【日本13位】”鉢巻守る”グラ―ドン+パルキアヌケニン 前編【全国出場】
戦績
INC February
TNそら 30勝5敗 最終レート1833
全体順位14位 日本順位13位
1日目 不参加
2日目 22勝4敗 1500→1743
〇〇〇〇〇〇×〇〇〇〇〇×〇〇×〇〇〇〇×〇〇〇〇〇
3日目 8勝1敗 1743→1833
×〇〇〇〇〇〇〇〇
対戦履歴も公開しています。
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使用構築
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〇グラードン@拘り鉢巻
断崖の剣 / 地震 / 岩雪崩 / 守る
実数値:201-221-160-*-110-118
努力値:意地っ張り H204,A244,S60
〇パルキア@ミズZ
ハイドロポンプ / 火炎放射 / 10万ボルト / 守る
実数値:175-*-120-193-140-167
努力値:臆病 H76,C180,S252
〇カプ・コケコ@王者の印
放電 / ボルトチェンジ / 挑発 / 守る
実数値:149-*-106-145-112-180
努力値:臆病 H28,B4,C236,D132,S108
〇ランドロス@拘りスカーフ
大地の力 / 岩雪崩 / 叩き落とす / 草結び
実数値:167-187-99-146-114-134
努力値:寂しがり H20,A36,C164,D108,S180
(寂しがりはA上昇B下降)
〇ウルガモス@ホノオZ
オーバーヒート / 追い風 / 吹き飛ばし / 守る
実数値:161-*-85-187-125-167
努力値:臆病 H4,C252,S252
〇ヌケニン@気合の襷
シャドークロー / 影撃ち / めざめるパワー炎 / 守る
実数値:1-142-*-90-*-61
努力値:おっとり A252,C252,S4
(おっとりはC上昇D下降)
はじめに
この記事は前偏と後編に分かれており、この前編ではパーティと構築経緯について、後編では前半をまとめた個別解説と基本選出についての内容となっています。
それぞれ10000文字近い文量ですが、添削をしてもらったり画像を駆使したりと自分の考えをよりわかりやすく述べることに努めたので、ぜひ最後まで目を通していただけたら嬉しいです。
パーティについて
このパーティは「王者の印」「放電」「岩雪崩」などで相手に不利な運を押し付け、最終的にはヌケニンで相手を詰めることを狙ったパーティです。
しかし、ただ運勝ちを狙うだけのパーティではありません。
・カイオーガに対しては、パルキア+グラードン+ヌケニンが強い
・グラードンに対してはランドロス+ウルガモス+(鉢巻)グラードンが強い
このように、カイオーガとグラードンに対して有利なポケモンを複数採用することで環境に多く存在するパーティに対して安定して戦えるようになっています。
さらに、ゼルネアスに対しても「挑発」「吹き飛ばし」「叩き落とす」といった要素をパーティ内に組み込むことで、ジオコントロールを簡単に積ませない、積んでも攻撃させないパーティを目指しました。
いざ、実際に使用してみると想像以上に個々のスペックが高く、追加効果がなくとも多くのパーティと戦うことができるパワーを感じました。加えて、「麻痺」「怯み」といった運要素を相手に押し付けられるため、拮抗するはずだった試合がそれらの運要素によって楽に勝ててしまう…などのケースも多々ありました。
