寒い

雪も風も私を強く殴る、そんな日。私の左耳は、手の温かさを感じられない程感覚を失い、私が歩いている道の脇に生い茂る林たちは、自由になれない首輪に繋がれた暴犬のようだった。私のスクールバッグにつけていた、お姉ちゃんに貰った白いアルパカのマスコットは、いつの間にか消えてしまっていた。もう、私の元には戻っては来なかった。

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