文法上の違いや表現、挙げられた条件に対してわかりやすいようにカード名としての具体化を行っている場合があります。ご了承下さい。


質問:《盗品》で相手のライブラリーから《卜占の逃走》を唱えました。《卜占の逃走》は解決後に追放されて待機状態になりますが、これの時間カウンターを減らすのは、私か相手のどちらになりますか?

回答:追放されているカードのオーナー、つまり対戦相手のアップキープに時間カウンターが取り除かれ、対戦相手が唱えます。
追記:通常、追放領域のカードにはコントローラーがありません。しかし待機能力の解決ではコントローラーが必要になるので、そのカードのオーナーを参照します。


質問: 既に炎カウンターが置かれていて改善されている《炎の具象化》をコントロールしています。私が《神の火炎》を対戦相手のクリーチャーに撃ちました。 このとき、《炎の具象化》に新たに置かれる炎カウンターの数は1つでしょうか、それとも2つでしょうか?

回答:その場合、《神の火炎》は2回ダメージを与えます。従って《炎の具象化》も2回誘発します。

質問:では《神の火炎》ではなく《危険な爆風》を唱え、対戦相手のコントロールしているクリーチャーが3体の場合、誘発は1回でしょうか、それとも3回でしょうか?

回答:1回です。ダメージを与えるイベントは1回のみ行われます。

追記:ほとんどの場合、オラクル・テキストを参照した際に、動詞の数で何回イベントが起こるかを見分けることができます。


質問: CR(総合ルール)における「スタックに置く」と「スタックに積む」の違いはなんでしょうか。

回答:特にありません。両者の指している意味は同じです。

追記:共に put on stack になります。スタックはより上に「置か」れるので「積む」という表現でも表されます。


質問:クリーチャーをタップして能力を使った後に《たなびく紺碧》でアンタップさせた場合、同じターンで再度タップして能力を使えますか?

回答:はい。ほとんどの場合、再度{T}のコストを支払えるようになるでしょう。


質問:相手は《イリーシア木立のドライアド》をコントロールしています。私が《広がりゆく海》を相手の土地を対象にしてつけました。その土地は能力を失い「島」になるのでしょうか?それとも全ての基本土地タイプのままでしょうか?

回答:その土地は島になります。より後から適用されたタイプ変更効果によって「上書き」されます。

追記:共に第4種の効果であり、タイムスタンプ順に処理されます。最終的にこの土地は島になります。


質問:相手の《激情/Fury》の誘発型能力により、こちらのクリーチャー3体に1、1、2点のダメージを割り振られました。 これに対して、対象を相手して《輝く群れ》をx=3で唱え、発生源を誘発型能力に選んだ場合、この後どのような処理になりますか?

回答:まず、《輝く群れ》の解決時に選択するダメージの発生源として、誘発型能力を選択しても、それはダメージに発生源ではないので何も起きません。発生源として《激情》を選ぶと、それが与える次の3点分を軽減し対戦相手に与えます。どの3点を軽減するかはあなたが選べます。例えば、
1点→0点、1点→0点、2点→1点
と軽減されるように選んでも構いませんし、
1点→0点、2点→0点として残り1点のはそのまま、ということもできます。

追記:この場合、ダメージの発生源は誘発型能力というオブジェクトではありません。ほとんどの場合、カードテキストに「~~はダメージを与える」と記載されています。この~~が発生源です。


質問:対戦相手は《Glacial Chasm》を、自分は《大祖始》をコントロールしています。《大祖始》で攻撃を行った場合、これの戦闘ダメージは《Glacial Chasm》によって軽減されますか?

回答: はい。プロテクションに「軽減されない」という効果はありません。

追記:プロテクションは
・対応する呪文や能力の対象にならない
・対応するオーラや装備品をつけられない
・対応するものから与えられるダメージをすべて軽減する
・対応するものにブロックされない
という能力です。質問の状況はどれにも当たりません。


質問:《濁浪の執政》を《魂の仕切り》で追放しました。 その後再び唱える際、増加したコストは探査で支払えますか?

