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森田 創『MaaS戦記 伊豆に未来の街を創る』(講談社、2020年)を読みました。

東急電鉄の新規事業として伊豆半島でIzumoというMaaSを立ち上げた著者の奮闘記。ITに疎いという著者が仲間とともに数多くのトラブルに会いながら事業を作っていく様子が泥臭く人間臭いところも含めて詳細に描かれているのが印象的でした。新規事業といっても、綺麗事だけではなく、泥臭いところ、人間臭いところに知恵が詰まっていますね。


本書より…

MaaSが扱う交通分野は、長年の歴史に守られた、一番スタイルを変えにくい領域である。そこを変えていくのは、言うほど簡単ではないし、その難しさを理解するのにも時間がかかった。それぞれの会社には、社員とその生活を守る義務がある。縄張りを守るためには、シームレスで便利になりすぎてしまっては、困る部分もある。ここには書かないが、いろいろと思い通りにいかないことも多かった。だが、交通分野はしがらみも多いからこそ、共同で取り組めるところはどんどん着手すべきだ。小さくなる土俵で相撲を取り続けても、お互いが滅びることは明白なのだから。

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