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今やるべき英語学習

予備校・塾の開講が延期になって何をすべきか迷っている高校生・高卒生に向けて,今やるべき英語学習についてお伝えします。

1.  大学受験生(高3生・高卒生)は過去問を見てみる

目標に向かって努力をする際,ゴールを知っておくことは大切です。青本や赤本を入手できるのであれば入手し,無理ならば過去問を載せている予備校や塾のサイトからダウンロードし,ざっと目を通してみてください。ここで大切なのは一生懸命解こうとしないことです。文法問題はさっとみて答えが分かるかどうか,長文読解問題は知らない or はっきり分からない単語・熟語がどの程度あるかをチェックしてください。特に後者が大切です。

2. 覚えないといけないものを覚える

英語を学習していく際,理解してから反復練習を通じて定着させるのが効果的なものと,(ほぼ)理屈抜きで覚えないとダメなものをきちんと分けて学習することが重要です。前者は講師や教師の手助けがあった方がよいため,今やるべきことは後者になります。以下にオススメ順で詳述していきます。

2.1. 読んだことがある文章を再度読みながら語彙力を養成する。

高卒生は昨年度の受験勉強で取り組んだ過去問や問題集,高校生で昨年度既に予備校や塾で英語を学んでいた子は昨年度のテキストや問題集,高校生で予備校や塾で英語を学んでいなかった子は学校で読んだ文章(テキストブックでもサイドリーダーでも問題集でもOK) を用いて,下記の手順で単語・熟語を徹底的に覚えていきます。その際,学んだ文法事項や構文ポイントも可能な限り思い出しながら行うとなお良いでしょう。

文章を読みながら単語・熟語を覚える方法の例
知らなかった語彙に蛍光ペン(色1)で,知っているつもりだったけど正確には理解していなかった( = 知っていると思い込んでいた) 語彙に蛍光ペン(色2)で下線を引きます。そこに小さい字で意味を書き込み(数字を書いて別紙に意味を書いてもOK),それらを徹底的に覚えていきましょう。やり方はこうです。 1. 文章を読みながら,語彙の意味が出てくるようになるまで,何度も同じ文章を読みます。 2. 単語・熟語だけに目をやり,文章を読まなくても意味が即座に思い浮かぶようにします。蛍光ペンですが,文字を潰さないようにMILD LINERなど,薄い色のものがオススメです。

参考:新しい長文問題をやる場合
読んだ文章の単語・熟語は既に覚えている,または読んだことのある適した素材がない場合は,新しい長文を読むことになると思います。その場合は最初から辞書を使って構いません。今の時期はまだ語彙力が足りていないと思います。そのような「分からない状態」で英文を読もうとしたり問題を解こうとしたりするのは不毛な作業になってしまいます。 今は「解けること」よりも「読めるようになること」を重視してください。 また,読み終わったらそれでおしまいにせずに,上述のように単語・熟語を覚える素材として利用し,全ての単語・熟語を覚えられるまで同じ素材を繰り返し読み続けます。

「1日1長文」というフレーズをよく耳にしますが,単語・熟語を覚えてもいないのにただ数だけこなしているのが最悪のパターンだという認識はしっかりと持っておいてください。毎日新しい素材を1つ読んだとしても,それに加えて既読のものも語彙力養成のために読み直すことを忘れないようにしましょう。

2.2. 単語帳・熟語帳はなるべく短めの時間設定で取り組む

単語帳・熟語帳を使って覚えていける子は,それらに取り組むのもよいでしょう。単語・熟語を覚える最適な手段は何か,については教育者の間でも意見が一致しませんが,私は各学習者が覚えやすい方法で覚えていけばよいと思っています。アナロジーとして適切かは正直微妙ですが,ものすごく大雑把に言うと,文章を読み書きしながら英語を身につけていくのは,スポーツで言うと実際にゲームをしながら能力を伸ばしていくのに相当します。それに対し,単語帳・熟語帳で言葉を覚えていくのは筋トレに相当すると言えるでしょう。音楽ならば,前者が楽曲演奏で,後者がスケール練習です。よって,単語帳・熟語帳に取り組む場合は,それを英語学習の中心に置くのでなく,割く時間を短めに設定し,その中で可能なペースで覚えていくのがよいでしょう。以下に取り組み方の例を紹介します。

単語帳・熟語帳の取り組み方の例

1. 週単位で覚える範囲 (例えば50語) を設定します。

2. 1回目は1度に多めの数を扱い,とにかく通読します。できれば1日で50語全部を読むのがよいです。この際,単語やフレーズをCDを聞きながら声に出して読んだり,その場で覚えようとすることは良いことですが,各単語で止まってそれぞれに時間を割くことは避けるようにしましょう。1回目はとりあえず最後まで読み通すことが大切です。結果的に覚えられた数が半分でもそれ未満でも構いません。

3.なるべくはやいうちに2回目,3回目に取り組みます。フレーズ,または例文の重要な部分をしっかりと覚えることが最重要です。英語を見て日本語で意味が言えるだけでなく,日本語を見て英語のフレーズが言える+書けるようになることが大切です。したがって,日本語のところに英単語最初の1文字を書いておくとよいでしょう。2回目は少し数を減らして1つ1つの単語に時間をかけて覚えようとします。この際,音声を聴いたり,単語を書いたりすると有効です。3回目はまた少し扱う数を増やします。この際,覚えられたものと覚えられていないものを印をつけて分けていきましょう ( 4回で仕上げる例で書いていますが,ステップ3. の回数は増やしても構いません)。

4.4回目はさっと通読し,これで覚えられていないものはチェックをつけて,時折それらだけをやり直すようにします。

2.3. 文法問題集は文法以外のセクションから始める 

文法は 2. の冒頭で書いた「理解してから反復練習を通じて定着させるのが効果的なもの」に相当します。これは講師・教師と共に「習って慣れろ」の手順で学んだほうがよいので,まだ取り組み始めないことをオススメします。もちろん,(たとえば横浜で私の高2スーパー英語を履修していた学生のように) 既に習って理解をしているのであれば取り組み始めてもよいです。

また,非常に多くの学生が持っているタイプの問題集には「文法」以外に「語法」「イディオム」「語彙」というセクションがあります。取り組むのであれば,これらのセクションから始めるのがよいでしょう。個人的には「イディオム」→「形容詞・副詞の語法」→「名詞・代名詞の語法」で進めることをオススメします。

3. まとめ

・今はともかく覚えないといけないことを覚える
既読の長文を再読することを通じて単語・熟語を覚える
・単語帳・熟語帳に取り組むなら短めの時間設定で
・文法問題集に取り組むなら「イディオム」「語法」のセクションを

少しでもお役に立てば幸いです。教室で会えるときを楽しみにしています。Stay home, and stay safe! 



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