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風間 研『小劇場の風景―つか・野田・鴻上の劇世界』(中公新書、1992年)を読みました。
60年代のアングラ演劇から始まり、その後の第2世代~第4世代、特に、つかこうへい、野田秀樹、鴻上尚史を中心に小劇場の流れを概観する一冊。著者はフランス演劇の専門家でやや距離を置いた書き方がここちよかったです。
本書より…
だから、野田の芝居を見ていると、やがて、そこにふんだんにある「言葉遊び」が、効果的な役割を果たしていることにも気づくだろう。一見、井上ひさしの世界に近いようにも見えるが、質はだいぶ違う。確かに、その「言葉遊び」は、駄ジャレとか、テレビのコマーシャル、聞き慣れた言葉のパロディなど、身近なもので、格調の高いものではないが、別に、そのことは問題ではない。というのも、ここでは、どんな言葉であれ、それが、イメージの突破口としての意味を持つからである。野田の提出する何げない言葉が、芝居のなかで、奇想天外な発展をするのである。
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