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天使サタンの悲劇

ミカエルに敗れたサタンというのは悪い奴という印象を持っている方が多いと思います。

そもそも、サタンとは何なのでしょうか。

元々サタンは神によって最初に生み出された天使でした。
そして、エデンの園を守る智天使として、その役割を担っていました。

智天使というのは熾天使に次ぐ2番目の階級でしたから、8番目の階級である大天使のミカエルに敗れたのはさぞ意外だったことでしょう。

サタンは神から人に試練を与える様にと、命令を受けました。
そこで、サタンは人間の信仰心を失わせようとしたり、ソロモンを騙すなどの行為を行っていきました。
元々は、神が命令したにも関わらず、そんなことばかり行ったため、徐々に神と敵対する様になり、最終的には戦いになってしまったのです。
雇用のミスマッチならぬ、役割のミスマッチといったところでしょうか。

悪の道に走ることとなったサタンはキリストにも手を出しました。

神の子だというなら石をパンに変えろと無茶な要求をするばかりか、サタンを崇めれば権力を与えようと誘惑したり、高いところから飛び降りれば天使が助けるなど嘘を吹聴しました。
キリストはそれらに打ち勝ち、サタンを追い返しましたが、全員がそんなに強いわけではありません。

弟子の一人はサタンに騙されてしまい、それによって、キリストは十字架にはりつけにされてしまったのですから。

ちなみに、イスラム教にもサタンは存在します。
シャイターンと呼ばれています。
やはり、元々は天使だったのですが、イスラム教では天使の地位が人間よりも低いことから、それに怒って神に敵対する様になりました。
シャイターンというのは人間の敵対者という意味ですから、神への怒りというより、人間への怒りで悪の道に走ったのです。

非常に悪いという印象がありましたが、案外その背景を知ると本当に悪いものは何なんだろうと正義について考えさせられますね。
見えない世界というのを知らずに表面的な部分だけを見ていれば、大切なものを見逃す様な気がします。
人の善悪も本質的には同じですからね。
そういうことをきちんと学んでいくことが大切です。


これからも良い記事を書いていきます。