回答:はい。支払う総コストを決めたあと、コストを支払う段階で探査能力を用いることができます。


質問:《ニクスの星原》と別にエンチャントを5つ以上コントロールしているます。私が《異種移植》を唱えた時、唱える際にはエンチャント・呪文でしょうか。また、これが解決されて戦場に出ると宣言したクリーチャー・タイプを持つクリーチャーでしょうか。

回答:
前半)そうなります。
後半)戦場に出た《異種移植》はクリーチャーです。

追記:《ニクスの星原》の効果は戦場にあるオブジェクトにのみ影響を及ぼします。なので唱えられて呪文である《異種移植》はクリーチャーではありません。


質問:《マリオネットの達人》の誘発型能力はクリーチャーのP/Tを参照しますが、この際に参照される数値は「スタックに乗った時点」、「解決される時点」のどちらですか?

回答:《マリオネットの達人》のようなテキストであれば解決時に参照します。

追記:別のカードの能力で、対象に取る際にパワーの値が必要なら、スタックに積まれる際に対象を選択する必要があるのでその際に参照されます。


質問:《屍術の俊英、ルーデヴィック》の変身で墓地の《ドロスの魔神》を追放しコピーしました。これは戦場に出ていないので、油カウンターはのりませんか?

回答:はい。戦場に新たに出たわけではないので油カウンターは置かれません。


質問:《不屈の独創力》をX=2で唱えました。対象は2つとも私のクリーチャーです。これに対応して、相手は自分がコントロールする《羽ばたき飛行機械》を対象に《神秘の反射》を唱えました。私の《不屈の独創力》が解決され、クリーチャー・カードが2枚公開された場合、出てくるそれらのクリーチャーはどうなりますか?

回答:《不屈の独創力》によって戦場に出てくるカード群は、同時に戦場に出ます。この場合、公開された2つのクリーチャーは同時に戦場に出るのでそれぞれ《羽ばたき飛行機械》のコピーで戦場に出ます。


質問:想起コストで唱えた《熟考漂い》に対応して、相手は自分がコントロールする《羽ばたき飛行機械》を対象に《神秘の反射》を唱えました。《熟考漂い》の解決時にそれが戦場に出た後、想起能力によって生け贄に捧げられますか?

回答:戦場に出たクリーチャーは《羽ばたき飛行機械》のコピーなので想起能力を持ちません。つまり想起による生け贄は誘発しません。


質問:疾駆コストで唱えた《敏捷なこそ泥、ラガバン》に対応して、相手は自分がコントロールする《羽ばたき飛行機械》を対象に《神秘の反射》を唱えました。《敏捷なこそ泥、ラガバン》の解決時にそれが戦場に出た後、これはターン終了時に手札に戻りますか?

回答:戦場に出たクリーチャーは《羽ばたき飛行機械》のコピーなので疾駆を持たず、速攻を持ちえません。しかしながら終了ステップの開始時に手札に戻ります。(CR702.109)

追記:戦場に出たそのオブジェクトは疾駆能力を持たないので、「このパーマネントの疾駆コストが支払われていたかぎり、これは速攻を持つ。」という常在型能力もありません。つまりこれは速攻を持ちません。一方で、「この呪文の疾駆コストが支払われたなら、次の終了ステップの開始時に、この呪文がなるパーマネントをオーナーの手札に戻す。」という常在型能力は、呪文である間に機能するので、遅延誘発型能力によって終了ステップの開始時に手札に戻ります。


質問:前のターンに対戦相手の《思考を築く者、ジェイス》の[+1]の能力が起動されている状態で、自分の《戦慄衆の秘儀術師》で攻撃したとき、2つの誘発型能力が誘発しますが、先に解決されるのは《思考を築く者、ジェイス》ですか?

回答:はい。同時に2つの誘発型能力がスタックに積まれるので、APNAP順に置かれます。先に解決されるのはNAP、つまり《思考を築く者、ジェイス》の能力になります。


質問:戦場にいる《秘技の代理者》のコピーとして《巨体変異》を戦場に出した際、これの能力によってインスタント、ソーサリーを唱えることは可能でしょうか。

回答:《巨体変異》は《秘儀の代理者》のコピーとして戦場に出るので、それの能力が誘発します。そしてこれのパワー以下のインスタントやソーサリーカード1枚を対象にして、解決時にそれのコピーを唱えることになります。


質問:自分が《ジョイラの使い魔》と、《鋳造所の検査官》をコントロールしている場合、《マイアの超越種》を0マナで唱えることは可能でしょうか?

