芹を摘む
春です。
桜は咲いたし、昼間は暑いくらいだし。
野菜も雑草もぐんぐん成長してます。
個人的にはこの時期から出てくる山菜を楽しみにしてるのですが、まず第一段として、芹(セリ)。
天ぷらにして蕎麦と食べるのが大好きなんですが、スーパーではあまり見ませんね。
はい。だから採ってくるんです。畑の水路に繁っている芹を。
芹を採る?芹を摘む?
まぁどちらでもいいんですが、この"芹を摘む"。実はこれ、昔は別の意味が込められていたそうです。
それがおもしろかったので今回紹介しようと思います。
その別の意味とは、
「恋慕っても無駄、思い通りにいかないこと。」
なに、そんな悲しい意味。。?なにがあった??
と私も思いました。
その昔、ある宮廷にお姫様とそこに仕える身分の低い男がいました。
男が庭仕事をしている時、風が吹いて御殿の御簾(中を隠すカーテンのような役割のもの)をふわっと吹き上げました。
すると、その奥にいたお姫様の姿が見えました。お姫様は芹を召し上がっているところでした。
男はその美しいお姫さまを目にした瞬間から心を奪われてしまいます。
何とかもう一度この目で見たいと、芹を摘んできては毎日御殿の御簾のそばに置きました。
しかしその望みが叶うことはなく、恋焦がれてやがて死んでしまいました。
お姫様への強い想いから男は生前、自分が死んだら芹を摘んで供養して欲しいと言い遺したそうです。
このような故事がある事から、芹を摘むというのは、「思いが通じない」、「思いどおりにならない」、「叶わぬ思い」そんな意味がつくようになったそうです。
歌にもこんな歌が残っています。
「芹摘みし昔の人も我がごとや心に物はかなはざりけむ」
ー芹を摘んだという昔の人も、私のように嘆いていたのでしょうか。ほんとに、世の中というものは思いどおりにならないものですねー
芹を摘むにこんな深い話があったなんて。。
これからただ芹を摘むにもなんだかしんみりとこの話を思い出しそうです。。
でも私はこれからも芹を摘みますよ。食べたいんで。
(※採るときはドクゼリと間違えないように注意しましょうね)
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