インターネット大会という特性上、「安定して1700後半まで乗せることができるパーティ構築力やプレイング力」+「1700後半から(上振れを引いてでも)勝ちきる力」が揃っていればボーダーには乗れるだろうと睨んでいました。後者に関しては実力が拮抗した相手と戦うことになるため、勝ち切ることができるパーティやプレイング、運が求められます。しかしながら、自分自身GSというルールに苦手意識があり、WCSレートで対戦してみても勝ちきることができるプレイングを持ち合わせていないように感じました。であれば、環境トップのパーティを使いプレイングで差をつけることで勝ちきるのではなく、環境トップのパーティに対してメタ性能があり、運にも頼ることができるパーティを選ぶことでINCのボーダーを超えることを目指しました。
パーティスペックが十分にあり、運勝ちもできるため、プレイングに自信のない自分でもボーダー付近まで引き上げてくれる素晴らしいパーティであったと感じています。
構築経緯と想定した立ち回り
構築経緯ですが、環境パーティに勝てるように基本選出や立ち回りを踏まえたうえで、どのポケモンを採用したか、どの技・持ち物を採用したか考えていきました。そのため、選出や立ち回りについて触れている部分も多く、かなり長い文章になっていますがどうかご容赦ください。
1.環境パーティのメタ
INCでのパーティ選択を考えるにあたって、以下のパーティに不利になるパーティを組まないことを意識しました。
①グラゼルネ
伝説枠:グラードン+ゼルネアス
一般枠:ガオガエン、カプ・コケコ、ウルガモス、モロバレル、フシギバナ、ファイアロー、ランドロスなど
②オーガゼルネ(しょうもな系統)
伝説枠:カイオーガ+ゼルネアス
一般枠:トルネロス、ガオガエン、モロバレル、カミツルギ、アマージョなど
③カイオーガ+S操作系伝説
伝説枠:カイオーガ+ルナアーラ、カイオーガ+ディアルガ、カイオーガ+日食ネクロズマなど
④ルナゼルネドー
伝説枠:ゼルネアス+ルナアーラ
一般枠:ドーブル、ガオガエン、ドクロッグ、モロバレル、ツンデツンデ、アマージョなど
これらはサンルールや海外の大会で結果を残してきたパーティであり、1700後半からの対戦で絶対にマッチングするであろうパーティであると考えていました。
INC3日前までは上記のパーティに不利にならないディアルガ+カイオーガ+クロバット(ディアオーガクロバ)を考えていたのですが、プレイングの甘さから負けてしまうことが何回かあり、これで本当に抜けられるのか一抹の不安がありました。
また、ディアオーガクロバでグラードン+パルキア+ヌケニン+カプ・コケコ(*グラパルヌケニン)に2回ほど完封され、この並びのスペックの高さ、相性補完の良さ、運を押し付けられる強さを身をもって体感しました。ムーンルールが始まってからさまざまなパーティを触ってきましたが、最後にこれを試す価値があるのではないかと感じ、チームメイトであるスボミーさんに相談し、
とのことだったので、スボミーさんを信じて考察を開始していきます。この時点でINCまで時間がなく、考察をした結果環境に多く存在するパーティに勝てると結論付けられるのであれば、ディアオーガクロバを辞めてグラパルヌケニンを用いると決意しました。(INC2日前)
*このグラパルヌケニンという並びはアカバ(@akiakaba )さんが11月のINCで使用したパーティがおおもとになっています。自分がINCで結果を残すことができたのはアカバさんの閃きがあったからこそです。掲載許可も快く受け入れてくださり、本当にありがとうございました!