回答:はい。可能です。支払うべきコストは{0}になります。


質問:《キキジキの鏡像》の起動型能力で《灰口のドラゴン》を対象とした場合、生成されるコピーは《くすぶる卵》と《灰口のドラゴン》のどちらとなりますでしょうか。

回答:《灰口のドラゴン》のコピーであるトークンが生成されます。


質問:私は《パルン、ニヴ=ミゼット》をコントロールしています。相手のターンに、相手のクリーチャーへ《急速混成》を唱えました。すると相手は対応して《夏の帳》を唱えました。 一連の行動で、私は《パルン、ニヴ=ミゼット》によりカードを何枚引くことができるでしょうか?

回答:《急速混成》を唱えたときに1回、《夏の帳》を唱えたときに1回、それぞれ《パルン、ニヴ=ミゼット》の一番下の能力が1回ずつ誘発します。つまりあなたはこれらの行動で合計2枚のカードを引くことになるでしょう。


質問:相手の唱えた《実物提示教育》でこちらが《ドライアドの歌》を出した場合、自分と同時に相手が出したパーマネントにそれを付けることは可能でしょうか?

回答:いいえ。オーラは戦場に出る際につける先を選びます。オーラと同時に出るものはまだ戦場にないのでつける先として選ぶことができません。


質問:《蜥蜴丸》を対象に変容でクリーチャーを唱えた場合、コストを支払えば変容したまま他のクリーチャーに装備は可能でしょうか?

回答: はい。その合同パーマネントは換装を持つので、他のクリーチャーにつけることができます。


質問:《鏡割りの寓話》の第2面である《キキジキの鏡像》のマナ総量は3ですか?0ですか?

回答:変身する両面カードの第2面のマナ総量は、第1面のマナコストから計算されます。(CR712.4d)従って《キキジキの鏡像》のマナ総量は3です。


質問:《約束の終焉》の解決中に、《弱者選別》と《発掘》を唱えようとしています。先に《弱者選別》でクリーチャーを生け贄にしたあとで、その生け贄にしたクリーチャーを対象に《発掘》を唱えることはできますか?

回答:はい。《弱者選別》から唱えたのであれば、それの追加コストで生け贄に捧げたクリーチャーを、後から唱える《発掘》の対象にできます。なお、先に解決されるのは《発掘》であることに注意してください。


質問:親和(装備品)の場合、自分の場に装備品が出ていればクリーチャーに装備していなくてもコントロールしている扱いで合っていますか?

回答:はい。つけられていてもそうでなくても、あなたのコントロールしている装備品の数を参照します。


質問:自分は《完全なる統一》をコントロールしています。私が増殖を行い、単一のパーマネントに乗っている相異なる2種類のカウンターを増やしました。《完全なる統一》は何回誘発しますか?

回答:2つのカウンターが同時に1つのパーマネントに置かれたので、《完全なる統一》の能力が1回誘発します。


質問:《通りの悪霊》をサイクリングしました。これのドローの前に《逢魔が辻》の能力を起動しサイクリングのために捨てた《通りの悪霊》をデッキトップに置く事は可能ですか?

回答:はい。可能です。


質問:ロボットを指定した《魂の洞窟》と《荒地》から{1}{W}を加え、《戦場軍医、ラチェット》をトランスフォームした状態の《救急救命車、ラチェット》として唱えた時に、そのコストに充てることは出来ますか。

回答:いいえ。それはトランスフォームした状態で唱えられるので、第2面の《救命救急車、ラチェット》として唱えることになります。つまりこれはロボットではないので、《魂の洞窟》からのマナでは支払えません。


質問:《フラクタルの花、エシックス》のテキストにある、「あなたの各ターンの間」というのは自分のターンのみという認識であってますでしょうか。

回答:はい。あなたのターンの間に、という意味です。


質問:相手が《スレイベンの守護者、サリア》をコントロールしているときに《悪意の熟達》を代替コストで唱えました。支払うべきマナはいくつですか?

