《敵対工作員》
ある質問に対して、説明が詳しく要ると判断したので、noteに記事として残したいと思います。
問:AとBが対戦している。Aは《溜め込む親玉》を戦場に出した。それの誘発型能力の解決前に、Bは《敵対工作員》を唱えて戦場に出した。《溜め込む親玉》の能力の解決時に、BはAのライブラリーからカードを探すことになるが、追放されたカードはAとBのどちらがプレイすることができるか?
探す/search
解答の前に、まずは「探す」という行動についておさらいをしましょう。CR的には以下の項番になります。
ある意味当たり前ではありますが、これには重要な点があります。それは、領域からカードを探して見つけ/findたとしても、そのカード自体はまだその領域を動かないでいるということです。
ほとんどの場合は、探したあとで見つけたカードに対して何かをすることになります。例えば手札に入れたり、戦場に出したりすることになります。
《敵対工作員》を考慮
では、《敵対工作員》を考慮してみましょう。単純にするために、Aはフェッチランドである《溢れかえる岸辺》を起動したとしましょう。Bは当然これの解決前に《敵対工作員》を唱えて戦場に出した場合を考えます。
《溢れかえる岸辺》の解決時、BはAのライブラリーから該当するカードを探して見つけます。---ここでは《島》にしましょう---そしてBはそのカードを追放します。ここまでが「ライブラリーから探す」行動です。そして探されたカードは追放されてもうライブラリーにないので、《溢れかえる岸辺》の解決を続けても、さきほどの《島》を戦場に出すことはできません。
つまり、《敵対工作員》は「探す」部分を「探して見つけたカードを追放する」ことにします。ここで重要なのは、探しただけでは領域を移動しないのですが、領域を移動する行動になっている点です。つまり、本来は探して見つかったカードに対して行われる領域移動などが、見つけられたカードがもうライブラリーにないので、行われないことになります。
《溜め込む親玉》VS《敵対工作員》
では本題に戻りましょう。Aの《溜め込む親玉》の能力を解決します。そして探している最中にBがAのライブラリーを探し、何かしらカードを見つけ、それを追放します。そしてその後、起動型能力の解決を続けると、見つかったカードに対して裏向きに追放しようとしますが、もうライブラリーにはそのカードはありません。従ってこの方法で追放されたカードはありません。
最終的に、見つけられたカードは、表向きに追放され、それをプレイできるのはBだけ、ということになります。
Gatherer Ruling
この考えに至るまでに、筆者は一回誤った結論に至りました。それは、《敵対工作員》のGatherer Rulingに以下の文があったためです。
探したあとに影響する効果は追放されたカードを参照できる、と書かれています。しかし実際には、探す→探して追放 としているので、探したあとに何かをする効果はもうライブラリーに該当するオブジェクトがないので、参照できません。
従って、この文章は本来は「追放されたカードを参照できない」とされるべきである、という見解が出されています。
実際の大会においては、ジャッジの指示に従ってください。
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