グラパルヌケニン Ver1.0
この4匹から構築を始めていきます。
2.vsグラゼルネへの考察
この四枠では①のグラゼルネに勝てないため、残りの枠に霊獣ランドロスと「吹き飛ばし」ウルガモスを採用することを決定。ランドロスには「拘りスカーフ」を持たせることでカプ・コケコを、ウルガモスには「ホノオZ」を持たせることでグラードンを先制して1発で倒し切ることを目指します「威嚇」を被弾してもカプ・コケコを倒したいためランドロスには「大地の力」、慎重グラードンまで晴れ下「ダイナミックフルフレイム」で倒したいためウルガモスには「オーバーヒート」の採用になりました。
また、主にゼルネアスの「パワフルハーブ」とフシギバナの「命の珠」+「めざめるパワー岩」を意識しランドロスに「叩き落とす」を採用しました。前者に関しては言わずもがな、後者に関しては、持ち物なしであれば「めざめるパワー岩」をウルガモスが耐えるようになります。他にもランドロスにグラードンへのダメージソースとして「草結び」、ウルガモスを削るためや運を押し付ける「岩雪崩」を採用。また、ウルガモスミラーが起きた場合に「追い風」を貼り合う必要があるため、ウルガモスに「追い風」を採用しました。
グラゼルネに対する選出としては、先発ではガオガエン+ゼルネアスの初手を考えてランドロスとウルガモス、後発には地面技が一貫しているためグラードンは確定。
残り一匹についてですが、相手がモロバレル+ゼルネアスから入ってきたとき、モロバレルが「怒りの粉」を使うとゼルネアスの「ジオコントロール」が通ってしまうという問題を解決するためにヌケニンを選択。
vsゼルネアス+モロバレル 試合開始時
試合の流れとしては、まずウルガモスはモロバレル方向に「ダイナミックフルフレイム」、ランドロスは「岩雪崩」を選択します。「岩雪崩」でゼルネアスが怯まない限り「ジオコントロール」が決められてしまいますが、それに対抗するためにウルガモスで「吹き飛ばし」を決めることを狙っていきます。
モロバレルを処理し相手のゼルネアスに積まれるシーン
2ターン目技選択時
モロバレルを倒した後、基本的にはそこにガオガエンが繰り出されます。(「岩雪崩」を持ったグラードンを繰り出されることが裏目です)
こちらはランドロスをヌケニンに引き、ウルガモスは「守る」を選択。
「守る」と交代で攻撃をいなした後の3ターン目技選択時
そして相手に「サイドチェンジ」を考慮させながらヌケニンをランドロスに引くことで、相手の選択がウルガモス方向に「ムーンフォース」「フレアドライブ」集中以外であればゼルネアスを「吹き飛ばし」で無理やり交代させることができます。
ウルガモス方向に集中されず「吹き飛ばし」が決まったシーン
このように、ゼルネアス+モロバレルと選出されたときに、「サイドチェンジを考慮させる」「フェアリー技を受けることができる」「ガオガエンのランドロス向き蜻蛉帰りを許さない」といった理由からヌケニンを後発に選出します。
もちろん、初ターンにモロバレルをガオガエンに交代されるケースもありますが、ゼルネアスに「吹き飛ばし」を当てればよいため同様の行動を選択します。
この選出であれば初手モロバレル+ゼルネアスから繰り出してくるグラゼルネとも戦うことができると判断し、グラパルヌケニン Ver2.0が完成しました。
グラパルヌケニン Ver2.0
霊獣ランドロスとウルガモスを採用したことでグラゼルネに対応できるようになりました。
3.vsカイオーガ+「トリックルーム」、ルナゼルネドーの考察
①のグラゼルネにはある程度対応できるようになったため、他のパーティへのアプローチを考えていきます。④のルナゼルネドーの初手ドーブル+ゼルネアスに対応するため、カプ・コケコに「挑発」を採用しました。初手でカプ・コケコとウルガモスを繰り出し、積まれていないなら「挑発」、積まれたなら「吹き飛ばし」を選ぶプランを取れる形に決定(下図)。しかしながらこれは択であり裏目も存在します。
vsゼルネアス+ドーブル 試合開始時
