もっとも美しい頃

もっとも美しい頃

湖にはとうとう靴は浮かばなかった
みている間に音という音が
腐敗する私の体内を祝福しているようだった
あるひとつの古い記憶の終わり
邪悪なこどもだったときの私の顔は
もっとも美し頃の母に似通っていた
砂糖がさらさらと涼しい響きをたてて
平されたクリームへ落ちていく
そのどうしようもなく素晴らしい
完璧な法則のように人を
幸せにも不幸せにもせず
不可逆な時間に漂っていたかった
いま私の顔は軽蔑を欲しているだろうか
あの新しい橋を清々しい目をして
渡り切ることができるのだろうか

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