まちの情報量こそすべてなのか?

巷でよく聞く西宮ガーデンズは1か所で買い物と映画が済ませられる大型ショッピングモールです。多くの人を引き寄せる魅力とは、①テナントの種類数と②高級ステータス感と③無料ガーデンつまり居場所の3点だと考えられます。

一方で、河内長野商店街&ノバティながのにも100に迫るテナントがありますが、比べてしまうとステータスやクオリティ、居場所や来客動機が足りないように思えます。今の時代、単に物販店舗が並んでいるだけでは、顧客満足度やロイヤリティは高まりません。

一方で、西宮市という都市は、ガーデンズがあるから住みたい街ランキングが高いのでなはく、先にランキングの高まった西宮市があり、H2Oリテイリングがドミナント戦略でそこに集中投資したというだけの話で、今さらショッピングモールのビジネス性を語るつもりはありません。要は、世間や市民に、近隣市と比較して住みたい都市と思わせることができれば、いずれ駅前に河内長野ガーデンズ的な投資もありうるわけです。

そこで、課題となるのは、近隣市よりもここに住みたいと思わせるイメージです。どうすれば比較優位の印象が生まれるのか?

私は、都市のイメージは情報量の多寡で決まると考えます。人気の都市には、商店街、商業施設、飲食店、祭・イベント、テーマパーク・公園、季節感など多種多様な話題があり、企業、行政、団体、個人に至るまで様々な主体がそれぞれ積極的に情報を発信しています。その情報量と熱量が源となり、外部のマスコミが取り上げ、さらに情報量が増えていくというスパイラルが生まれると考えます。

そんなスパイラルを実現するには、10代20代30代の参加が欠かせません。彼らに、都市へ好意を持たせ、愛着や共感を感じさせるような話題を供給する必要があります。大都市や観光地のように話題が多ければ、何もせずとも一定の情報量が確保されますが、そもそも話題や資源の少なそうな村やベッドタウンでは、行政側でこれまで魅力と思っていなかったものを話題化し、市民に再発見させるような仕掛けが必要となります。例えば、流山市の「母になるなら流山」などがその例です。

ただし、多くの市民は、行政から提供された話題に喜ぶというより、気の合う人同士の交流に高い満足度を感じます。情報や知識ではなく、仲間がいることがとても重要です。どんな分野でも、コミュニティ化が進めば進むほどリピート率やロイヤリティが高まり、情報発信や拡散が期待できます。

以上のことから、10代20代30代の市民をターゲットに、本市への愛着や誇りを感じさせるような共感装置としてのコンテンツ=秘密、また、これからも住み続けたいと感じさせるような居心地のよいコミュニティ・会話のある居場所=秘密、を作ります。