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小泉 義之, 永井 均『なぜ人を殺してはいけないのか?』(河出文庫、2010年)を読みました。

前半はふたりの対談で、議論が全く噛み合っていないのが印象的です。どうやら「なぜ人を殺してはいけないのか?」という問いに対してこれまで哲学、社会契約説は答を出せていないらしいです。永井さんの議論が秀逸でゲーム理論的な考察+「自己」の理論によりこの問に応えようとしています。人間社会の基盤に関してイマジネーションを刺激するなかなかオモロイ本でした。

本書より…

好き嫌いで言えば、私はもちろん道徳などよりは死刑や国家のほうがはるかに好きである。それらははっきりした権力行使であり権力機構であるから、そのぶん神ではなく、したがって存在しない価値を信じるという意味での「ニヒリズム」とは無縁だからである。
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ここで私は、相互性の原理を否定する二つのやり方を提示している。

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