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繰り返される話題

(画像はAI生成です)

はじめに

この記事は主にマジック・ザ・ギャザリングのゲーム及び大会について、定期的(数ヶ月~数年のスパン)に蒸し返される話題について、書き残しておくものです。他TCGに関しても通じる話はあるのかもしれませんが、論拠となる文書やポリシーのありかたがそもそも異なるので、あくまで参考程度にとどめおいてください。

シャッフル

シャッフルはデッキ(ライブラリー)の順番を無作為化するための方法です。シャッフルにはいくつかの方法がありますが、複数の方法を混ぜるのが一般的です。

・ヒンズーシャッフル:デッキの真ん中の一部を抜き取り、上に乗せるやり方です。これを不特定の回数繰り替えします。一番簡便な方法で、よく使用されます。この方法は「真ん中の部分をカットして上置きする」ので、それぞれの塊の部分で繰り返されるパターンが崩れにくいことに注意してください。また回数が少ないヒンズーシャッフルは、カットと変わりません。

・ファローシャッフル:デッキを2つにわけ、それぞれを片手に持ち、一方のデッキのカードの間を少し膨らませて、もう一方のデッキの中に串指すように入れていきます。カード内の定期的な繰り返しを崩すことが期待されます。ただし、ファローシャッフルだけでは一番上のカードを変更させないことが可能です。ヒンズーシャッフルと組み合わせることで、無作為化をより進めることができます。

・ディール:俗に「田植え」「n山切り」と呼ばれる方法です。例えば、デッキを上から1枚ずつ、3つのかたまりに分けるように配り(ディールして)、それを1つの山にまとめます。これはシャッフルではなく、カードの枚数を数える行為とみなされます。そのため、これを行うことができるのは、はじめの1回のみです。(MTR3.10)

また、シャッフルの前にカードを散らしたり、逆に組み合わせてライブラリーに差し込み入れる行為自体は認められています。ただし、その後で「十分に切り直して無作為化する」ことが必要です。(IPG3.9)

シャカパチ

手札のカード群を素早く手繰る行為を指します。カードを手繰るしゃかしゃかという擬音と、カードをハネたときのぱちんという擬音が由来と言われています。
この行為自体は特に違反ではありません。が、主に音を立てる行為については、その音によって集中を削がれてしまうという方もいるようです。もし相手の方のそのような行為が目に余る場合は、ジャッジやスタッフに対応してもらうようにしましょう。

ループ

「ループ」は、繰り返される一連の行動を述べ、その後に述べた一連の行動を特定の回数繰り返すという「手順の省略」です。これはMTR4.4に書かれており、この文書によってループが省略可能なのかそうでないのかを判断することになります。

ヘッドジャッジは、何がループを構成するかに関して最終的な決定を行うことができます。

大切な点として、単なる時間稼ぎのためのループは認められていません。それは懲罰に値する行為です。(遅延行為)

遅いプレイ

プレイヤーは、どれだけ状況が込み入っていようとも、時間を守ってターンを進めなければならず、イベントごとに定められた時間制限を守らねばいけません。プレイヤーは、告知された時間内にマッチを終わらせられるペースを守る義務があり、時間稼ぎは許されません。(MTR5.5)

具体的に何分何秒以上で遅い、という指標はありません。なぜならそれはゲームの状況などで容易に変わりうるからです。上に述べたように、「イベントごとに定められた時間制限を守れ」るかが焦点になるでしょう。

ライブラリーの順序

ライブラリーの順序は変化させてはいけません。(CR401.2)

これは、ライブラリーからカードを探している間も同様ですので、厳密にルールを適用するならば、ライブラリーを並べ替えてはいけないことになります。 ただし実際には、ごく稀な状況を除き、ライブラリーを並び替える行為自体が問題になることはありません。

優先権

マジックのゲームにおいては、手順の省略が日常的に行われています。例えば、「アンタップ、アップキープ、ドロー」といった一連の行動にも、優先権を得てパスするという暗黙の省略が行われています。