さらにこの挑発は、③のネクロオーガやディアオーガに初手でカプ・コケコ+グラードンと選出することで、初手ガオガエン+日食ネクロズマやガオガエン+ディアルガに対し、「断崖の剣」を被弾するか、「トリックルーム」を失敗させられるかの択がけを行うことができるようになります。(下図)
vsディアルガ+ガオガエン 試合開始時
そして、このケースにおいて相手が「断崖の剣」を被弾する択を取ったときや、他にもグラードンの火力を「威嚇」で削ごうとガオガエンを後投げされるときに、ガオガエンを一発で倒すことができるとヌケニンで詰めやすくなるため、201-101(H244,B4)ガオガエンまで「威嚇」込み「断崖の剣」で確定一発になる「拘り鉢巻」をグラードンに採用。
グラパルヌケニン Ver3.0
カプ・コケコに「挑発」を採用し、グラードンに「拘り鉢巻」を持たせ、トリル系統やルナゼルネドーに対応できる形に。
4.「拘り鉢巻」グラードンに「守る」の採用
ここまでである程度、仮想敵に対する技構成や選出を煮詰められてきたのですが、この形のままであると「追い風」を採用しているルナオーガ+カプ・テテフ(ルナオーガテテフ)に対して不利になってしまうことに気づきました。こちらはグラードンとカプ・コケコを先発に出したいのですが、相手に先発でルナアーラとカプ・テテフを出されてしまうと、グラードン向きの「ムーンライトブラスター」が受かりません。
vsカプ・テテフ+ルナアーラ 試合開始時
グラパルヌケニンの多くは耐久にあまり割いていない「拘り鉢巻」グラードンであるため、相手視点だとグラードン向きの「ムーンライトブラスター」が安定択のひとつとなっています。さらにカプ・テテフが「拘りスカーフ」以外の持ち物であった場合だとサイコフィールド状態で試合が始まることになり、カプ・コケコを一度下げてフィールドを書き換えない限りヌケニンの「影打ち」を防がれてしまいます。
つまり、ルナオーガテテフと渡り合うためには、
・グラードン向きの「ムーンライトブラスター」を一度いなす必要がある。
・カプ・コケコを手持ちに戻しフィールドを書き換えられる状態にする必要がある。
という課題を解決しなければなりません。
ここで、解決策として考え出されたのが、「拘り鉢巻」持ちのグラードンに「守る」を採用することです。
その理由について、ルナアーラ+カプ・テテフ(拘りスカーフではない)の先発に対する動きについてですが、まず、グラードンは「守る」を選択し、カプ・コケコはルナアーラ方向に「ボルトチェンジ」を打つことで「ファントムガード」を削りながらヌケニンに交代します。
(ここでの裏目はルナアーラがカプ・コケコ方向に「シャドーレイ」、もしくはルナアーラが「守る」を選択することです)
ここでルナアーラがグラードン方向に「ムーンライトブラスター」を打ってきた場合、「守る」でダメージを1/4に軽減することができ、さらにヌケニンの「気合の襷」はまだ発動していないため、ルナアーラとカプ・テテフの前で一度自由に動くことができる権利が生まれます。
「守る」で「ムーンライトブラスター」をいなすグラードン
つまりグラードンで「ムーンライトブラスター」を「守る」ことで、相手にZ技を使う権利を消費させ、かつヌケニンが「ファントムガード」を失ったルナアーラを倒すことができる盤面を作りあげることができます。(下図)
ヌケニンがルナアーラを倒すことができる2ターン目技選択時
また、ルナアーラが「おいかぜ」を選択しグラードンの「守る」が空打ちになってしまった場合でも、グラードンをカプ・コケコに交代させながらヌケニンの「シャドークロー」でルナアーラを倒すことで、ルナアーラとカプ・コケコの1:1交換が可能になります。
このように「拘り鉢巻」を持ったグラードンに「守る」を採用することでルナオーガテテフにも対抗することができるため、「拘り鉢巻」グラードンに「守る」を採用する決断に踏み切りました。
