FRM Part1 感想戦
1.はじめに
CFA Charter的な立ち位置から見たFRMの感想です。
なお、この物語はフィクションです。
FRMPart1ですが、ざっくりいうと以下のとおりです。
●総じてとても楽しかった。
●資格だけを目的とするなら、CFAがベスト。FRMは普通に難しいので、
舐めないほうがいい。(投入時間対比コスパが良くないと感じる)
2.試験までの軌跡
●勉強開始(2020年12月)
同月に受験したCFA L3については、死んでもOne&Doneするという決意のもと、全身全霊をかけて挑んだので、合格前提でFRM Part1へ申し込み。補助教材はRedditリサーチのうえ、Bionic Turtleを選択。
まず、Bionic Turtleの動画を中心に勉強。範囲の7割程度はCFAと被っており、ホルダーは相当有利だろうという感触を得る。一方で、ちょっと掘り下げたQuantitativeな部分は???となることが多く、イラつく。この辺、CFAにはMark Meldrumというチート教材があるのと対照的な気がした。
公式テキストはパラパラ読むものの、極めて分かりづらい(特に自分のような文系にとって?)。それなりに高度な話も出てくる(試験にはまず出ないであろうもの)ので、全てをかっちり理解するのは困難かもしれない。
また、本文はそれなりにちゃんとしている(AuthorはJohn Hullとかだったり。)一方で、肝心の章末問題が誤植・誤解答の連続。さらには印刷クオリティがダメダメで、触った部分のインクがハゲるなど、CFAのクオリティが懐かしくなり、ここでもイラつく。
やり込むに従い、理解が進むようになると、Bionic Turtleの講師(David)の厳密さと緻密さに惚れるようになる。すごい。
●試験日(2021年7月)
当日までに、公式Mock・BTのMock×2・BTのPractice Problemほぼ全てをやりきり、結構万全な態勢を整える。
試験会場(PSIのテストセンター、電車で1H30Mくらい)にて、ロッカーに荷物を入れる段になって電卓を忘れたことに気付く。ヨドバシまで走るも、HP/TIの電卓が売っているわけもなく。。。
あえなく棄権しました。(No Show)
●2021年7月~2021年9月
死
●2021年10月~2021年11月
再エントリーの試験日は11月。勉強を再開し、SchweserのMockを一つ購入、肩慣らしに解いてみると、77点とまずまずの出来で、自信をつける。
●試験当日
同じくPSIのテストセンター。割と同好(?)の士がいる。外人もそれなりにいる。外人が執拗にPSIのお姉さんに「電卓を2つ持ち込んでいいか」の交渉をしていた。(なお、GARPのポリシー上は駄目。)
試験は普通にPSIの画面ポチポチ。残り時間が表示される他、見直すために問題にマーカーがつけれる。Referenceというタブがあって、そこからZ-Tableを参照できるようになっていた。
5分に1回位オンオンうめきながら問題を解く外人に苛つきながら、なんとか解き終え無事終了。現在に至る。
3.試験の感想とか
●普通に難しい
MockとかPractice Problemは割と高得点を取っていたので、満点近くを取るつもりで臨んだものの、普通に難しかった。
参考までに、自分はCFAのMultiple Choiceであれば4割程度は時間を余らせていたが、FRM Part1では、30分しか余らなかった。問題の見直しをしてたら時間をちょうど使い切ってしまった。
内容的には、難易度が高い問題が出る、というより、広く浅く問うようなイメージであった。特にBTで対策した場合、対策がQuantitativeに寄りがちだし、極めて複雑な計算問題を解いて満足してしまいがちなので、注意。本番はイメージが違う。
●Qualitative or Quantitative
自分の感想では、Qualitativeに重点が寄っていたと思う。当たり前であるが、Learning Objective一つ一つ、ちゃんと説明できるか、みたいなところに重点を置くべきであるように感じた。
●試験の点数?(未確認)
CBTとなってから、点数が終了時に出る、と言う話を聞いていたが、自分は出なかった。どうやら、時間満了前に終了手続きを行わないと、点数は見れないらしい。未確認です。
4.CFA CharterにとってのFRM
先程書いたとおりで、Part1についてはCFAと7割程度が被っているため、FRMにどこまで意味があるか?と言われると、「うーん・・・」という点も多い。万人に勧められるわけではないと思う。
ただ、FRMはCFAのQuantitativeな部分をより深堀りしており、あくまで自分の中でだが、「ああ、そうだったのね」みたいな箇所が多くあったとも感じる。視界がよりクリアになるイメージ。
具体例を挙げるのは難しいが、Forwardのデルタは1だけどFuturesのデルタはe^rtだよね、とかnormal distributionのESは(PDF/α)だよね、とかCFAに書いてあったのかもしれないけど、意識してなかった諸々であったり。また、CFAは概念を問うことが多いのに対し、FRMは普通に計算させたりもする。(例:CFAならブラックショールズのN(d1)は問題文で与えられるけど、FRMだとd1から計算させられる。)賛否あるかもしれないが、計算することで改めてlognormal distributionに想いを馳せ?ることもできた気がする。
電卓を忘れたせいで2000ドル近くコストが掛かってしまったわけだが、自分はやってよかったか、と聞かれれば、Yesである。(説得力なし)
5.使用教材
Bionic TurtleのAdvancedコース(249ドル)+公式テキスト(印刷)
公式テキストは軽く一通り目を通したものの、完全な理解には遠く及ばず、基本はBionic Turtleを使用。
BTの内容についてはReddit民のお墨付き。特にForumが秀逸で、疑問に思う箇所はだいたい誰かが質問していて、それにDavidからの答えがついている。CFAのAnalyst Forumよりもすごい。
説明自体は非常にしっかりしている。Mock等についても質は十分だが、理解を促進するために、一部Practice Problemなどが異様に難しくなっている。(特にQuantitativeな問題について。)このあたりは無視しても問題ないと思われる。
ただ、Quantitativeに寄り過ぎでQualitativeな問題が抜けているかと言うとそうでもなく、実際の試験で「BTで見なかったぞ・・・」という問題は存在しないレベルであった。
特に有用だったのが、付随してくるエクセルシート。FRMの数々の概念を実際にエクセルに落とし込んで見せている。例えば、モンテカルロシミュレーション。CFAだと、概念を叩き込まれて終了なんだけど、Bionic Turtleでは実際にエクセル上でモンテカルロシミュレーションを構築して見せている。自分のような実務Noobな受験者にとっては、実にありがたいエクセルだった。
悪い点を挙げるとすれば、サイトの使いづらさ。サイトが極めて見づらく、特定の箇所へのアクセス性が極めて悪い。説明するのは難しいので、実際にトライアルなどで試してみてほしい。
FRM Part2 感想戦につづく。
https://note.com/tesc/n/n256d59653d25
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