優先権は目に見えないものなので、注意深く扱う必要があります。特に、互いによく省略している行動とは異なる行動を行いたい場合には、「いつ」その行動を行いたいかを素早く指摘する必要があります。例えば、相手の「アンタップ、アップキープ、ドロー」の間に、あなたは《根絶/Extirpate》を唱えたいと考えました。いつ唱えるのが良いでしょうか。その場合、この省略はどこで中断させられるべきでしょうか。《根絶/Extirpate》ではなく《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》だった場合はどうなるでしょうか。
これだけでも、「いつ」宣言するかが重要で、かつ必須であることがわかるでしょう。

「戦闘入ります」

伝統的に用いられている手順の省略はMTR4.2に例示されています。ここに例示されていないものでよくある手順の省略として「戦闘入ります」という類の表現があります。これは、「APのターンの戦闘フェイズの攻撃クリーチャー選択ステップに入るまで何もせず優先権をパスする」という意思表示です。

どこかで誘発型能力が誘発する場合、その誘発型能力がスタックに積まれる時点でこの省略は中断されるでしょう。プレイヤーは適切にその能力を処理する必要があります。
また、AP以外のプレイヤーがこの省略を中断する場合、「いつ」「何をするか」を明示しなくてはいけません。

スリーブ

スリーブを使用する場合、同一のスリーブであり、すべてのカードは同様にスリーブ内に配置されている必要があります。一部のスリーブの高さ(長さ)が異なっていたり、一部のカードが上下逆に入っていてはいけません。

両面カードをデッキに入れている場合、淡い色や薄いスリーブでは、背面から透けて見えてしまうことがあります。透けて見えるようなスリーブを選択しないようにしましょう。そのようなスリーブを使いたい場合、差し替えカードを使用して、両面カード自体をデッキ内に入れないようにしましょう。

スリーブの「偏り」を防ぐために、カードを入れる前のスリーブをシャッフルしておくのも良いでしょう。

競技性が高いイベントでは、さらにスリーブに対して制限がかかります。例えば反射率の高いスリーブは使用できません。
スリーブが使用できるかどうかの最終権限者はヘッドジャッジにあります。

買収、スプリット、ID

賞品や金銭の見返りを求めたりもしくは申し出をしてマッチの結果を決定することは厳格に禁止されています。それは「買収行為」にあたり、懲罰はイベントからの【失格】になります。

また、行ってはいけない行為として、マジックのゲームでの勝敗とは無関係な方法でマッチの勝敗を決定することがあります。例えば、スイス予選ラウンドの最終戦で、時間切れ引き分けが近く、互いにこのままではTop8に残れないことがわかり、その時点でダイス勝負で勝敗を決める、というのはしてはいけません。そういった申し出をされた場合は即座にジャッジを呼びましょう。

イベントの賞品を分け合う(スプリット)ことが許される場面が2つだけあります。言い換えると、以下の2つ以外はスプリットできません。
 1)シングル・エリミネーションの最終戦のマッチ
このマッチにおいて、勝者とその結果の賞品の分け方を決定することは買収には当たりません。この場合、そのテーブルのプレイヤーのうち一方はイベントから棄権(Drop)することになります。
 2)「現金、商品券、未開封の商品だけが提供されているイベント」のシングル・エリミネーション・ラウンド
イベントに残っているプレイヤー全員が同意し、かつイベント主催者の許可をもって、プレイヤー全員が賞を均等に分割することを選んでもかまいません。その時点でイベントを終わりにしても良いし、プレイを続けてもかまいません。(そのプレイは賞の分配には全く影響しません)

ID(同意による引き分け)はいつでも選択できます。他のテーブルのマッチやゲームの状態を見てIDや棄権を判断しても構いません。ですが、マッチ中に席を離れたり、友人を呼んだりSNSを使用するなどをしてこの種の情報を得るために過剰な努力をすることは認められません。



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