また、ルナオーガはルナアーラに「トリックルーム」を採用しているパーティも多く存在しますが、そのようなパーティは相手にツンデツンデやカプ・レヒレが採用していたり、ガオガエン+ルナアーラもしくはモロバレル+ルナアーラなどの先発の出され方をしたりと、選出段階~1ターン目の間に判断できる場合が多く、最遅ルナアーラより遅いヌケニンや天候を書き換えることができるグラードン、「挑発」を持ったカプ・コケコ、カイオーガの水技を受けるとこができるパルキア…といった形でトリックルームの展開には(ターン稼ぎをできることを含めて)有利であるため、それに対して技や配分をカスタマイズするなどの考察は必要ないだろうと判断しました。
グラパルヌケニン Ver4.0
ルナテテフを意識しグラードンに「守る」、カプ・コケコに「ボルトチェンジ」、ヌケニンに「シャドークロー」を採用。
5.vsオーガゼルネ(しょうもな6)の考察
①のグラゼルネ、③のカイオーガ∔S操作系伝説、④のルナゼルネドーには戦うことができると判断し、最後の課題として挙がったのがオーガゼルネに対する戦い方です。前提として、ゼルネオーガの強みはカスタマイズ性の高さと対応力の高さだと考えているため、全ての選出・立ち回りに対応するのは不可能であると割り切りました。その中で、最も勝率が高くなるであろう立ち回りを考え、INCで用いることに決定しました。
主に考えなければならない相手の選出は、先発にゼルネアス+ガオガエンを投げてゼルネアスで積むことにより、ヌケニン以外のポケモンをすべて倒すプランの選出と、先発に「拘りスカーフ」カイオーガ+トルネロスを投げて「潮吹き」と「雨乞い」でグラードンを裏投げすることを許さず、ダメージレースで勝利を狙うプランの選出です。
なお、前者は後発にカミツルギとカイオーガ、後者は相手の後発にガオガエンとゼルネアスがいることを想定しています。
まず、初めに考えたのが先発にグラードン+カプ・コケコを投げ、後発にパルキアとヌケニンを控えるという選出です。これをA選出とします。
(A-1)相手の先発がゼルネアス+ガオガエンの場合
vsガオガエン+ゼルネアス 試合開始時
もし相手が、先発にゼルネアス+ガオガエンを投げた場合は、「断崖の剣」とゼルネアス向きに「挑発」を選び、ガオガエンを失うか「ジオコントロール」を不発させるかの択掛けを行うことができます。そして裏に控えているであろうカミツルギを晴れ下「めざめるパワー炎」と「影打ち」で倒し、カイオーガとゼルネアスをヌケニンで詰めるプランです。主な負け筋は以下の3点です。
[主な負け筋]
・初ターンに、グラードン向きに「猫騙し」「ムーンフォース」を選択している。(電気Z無警戒の動き)
・「断崖の剣」をガオガエンに外す。
・相手の後発がカミツルギとカイオーガではない。(イカサマを持ったモロバレルなど)
なお、この負け筋についてですが、たとえそれをされていたとしても「王者の印」カプ・コケコの「放電」の追加効果によって勝ててしまうケースが存在します。
(A-2)相手の選出が「拘りスカーフ」カイオーガ+トルネロスの場合
vsトルネロス+カイオーガ 試合開始時
この場合は、初手に「潮吹き」+「雨乞い」と選択させる前提の決め打ちをします。
1ターン目は、カプ・コケコは「守る」、グラードンはパルキアに交代。
基本的にトルネロスは「雨乞い」を選択
2ターン目技選択時
2ターン目はカプ・コケコをヌケニンに交代、パルキアはトルネロスの「ファイナルダイブクラッシュ」警戒の「守る」。
3ターン目技選択時
3ターン目は、ヌケニンは「守る」もしくはグラードンに交代、パルキアはヌケニンが「守る」を選ぶ場合はトルネロスに、グラードンに交代する場合はカイオーガにそれぞれ「10万ボルト」を選択します。ヌケニンの選択によって「10万ボルト」の方向が変わる理由についてですが、ヌケニンが場に居続けるケースは、トルネロスが「気合の襷」でパルキアの「10万ボルト」を耐えた際に「影打ち」で倒し切るため、ヌケニンがグラードンに引くケースは次のカイオーガの「潮吹き」のダメージを減らして、4ターン目にグラードンのところに「カプ・コケコ」を置く選択をできるようにするためです。
この行動の主な負け筋は以下の3点です。
[主な負け筋]
・1ターン目にトルネロスがグラードン方向に「ファイナルダイブクラッシュ」もしくは「暴風」
・2ターン目にトルネロスがパルキア方向に「ファイナルダイブクラッシュ」かつ3ターン目に「暴風」をパルキアに命中。
