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安西 洋之『世界の伸びている中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』(クロスメディア・パブリッシング、2014年)を読みました。

シリコンバレー流のイノベーション以外にもイノベーションや資本主義のあり方はあります。最近、サステイナブルカンパニーやconsious capitalなどビジネスと社会課題の融合の議論がありますがヨーロッパの企業人には長い歴史や教養から来る知恵があり、アメリカとは枠組みで資本主義や人生をとらえているようです。日本にいるとなかなかそのような知識や情報に触れる機会がありませんが本書はそのようなイタリアの知恵を味わえる貴重な一冊です。特に、ブルネッロ・クチネッリ氏の思想が紹介されているのがいいですね。

本書より…

「『人材』、『ビジョン』、『事業集中』は確かに重要ですが、それら3点は年10%の売上増を念頭に置いた場合であって、年30%の売上増を狙うのであれば不十分です。私にとっては、1に他人への敬意があり、2に自らを肯定する尊厳。3に想像力がきます」
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文化バリアを超えるポイントは、仕事の顔とプライベートの顔を一つにしてビジネスパートナーとつきあうことだと考えています。
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ハイカルチャーあるいは教養は日常生活やビジネスの中で生きています。そしてこの教養がビッグデザインを考える際の「背骨」になり「底力」になるわけです。強いブランドにはビッグデザインが必要です。なぜならブランドとは「理念を深く考えた痕跡」であるためです。

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