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200330 いつもと違う春

令和元年度最後の月曜日の午後、車の登録センターは多くの人で賑わっている。

もう1年前に廃車にした軽トラックの廃車手続きをまだしていなかったのだ。年度が変わるとまた1年税金を払わなければいけない。明日がリミットだった。受付番号カードをとってベンチで待つ。

周りに座っている人の多くは、自動車整備工場、中古車販売店、車のディーラーの事務職らしき女性。それと少しの男性整備士さんたちだ。男性たちの背中には、HONDAにトーヨータイヤ、ブリヂストン様々なブランドロゴが踊る。

年度変わりの3月末は、車の売買による所有者変更が多く行われるのであろう。車のナンバーを束で抱えた事務服の女性を見かけることはそうそうない。

その業者さんたちを待ち受けるセンターの事務の人たちも手際よくドンドン書類をさばいていく。

自動車手続きはなかなか複雑でこういうの見ると、もっとシンプルにできないものかと頭動かす人も多いだろう。これってオンラインでできないの?って。

そういう私もこれだけ待たされるとそんな気持ちにもなってくるが…もうこのベンチに座って30分がたつ。

待ち合いロビーのテレビでは、今日も新型コロナウイルスのニュースが流れている。春休みに海外旅行に行った大学生から感染が広がっているというやつだ。

午前中には志村けんさんが新型コロナウイルスで亡くなるというニュースが流れた。LINEニュースに大きく現れた志村けんの写真にびくっとした。自分がこんなに沈んだ気持ちになると思わなかった。

ただただTwitterのタイムラインを流し見るしかない。家にいたらただただテレビをぼぉっと眺めていただろう。

春を迎えるウキウキとした気持ちが今年はまったくない。今年は雪も降らなかったので、雪解けの喜びもない。昨日なんだか知らないが雪がちょっと降ったが。

こんな時は、とにかくやってくる人を、無心にドンドンさばかなければいけない、ここの仕事がいいなと思う。

今日は、余計なことを考えずにもくもくと手を動かしたい気分だ。

それにしてもあまりに自分の番号が呼ばれないと思ったら、番号の紙と書類を窓口に出す仕組みだった。

あぁ今日はもう帰りたい。

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