回答:唱えるためのコストは、{1}{B}に{1}足されて{2}{B}になります。


質問:MTGアリーナにて、《刃砦の戦鞭》をコントロールしている時に《人体改造機の冠》の装備コストの{2}が減らなかったのですが、装備コストの選択肢が2つ以上あるカードの装備コストは《刃砦の戦鞭》によっては減らないのでしょうか?

回答:いいえ。その場合でも{2}を選択すれば支払うべきコストは{1}になります。


質問:《Priority Boarding》について質問です。このカードが生成する能力は、再帰誘発型能力でしょうか。

回答:誘発型能力の解決中に条件を満たすと誘発する再帰誘発型能力です。

質問:サイコロを振って《Priority Boarding》の能力が誘発し、これを解決しました。マナ総量が出目より小さいカードを公開した場合、改めて能力がスタックに乗る。逆に出目以上の場合スタックに乗らない、ということになりますか?

回答:はい。そうなります。条件が合えば誘発しますが、そうでないなら誘発しません。


質問:《緑の太陽の黄昏》をX=5で唱えて解決しました。その時にクリーチャーと土地が両方公開された場合、いずれか一つを戦場に、もう一つを手札に加えることは可能でしょうか?

回答:いいえ。それらのカード群すべてにおいて「戦場に出す」か「手札に加える」ことを選びます。

追記:個別にそれらの移動先の領域を選ぶことはできません。


質問:対戦相手の場に《大修道士、エリシュ・ノーン》がいる状態で、《白の太陽の黄昏》をX=5で唱えた場合、出てくるダニ・トークンは戦場に残りますか?

回答:ダニ・トークンは《白の太陽の黄昏》の解決中に出てきて一時的にタフネスが負の値になりますが、実際に状況起因処理で墓地に置かれるのは《白の太陽の黄昏》の解決後です。従ってその時点では相手の《大修道士、エリシュ・ノーン》はいなくなっていて修整もありません。


質問:《始祖ドラゴンの末裔》を対象に《剣を鋤に》が唱えられました。これに対応して《始祖ドラゴンの末裔》の能力を連続で2回起動し、1度目で《水銀のドラゴン》のコピーになった後で自身の能力を起動し《剣を鋤に》の対象を変更した上で、2度目で他のドラゴンのコピーになる、というプレイは適正ですか?

回答: はい。可能です。

追記:正しくスタックを使用しています。


質問:《Sorrow's Path》の起動型能力は、ブロッククリーチャーが存在しない状態でも起動できますか?

回答:いいえ。この起動型能力は2体のブロック・クリーチャーを対象とします。従って適正な対象がないと起動できません。


質問:両面カードの裏面を示すために、そのカードと同じカードを事前に用意しておいても良いでしょうか? デッキ内に4枚、裏面を表す用に4枚です。裏面用はデッキとは違うスリーブを使ってデッキケースに入っています。

回答:はい。義務でも推奨でもありませんが、質問のようなことは可能です。

追記:いちばん簡単なのはスリーブから取り出してひっくり返すことです。


質問:《ケイオス・ディファイラー》の誘発型能力で、 呪禁やプロテクション(赤)を持つパーマネントを破壊することは可能ですか? また、呪禁を持つ相手プレイヤーのコントロールするパーマネントを破壊することは可能ですか?

回答:共に可能です。この能力は対象をとっていないため、プロテクションや呪禁は関係ありません。


質問:《栄光のドミヌス、モンドラク》をコントロールしている際に犠牲コストを支払って《敵対するもの、オブ・ニクシリス》を唱えた場合、後者のコピーは前者の常在効果によって2体戦場に出ますでしょうか。

回答:いいえ。犠牲能力によって《敵対するもの、オブ・ニクシリス》の呪文のコピーが作成されます。これを解決するとトークンになりますが、これはトークンの「生成」ではないので、《栄光のドミヌス、モンドラク》は影響しません。


質問:《悪夢の声、ブリセラ》が戦場に出ている状態で対戦相手はX=3で《猛火》を唱えることはできますか?

回答:はい。X=3の《猛火》はマナ総量が4なので唱えられます。

質問:では《サイクロンの裂け目》を超過コストで唱えることはきますか?

回答:いいえ。超過コストで支払っても、その呪文のマナ総量は変わりません。《サイクロンの裂け目》のマナ総量は2なので唱えることはできません。


今週のまとめは以上です。


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