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ライカM11-P導入

これは、清水の舞台から飛び降りた話である。

自分のライカ歴は、1998年にM3、2008年にM6、2018年にM4をお迎えしている。
2017年にはライカM10が発売になっているので、M4をお迎えした時点では、とっくにデジタル時代になっていたのだが、この時は生まれ年ライカというヤツが欲しくて購入したのだった。

フィルムライカ並みに薄くなったライカM10は非常に魅力的であったが、96万8千円という価格を考えると、とても手が出せる代物ではなかった。

ライカレンズを含むいろいろなレンズをフルサイズデジタルで撮影したいという願望は強くあったので、2020年に型落ちになったEOS Rを購入し、マウントアダプターで撮影を楽しんだ。しかしながらマゼンタかぶりという弱点があり、2022年にはSIGMA fpを購入した。fpはとてもいい画を吐き出してくれるカメラで、ライカレンズでもかなり楽しむことができた。

100万円を超えるカメラを買うということは、普通の常識人からすると、○○○○の所業である。と言っても買おうと思えば買うこともできるのだが、子供たちの学費など、毎年ナン百万円という出費を何年にも渡って継続しなければならないことを考えると、やはり夢のまた夢であった。
SNSで繋がっているカメラ人類の方々が、ことごとくと言うと大袈裟であるが、100万円以上するライカM10系やM11系のカメラを買って、しかも高価なレンズを装着して使っているのが、「なんでみんなそんな高いもの買えるの?」と本当に不思議であった。が、家人は「そういう人ばかり見ているからだよ」と、「まあその通りなのだろう」ということを言うのであった。

しかし時間は経過し、2023年で子供たちの学費の支払いは終了し、2024年はいよいよという気持ちになっていた。また3年前に突然脳梗塞になったことから、人間いつ終わりを迎えるかわからないということを身をもって感じたこともあり、元気で体の動くうちにやりたいことをやる、欲しいものを買うということも人生を充実させるためには必要だと考えた。3月の深大寺のだるま市では、大好きな緑色のだるまを購入し、デジタルM型ライカ購入を祈願して左目を入れた。

購入対象はボディだけで100万円以上するという強敵である。
なので、ライカ認定中古カメラ/ライカアプルーブドカメラを狙おうと考えていた。
ライカ表参道店に認定中古カメラがあるというので、8月に行ってみたところ、M10-Pのシルバーボディが99万円で出ていた。メーカーでチェックをしているので安心であり、2年間の保証も付いているという。
ブラックボディは出ないですか?、と聞いたところ今はM型ライカは大変な人気でほとんど出てこないし、出てもすぐに売れてしまうという。
巷の中古カメラ店には結構でているのに…。まあみんな安心できるものを買いたいというのは一緒なのだろう。

であれば、ライカオンラインストアに出ているRefurbish-Aというアウトレットを買うのがいいのではと思い、毎日のようにサイトをチェックをするようになった。以下がRefurbish-Aの説明である。

【Refurbish-A】リファービッシュA
初期不良品などをライカカスタマーケアで整備した商品です。通常よりお求めやすい価格でご提供いたします。
ライカアカウントへの製品登録特典が原則ご利用いただけます。

すると9月の初めにRefurbish-AのM11-Pブラックが2台、シルバーが1台出ていた。価格は¥1,214,400 (税込)である。M11-Pの新品の価格は¥1,518,000 (税込)であるから30万円くらいは安い。中古カメラ店で販売されているM11-Pの価格は、120万円くらいのものもあるが、こちらは計3年間の保証も付いている。6000万画素というのは自分にとってはオーバースペックであるが、デジタルカメラは電気製品であり、できれば新しいものを買った方がいいと考えた。であればこれを買うしかない、と思ったがとっくに売り切れていた。

その後M11ブラックのRefurbish-Aが2台、116万円くらいで出たが、これもすぐに売り切れた。

そして9/22のお昼にサイトをチェックするとM11-PブラックのRefurbish-Aが1台出ていたので、すぐにカートに入れ、クレジットカードの入力して、先に進むと急にエラー画面となってしまった。どうやらタッチの差で他の人に取られてしまったらしい。
こんな高いものでも、なかなかの争奪戦になっているようだ。大勢の自分のような人間が、虎視眈々と狙っているのである。

9月24日、会社の食堂で昼食を食べながらスマホでライカオンラインストアをチェックすると、何と再びM11-PブラックのRefurbish-Aが1台出ていた。これはと思い、食事そっちのけでカートに入れ、クレジットカードの入力を始めた。昼休みの時間帯だし、今回も誰かに負けてしまうのかと思ったが、無事購入手続きに進めたのだった。

あー、やっちゃった、という気もあったが、それよりも早く送られてこないかという気持ちが強かった。

9月27日の夜、ヤマト運輸でM11-Pは送られてきた。この日は液晶保護ガラスの貼付とバッテリーの充電で終わった。

9月28日、起床するとバッテリーの充電は終わっていた。
設定を行う。

M11-PとM6

M6ブラッククロームと並べてみる。M11-Pはブラックペイントらしいのだが、M6よりブラッククロームに見える。

M11-Pのライカロゴ

これを見た時、最初は刻印ではなく書いてあるのかと思った。しかし注意深く見ると刻印である。深い刻印ではないので書いてあるように見えたのである。
高価な品であるが、やはり古いM型ライカのような圧倒的存在感はない感じだ。形状は似ているが、中身は全く異なるのだから当たり前であるが…。

M4のライカロゴ

こちらは傷だらけであるが、やはりカッコいい。

M3のライカロゴ

70万台のM3の梨地のクロームメッキは、手触りが素晴らしい。写真ではわからないがM4と触り心地が全く異なる。このM3は1955年製。

全部並べてみた

フィルムを使用することがなくなってきたので、少し市場に戻してあげようかと考えている。使ってくれる人のもとに行くのがカメラにとっても幸せであろう。

レンズを付けてみる

ライカのレンズは5本だけ持っているのだが、最も最近のレンズでも10年前にリリースされたズマリット50/2.4である。ライカとしては安価なレンズであるが、それでも安いフルサイズのミラーレスカメラより高かったりする。

50mm1本勝負でテスト撮影に出かけた。そして、「大願」が成就したので、だるまの右目を入れねばなるまい…。

カメラ / レンズ:EOS R / RF35mm F1.8 MACRO IS STM

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