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【読書ノート】 777 by 伊坂幸太郎

久しぶりに伊坂幸太郎、読みました。やっぱり面白い。「777」はトリプルセブンと読みます。こちらは2024年版「このミステリーがすごい!」国内編の15位に輝いた作品です。

以前、伊坂幸太郎の本を片っ端から読んでいた時期がありました。数少ない読書仲間である我が妹におすすめされたのがきっかけ。
「ねえねえ、伊坂幸太郎(の本)、めっちゃおもしろいよ。読んでみて」
勧められるままに読み、「伊坂さん、いいね〜 」「面白いね〜」と妹と言い合っていたのでした。

でもよくよく考えたら、それってもう10年位前のことかも!光陰矢の如し。

今回の本「777(トリプルセブン)」は、実は2010年に発刊された「マリアビートル」の続編。殺し屋が主人公で舞台は東北新幹線の車中と言ってもピンとこないかもしれませんが、2022年にブラッド・ピット主演でハリウッド映画化された作品、と言えば結構たくさんの方が「あれか!」と分かるのでは。

今回、失敗した〜‼️と思ったことがあり、忘れないように書いておこうと思います。続編の場合は、読む前に前作をもう一度読み、おさらいをしておくこと。これをするとしないとでは、大違い。
「777」だけを読んでも楽しめますが、より楽しむためには前作を読んでから続編を読むこと。次は忘れないようにしよっと。

「777」の内容は簡単に言うと、とあるホテルで起こる殺し屋たちの戦い。たくさんの殺し屋がいて(コンビ、ソロ、6人グループなど様々)、それぞれが違う媒体から指令をおび、あるホテルに集結。主人公の七尾は能力の高い殺し屋ながら、あらゆる不運を呼び寄せる、自他共に認めるツキに見放された男。
そして本作の重要人物は、見たこと聞いたことは何でも覚えてしまい一切忘れることが出来ないという自身の特殊能力に人生ずっと悩まされ続けてきた紙野結花(かみのゆか)。紙野ちゃんを狙うヤツ、助けるヤツが入り乱れ、ホテルの5階、10階、20階、宴会場などを縦横無尽に駆け巡る。そこに全く関係のない七尾が巻き込まれてしまい….というストーリーです。

井坂幸太郎のキャラ作りは独特で、まずキャラの名前にそれが表れています。裏世界で働く者たちには皆コードネームがあります。天道虫、マクラ、モウフ、コーラ、ソーダ、ココ、アスカ、ナラ、カマクラ、ヘイアン、センゴク、エドなどが今回登場する殺し屋や裏世界の仕事人です。

最初名前を覚えるまで少しかかるのですが、覚えちゃうと、ふぅっと伊坂ワールドに入っていく感じです。

この本は、ブッククラブで読んだり、誰かと感想を言い合ったら楽しいだろうなと思います。

「マクラとモウフはいい子たちだよね」とか「天道虫とソーダは顔見知りだから良かったけど、天道虫とコーラがお互いを知らなかったのは残念だったね。顔見知りだったら、アレは起こらなかったのにね」とか「カマクラとかセンゴクってむかつくね」などなど、周りで聞いている人はなんのこと言ってるのかサッパリわからない会話になるのかな、と思うと笑ってしまいます。

個人的には天道虫とココが好きかな。

話の舞台となるのは、ウィントンパレスという架空の高級ホテル。著者曰く、東京が舞台とのこと。
でも私は仙台のウェススティンホテルを思い浮かべながら本を読んでいました。

伊坂幸太郎は千葉出身ですが、仙台にある東北大学に通っていたので、仙台に思い入れがあるようで、彼の本ではしばしば仙台が舞台になったものがあります。だから、あとがきに「777の舞台は東京の架空のホテル」と記されているのを見るまでは、仙台が舞台だと思い込んでました。

もし著者が仙台をイメージしたとしても、たっくさんの殺人が行われる物語の舞台になるのはどこのホテルも困るので、だから敢えて舞台を東京ということにしたのかな。東京だったら高級ホテルも地方よりたくさん数があるので、「架空の」といえば架空のままで成り立つだろうし。

でも私のなかでは仙台のウェスティンと刷り込まれてしまったので(笑)、ウェスティン仙台、いつか泊まってみたいと密かに考えています。

余談ですが、何故ウェスティン仙台にこだわるかというと個人的な理由が二つあって、まず一つ目は以前仕事でウェスティン仙台の宿泊担当の方とお会いしたりメールや電話でのやりとりが色々あったこと。会社の偉い人が仙台に出張に行く時に、ウェスティン仙台の予約の手配をしたことが何回かありました。

二つ目の理由は、今月7月の初頭に仙台旅行をしたのですが、街歩きとして街をぷらぷら歩いていたらウェスティン仙台に偶然ぶちあたり、「お〜、ウェスティン仙台だ〜!!ここにあるのね〜」と感動の出会い(?)をしたばかりだったので。

殺し屋がたくさん登場する物騒な話ですが、伊坂ワールドの不思議な魔法にかかり、くすっと笑ってしまうこと間違いなしの物語です。

好き嫌い、合う合わないがあると思うので、全員におすすめというわけではないですが、興味を持った人は是非手に取ってみて下さい。

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