「ド田舎育ちのサッカー少年がJリーガーと対等になれた理由」5.5
軽めの衝撃〜新潟市の彼
2年生になるとサッカー人生を揺るがすとんでもない衝撃を受ける事になるが、今回は1年生時に軽めの衝撃を受けた選手2人を紹介したい
1人はトレセン(選抜チーム)で試合をした新潟市の1個上の選手だ
その日は土砂降りの中土グラウンドでの試合だった、ボールは全然転がらないし視界も悪いしハッキリいってサッカーにならなかった
しかし彼だけは普通にサッカーをしていた
グラウンドの状況を考慮したパスの強さ、スペースに運ぶドリブル、囲まれても奪われないキープ力、彼だけ普通のピッチでプレーしている様な感覚だった。
ボールも転がらないピッチ状況なのに2人がかりでもボールを奪う事が出来なかったのを良く覚えている
「マジでうまい」「ボール取れない」「県トレらしいぞ」
試合後は彼の話題で皆んな夢中だった
そう彼は県のトレセン選手だった
地区トレセン(私)→県トレセン(彼)→地域トレセン→ナショナルトレセン
トレセンはこの様なステップとなっており
彼は私の1つ上県トレセンだった
1つ違うだけでこんなにも違うのかと田舎者の私は突きつけられた。
彼と出会えて1つ基準が上がって更に頑張ろうと思えた
軽めの衝撃〜下越地区の彼
もう1人は同じ下越地区にいた1個上の選手だ
トレセンは月に1、2回練習会がある
彼と出会ったのはその練習会の時である
彼は県トレセンの選手だが
その日たまたま下越トレセンの練習会に参加出来ると言う事でやってきた
もちろん全てうまいしレベルが違うが
特にキックが凄かった
4対4+サーバー(進行方向に待っている人にパスが出来たら1ポイント)の練習
チームでボールを繋ぎながら前進する練習だがなかなか上手くいかずポイントが入らない、しかし彼が入って状況が変わる
彼はものの数分で3ポイント獲得した
チームで獲得したわけではない、彼個人が獲得したポイントだった。
彼はキックが上手く30メートル程度ならピンポイントで蹴る事が出来た、しかも両足で
だからボールを繋いで前進する必要なんてなかった、ボールを受けたその場から少しマークを外してあとはキックする、それだけで面白いようにポイントを獲得した。
キックの音が私達と違った
私達が「ボン」という音だとしたら
彼の音は「ドゴン!!」
ボールへのインパクトが全然違った。
「やっぱり県トレすげーいつかこの人と試合したいなー」と思った
結局彼と試合をするチャンスは無かったが後にチームメイトになり、新潟のトップレベルで一緒にサッカーをする事になるのが私のサッカー人生の面白い所である
小学生時代にコーチが
「お前の良い所は上手い選手を上手いと素直に認める事」と言われたのを覚えている
上手な選手から何かを吸収したいと常に思っていたし、自分を客観視出来ていたのだと思う。
2人の県トレセン選手と出会い
サッカーが上手いとはどう言う事か少し理解出来た
そして自分の立ち位置
レベルもハッキリした
少し世界が広がり
サッカーの面白さも少し広がった
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