鈴木 忠志『演劇とは何か』(岩波新書、1988年)を読みました。

“アングラ四天王”のひとり鈴木忠志が書いた渾身の演劇入門書。最近ようやく演劇の戯曲を少しだけ読めるようになってきて演劇というものに改めて興味を持ち始めました。アングラ演劇廻りから始めていますがやはり演劇の入門書を読んでみたいと思い、手に取りました。とても頭のいい人が初心者向けに究極までわかりやすく書いていてコトバの一つ一つが体に入ってくるような気がしました。私もいつかこんな本が書けるようになりたいものです。素晴らしい一冊。

本書より…

演出家というものは、こういう観点から俳優の仕事を助け、言葉と俳優、俳優と観客、これらの関係がすばやくしかも正確に一対になるような場をしつらえる人間だと言えます。
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先ほど教育の画一化ということをいいましたが、それによって日本人は自分自身を相対化する契機となる他者を見失ってきています。その結果、自己を客体化する能力とその訓練が著しく欠けています。ですから逆に、外国を極端に異質と意識するのです。

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