・3ターン目にトルネロスがパルキア方向に「ファイナルダイブクラッシュ」
また、チームメイトから先発にカプ・コケコ+パルキアを投げ、後発にグラードンとヌケニンを控える選出を提案されました。この選出をB選出とします。
(B-1)相手の先発がゼルネアス+ガオガエンの場合
vsガオガエン+ゼルネアス 試合開始時
この場合は、カプ・コケコは「挑発」、パルキアは「スーパーアクアトルネード」をそれぞれゼルネアス方向に選択をします。カプ・コケコ方向に「猫騙し」を打たれた場合は、「スーパーアクアトルネード」によりゼルネアスをヌケニンの「影打ち」圏内まで削ることができ、パルキア方向に「猫騙し」を打たれた場合は、最悪のケースである「ジオコントロール」を積まれゼルネアスに壊滅させられるというケースを防ぐことができます。たとえ、カプ・コケコの「挑発」を読まれてパルキアを「ムーンフォース」で倒されたとしても、グラードンをパルキアのところに繰り出すことで「放電」と「断崖の剣」を打つ盤面を作り上げることができます(下図)。
「挑発」を読まれパルキアを失った後の2ターン目
このときに、ゼルネアスがグラードン方向に「ムーンフォース」、ガオガエンをカミツルギに交代してくると、グラパルヌケニン側が苦しくなります。「放電」と「断崖の剣」でゼルネアスとカミツルギを同時に倒すことができるのですが、倒した後にカイオーガとガオガエンが繰り出されてしまい、「拘りスカーフ」カイオーガの「潮吹き」によって、カプ・コケコとグラードンが縛られてしまいます(下図)。
「拘りスカーフ」持ちカイオーガに天候を書き換えられ両縛りになるシーン
その展開になった時は、グラードンをヌケニンに交代させ(フレアドライブやバークアウトが飛んできたら負けです)、「シャドークロー」と「影打ち」でカイオーガの「潮吹き」の威力を削ぐプランを狙います。「ムーンフォース」「シャドークロー」「影打ち」の乱数次第ではグラードンが「潮吹き」を耐えることができるので、最後に「地震」を打ち確実にカイオーガとガオガエンを倒します。
[主な負け筋]
・必要なタイミングでの断崖の剣外し
・相手の「イカサマ」持ちモロバレルの選出
(B-2)相手の選出が「拘りスカーフ」カイオーガ+トルネロスの場合
vsトルネロス+カイオーガ 試合開始時
この場合は、パルキアがいる状態で「雨乞い」+「潮吹き」はないだろうと相手を信頼して、パルキアをグラードンに交代しながら、カプ・コケコで「放電」を選択します。その動きが成立した場合は、交代や「守る」や「挑発」駆使して「追い風」下でゼルネアスを無償で着地されないように気を付けながら立ち回り、ガオガエンとトルネロスを倒してヌケニンで詰めます。
[主な負け筋]
・初手の「雨乞い」+「潮吹き」。
・試合の中でゼルネアスに「ジオコントロール」を積まれること。
・パルキアとグラードンを失い、ガオガエンを倒すポケモンがいなくなること。
このA選出とB選出を比較したところ、A選出は「断崖の剣」の依存度が高い(=「断崖の剣」を外して負けという試合が頻発しやすい)ということからB選出で戦っていくことを決意しました。また、初手ゼルネアス+モロバレルの選出は「イカサマ」持ちモロバレルでないとヌケニンを倒す手段が少なく成立しないだろうと考え、PGLでの「イカサマ」持ちモロバレルは20%弱であり、且つ選出される可能性はさらに低くなると考え、そのケースは切り捨てることに決定しました。
そして、最終的に纏まったパーティは以下になります。
グラパルヌケニン ver5.0 (完成)
グラードンの技とパルキアの技、持ち物をゼルネオーガに対応できる形にして完成!(INC1日目深夜)
この形であれば、環境に存在するパーティに一方的に敗れることはないと判断しました。また、運要素を極力排除して脳内シミュレーションを行っていたため、実際にはもっと楽に勝てるだろうと考え、グラパルヌケニンを使用することに決定しました。
後編ではこの考察をもとにした個別解説と基本選出のまとめについて記載します。
ここまで読んでいただきありがとうございました!