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中村 隆之『フランス語圏カリブ海文学小史―ネグリチュードからクレオール性まで』(風響社、2011年)を読みました。

90年代に今福さんによりクレーオールの概念が紹介されブームになりました。アメリカのニューオリンズは私の好きな都市ですがここにしかない料理ばかりで何を食べても美味しいのですが(ガンボはもちろん鰐肉も食べました。)これもクレオールの一部でしょうか。

本書はカリブ海のフランス語圏のクレーオール文学に関する紹介となっています。ここもルーツはアフリカです。研究会で著者の中村さんと話や会食をする機会があり興味を持ちましたがご著書を読む時間が取れませんがようやく一冊読めました。残りもこれから読んでいこうと思います。

本書より…

この島に住んでいる人々の多くは褐色の肌をしている。その肌の色はアメリカ合衆国南部から中米を経てラテンアメリカのカリブ海沿岸に至る地域で、奴隷制度が敷かれてきたことと無関係ではない。カリブ海地域の住民たちの主要なルーツはアフリカである。アフリカ大陸から奴隷船で運ばれてきた人々が、この島々に生まれた人々の大半の祖先だ。
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カリブ海地域にはヨーロッパ系、アフリカ系、アジア系の人びとが住んでいるが、自分たちはそのどれでもなく、かつ、そのどれでもある。、すなわち自分たちは文化的混血の産物なのだというのがこの宣言の意図するところである。

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