鏑木 毅『日常をポジティブに変える 究極の持久力』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2018年)を読みました。

30代後半~40代になってもプロのトレイルランナーとして世界のトップにいる鏑木さんは高校、大学と陸上競技に打ち込みましたが怪我などで不完全燃焼だったようです。トレイルランは160kmを走ったりする過酷なレースでそれだけの持久力が必要とされます。例えば、レース前に炭水化物を摂るカーボローディングなどは時代遅れのようで体脂肪をうまく使うような食べ方が求められます。その他、食生活、マインドセットなど多様な領域の知恵を授けていただきました。


本書より…

単純に堪え性、忍耐力といった意味での我慢強さだけを比較すれば、欧米人より日本人のほうが優れているのは事実なのかもしれません。しかし、それがトレイルランニングという競技で有利にはたらくかというと、少々疑問です。
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それに対して日本人は、あらかじめレースプランを綿密に組み立てておく生真面目さを持っていて、それが何らかのアクシデントによって狂いが生じると、途端に戸惑い、ペースを見失う傾向が見受けられます。規定外の事態に弱い日本人に対して、常にフラットなスタンスで「どうにかなるさ」と考える欧米人がウルトラディスタンスのレースで有利なのは明らか。なにしろ160キロの距離を丸1日かけて走り通す過程は、不測の事態の連続なのです。

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