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観劇日記

ノリコは、成仏できずに自宅に留まってしまっている詩人茨木のり子さんの「気がかり」である。そのノリコは肝心な「気がかり」を忘れてしまっている。自分が死んだことも忘れている。テンコ、きいこと管理人の保っちゃんはノリコが「気がかり」を思い出すのを助けようとしている。しかし、ノリコは思い出せないまま同じ毎日を繰り返していた。

ノリコさんを思うみんなが温かかった。
茨木さんが夫を亡くし気丈に振る舞っていることに気づいた友人洋子さんが本音を吐き出させるシーン、ノリコとずっと見守り続けていたあの人のシーンに涙がこぼれた。どちらも蜜柑の花が印象的だった。

舞台ではいくつか茨木さんの詩が朗唱されていた。
スタッフの方が、会場入口に置かれた茨木さんに関する本を読んでくださいと勧めていた。ざっといくつか読んだだけだけど、舞台で使われていない「落ちこぼれ」と言う詩は戻って二回読んだ。