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ネタバレしている方が売れてしまう時代【鬼滅の刃から考察:前編】

こんにちわ。
ランデブーの田中です。飲食×ITのスタートアップをやっています。
日常に落ちてる話題をマーケティングやサービス視点で考察して、サービスや組織に転用しています。通りすがった人もスキしてくれると跳ねて喜びますのでよろしくお願いします。

▍『鬼滅の刃』の成功事例は再現性がある?

完全に社会現象となっている映画『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』。今回の大ヒットが世の中に与える影響は、映画会のみならず大きい。

こういう世の中が動かされるタイミングの考察は多くの人がするし多くの情報が飛び交うので、自身で考察する必要などないけど『だからこそ』自分なりの考察は為になります。比較も出来るし振り返れるからね。


鬼滅の刃が証明した『ネタバレしている方が売れてしまう時代』というテーマでお話します。

▍どれくらい凄いのか?

凄いのは全員が知っていることだと思うので、どれくらい凄いのかをおさらいします。

興行収入100億円超え 歴代最速

興行収入100億円というのが『大ヒット』一つの基準になっていますが、日本映画の過去最高記録はスタジオジブリの「千と千尋の神隠し」。
2001年に記録されて、約20年間破られることがなかった「25日で100億」という記録を、鬼滅の刃は「10日間で100億」と歴代最速記録をつくりました。そして、現時点では「24日目で200億円」を超えてます。

Q)日本で興行収入100億円を突破した映画って何本あるの?
(
参照元 シネマランキング通信 )

映画興行収入ランキング

36本しかないんですね。

Q)観客動員数 1000万人突破した映画は?

参照元 Wikipedia )

映画観客動員ランキング

16本しかないんですね。

改めて比較して他の作品と並べると、『鬼滅の刃』の記録がどれくらい凄いかを認識できます。恐らく、と言うよりも間違いなく興行収入も1位を超えます。

着地予想は450億円の3500万人動員です。ズレが5%以内だった時はフェルミ推定根拠を追加で書きます。ココらへんの数字感覚や変数読みは天才なので多分当たります。
※改めて答え合わせしますが、自粛で映画館が閉じないことを祈ります。

※上記の各数値は2020年11月12日時点での数字です。

▍「大ヒットになった」ではなく「大ヒットにした」仕掛け

元々、社会現象化していた『鬼滅の刃』(2019年の年間コミック売上げランキング1位)なので、ヒット作になるポテンシャルは元々あったと考えるのが妥当です。ただ「売れている漫画のアニメ化だからヒットして当然」というのは考察としてはお粗末です。なぜなら人気マンガを映画化したのであれば『ワンピース』や『キングダム』はもっとヒットしてても良いはずです。

キングダムの実写映画は57.3億円。ワンピーススタンビートは55.5億円。
↑↑これも十分大ヒットです

▍鬼滅の刃が「売っていたもの」は何か?

エンタメに触れられる機会が限られていた昔と違い、Netflixなどのサブスクコンテンツ、YouTubeが起こしたデバイスチェンジ(テレビからスマホ)で、コンテンツに振れる機会は格段に増えました。

また、映像技術も格段に上がり、タイタニックやジェラシックパークが映画化されてCGに感動することもなくなりましたし、多くのエンタメは演じる人や作り手は違えど『内容』や『設定』はどれも似たコンテンツで溢れています。
*とりあえずゾンビ系のラインナップ数は異常

商品やサービスのコモディティー化(※情報に溢れ技術が進歩した今、目に見えるほどの差別化するのは難しいよね!)ってヤツが、映画業界にも押し寄せています。

今回の鬼滅の刃は

❶漫画のストーリーがそのまま映画化されたもの
❷アニメ化されていたストーリの続き

❶は「新着エピソード」だから売れたわけではないことを証明し、❷は「映像化」が楽しみで売れたわけでもありません。

つまり、今回の映画は「完全ネタバレで斬新さがあるわけではないのに大ヒットした」ということです。

今までエンタメは『ネタバレ厳禁』とか『新体験(CGとか映像化)』という強い『慣習』に縛れていましたが、それが完全に崩壊したキッカケの作品になったと思いますし、この崩壊は大きなイノベーションです。

内容がネタバレしていて斬新なものがなくてもヒットするのであれば、仕掛けられるプロモーションや準備が格段に変わるからです。

じゃあ、どんな仕掛けやプロモーションがあったの?を深ぼってみると面白い考察が見えてきます。

※ここからが本題ですが、長くなったので続きは後日書くことにしました。


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