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不発!皆既月食…。

2021年5月26日、国内では約3年半ぶりに皆既月食が見られるということで、今回は少しだけ力を入れて撮影してみる気になった。というのも、前回の2018年1月31日の皆既月食をデジカメで撮影したところ、結構簡単に撮影できたからである。
中学時代、高校時代と何度か皆既月食を撮影してきたが、それなりに準備が必要だったのだが、会社から皆既時間の直前にギリギリで帰ってきて、三脚にカメラを取り付けてチャチャッと撮れてしまったのだった。やはり技術は進歩しているのだった。
そこで今回はEOS Rがあるので、後輩Af氏にNewFD500mm F4.5Lを借りて撮影することにした。

今回の皆既月食は南東の空が開けている必要があるので、近所に好都合な場所はないかと考えたところ、深大寺の手前の調布市総合体育館の屋上が候補に挙がった。ここは地上から結構高さがあり、芝生が張られた広場になっている。5月5日の夕方に下見に行ったところ、撮影場所としてはバッチリであることが確認できた。

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前々日の5/23には自宅のバルコニーから月を撮影して、感触をつかんでおいた。三脚は中学生の頃に購入したVelbonのSEF-3という40年物である。やはり500mmを載せると心許ないが、この三脚に五藤光学の赤道儀マークXのベースモデルを載せて、天体写真を撮影してきたものだ。シャッタースピードと感度を調整し、2秒のセルフタイマーを使用すれば何とかなるだろう。

5月26日当日、午後は東京ビックサイトで展示会だったので、いつもより早めに帰宅することができた。昼は雲があったものの比較的晴れていたので、大丈夫かなと思っていたのだが、徐々に雲が空を覆い始めていた。19:30くらいに自転車で調布市総合体育館に到着し屋上に上がったところ、すでに50人以上の人が月食を観るために集まっていた。やはり考えることは皆同じか…。

三脚を立て、レンズとカメラをセットする。最近のレンズは小さいからかもしれないが、自分のレンズが一番デカイ…。都心のビルでピントを合わせ、スタンバイが完了。空を見上げると益々雲が厚くなっているではないか…。月は全く見えない。

スマホでTwitterを見ながら、どこで見えているのか確認したところ、東京はどこも厳しそうだ。屋上に集まっている人数はどんどん増えて、150人以上はいる感じになっている。そうこうしているうちに皆既食が始まった。と言っても何も見えないが…。一瞬でも雲が薄くならないかと一縷の望みをかけるも、20分はアッという間に経過し、皆既食は終わってしまった。皆既食の時間が終わった途端、三脚を立てていた大勢のカメラマンは一斉に片づけを始めた。

若い頃(中学高校の頃)、いろいろなん天文現象を観る際に天気には散々悩まされてきたので、自分もまあ仕方ないかと素直に諦め、片づけを始める。

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帰宅して食事をした後、自宅のバルコニーに出てみると、ぼんやりと月が見える。もう部分食の終了まであと10分くらいで、かなり明るくなっているので、厚い雲を通してぼんやりと姿を現したのだった。この雲の厚さで皆既中の月が見えるはずがない。悔しいので1枚だけボケた月を撮影して、このイベントは不発に終わった…。

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