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Old School の各構築ルール

(承前)この記事は米国製トレーディング・カードゲーム "Magic; the Gathering" に関する記事です。

一つ前の記事で、OldSchoolを始めとした古いカードを使用する構築フォーマットについて書きました。これらは非公認ではあるのですが、根強いファンであるプレイヤーの皆さんの活動によって、いくつかの大会まで開かれています。その中でもバリエーションが多くある、OldSchool 93/94 の構築ルールについてまとめておきます。

93/94 Rule

デフォルトとなる93/94ルールです。使用可能エキスパンションは以下になります。
 Alpha Beta Unlimited
 Arabian Nights Antiquities Legends The Dark
禁止カードは以下になります。
 《Bronze Tablet》《Contract from Below》《Darkpact》
 《Demonic Attorney》《Jeweled Bird》《Rebirth》《Tempest Efreet》
すべてアンティに関するカードです。93/94ルールはアンティをサポートしており、アンティを採用することも可能ですが、以上のカードはそれでも禁止されています。

制限カードは以下になります。
《Ancestral Recall》《Balance》《Black Lotus》《Braingeyser》
《Channel》《Chaos Orb》《Demonic Tutor》《Library of Alexandria》
《Mana Drain》《Mind Twist》《Mishra's Workshop》
《Mox Emerald》《Mox Jet》《Mox Pearl》《Mox Ruby》《Mox Sapphire》
《Regrowth》《Shahrazad》《Sol Ring》《Strip Mine》《Time Vault》
《Time Walk》《Timetwister》《Wheel of Fortune》
《Contract from Below》 (*1)《Darkpact》 (*1)
一番下の2枚については、アンティを採用していない場合は使用が禁止されます。

また、使用できるカードにおいて以下の条件があります。
 ・英語版のみ使用可能
 ・絵違いは使用不可(Revisedの《Plateau》や《Serendib Efreet》は使用可)
この条件があるため、93/94はかなりの構築難度があります。これらを一部緩和したり、禁止・制限カードリストを変更した構築ルールが、世界各地で遊ばれています。

Ravenna / Italian Rule

欧州のOldSchoolイベントで採用されているルールです。
 使用可能エキスパンション:変更なし(The Darkまで)
 禁止カードリスト:アンティに関するカードは禁止。
 制限カードリスト:変更なし。
 使用条件:以下の条件を満たしたカードが使えます。
  a)絵が元の版と同じ
  b)枠が元の版と同じ
  c)Foilではない

使用条件が緩和され、純粋に使用できるカードの量が増えています。例えば、《心霊破/Psionic Blast》に関しては、『時のらせん』タイムシフト版は絵も枠も同じでFoilでないので使用できます。しかし、プロモ版は絵も枠も違うので使用できません。

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EC rules / Amarican rules

米国のEternal Weekendで使用されているルールです。
 使用可能エキスパンション:Fallen Empires まで。Harpar Prismのプロモが使用可能。
 禁止カードリスト:アンティに関するカードは禁止。
 制限カードリスト:
  《Recall》が新規に1枚制限。
  《Strip Mine》《Mishra's Workshop》が制限解除(4枚可能)
 使用条件:全言語が使用可能で、以下の条件を満たすカードが使えます。
  a)絵が元の版と同じ
  b)枠が元の版と同じ
  c)Foilではない
 特殊条件:上記abc)を満たせば、金枠、IE/CE版(角が四角いカード)も使用可能。

イタリア語版Legendsのカードや、日本語版『クロニクル』のカードが使用可能になったものです。

ChannelFireball rules

国内の大規模大会でかつて行われていた構築ルールなので、国内ではこのルールを使用していることが多いです。

 使用可能エキスパンション:Fallen Empires まで。IE/CE、およびHarpar Prismのプロモが使用可能。
 禁止カードリスト:アンティに関するカードは禁止。
 制限カードリスト:
  《Maze of Ith》《Recall》が新規に1枚制限。
  《Strip Mine》《Mishra's Workshop》が制限解除(4枚可能)
 使用条件:同名カードであれば再録カードやプロモカードでも使用可能です。全言語が使用可能です。
 特殊条件:IE/CEは使用可能エキスパンションに追加されています。
 ルール追加:”マナバーン” が存在します。

再録カードであっても使用できることや、プロモカードでも使用できることから、ある程度の融通が効くことが良い点です。

BoM rules

欧州のエターナルフォーマットイベント、"Bazaar of Moxen" で採用されているルールです。

欧州のOldSchoolイベントで採用されているルールです。
 使用可能エキスパンション:Fallen Empires まで。Harpar Prismのプロモが使用可能。
 禁止カードリスト:アンティに関するカードは禁止。
 制限カードリスト:変更なし。
 使用条件:以下の条件を満たしたカードが使えます。
  a)絵が元の版と同じ
  b)枠が元の版と同じ
  c)Foilではない
 特殊条件:上記に加え、さらに条件が追加されます。
  ・『時のらせん』Timeshift版は使用不可。
  ・印刷ミスのあるカードは使用不可。(Alphaの《エルフの射手/Elvish Archers》など。《Juzam Djinn》などの暗いマナ・シンボルは可)

BoMルールは更にいくつかのルールが現代的マジックから変更されます。

・”マナバーン” が存在します。
・プレイヤーのライフが0になっても、即座には敗北しません。この状況起因処理はフェイズの終わりまでチェックされません。
・Continuous Artifactはタップ状態になると能力が「オフ」になります。

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例)《Winter Orb》がタップ状態なら、アンタップ・ステップにすべての土地がアンタップします。《Dingus Egg》がタップ状態なら、土地が戦場から墓地に置かれても、能力は誘発せず、2点のダメージをくらうこともありません。

ローカルルールで

このように、色々なルールが地域や大会ごとに作られています。特に制限カードや追加ルールが異なっていると、デッキの特性まで異なってしまうので、ルールを確かめておくにこしたことはないでしょう。

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次回は物理的な要素が入るあれについてです。

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