見出し画像

#18 コミュニティ・スクールがなぜ進まないか?

コミュニティ・スクールという仕組みがある。
学校運営協議会」という会議体を設置している学校のことだ

この仕組みができたのは2007年で文部科学省は2017年度より「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の法改正までして学校運営協議会の設置を努力義務化したが、多くの自治体では導入に二の足を踏んでいる。

2022年5月1日時点で全国の公立学校におけるコミュニティ・スクールの数 は11,856校、導入率は42.9%・・・まだ半分以下だ。

どうしてなのだろう・・・・。
「地域と共にある学校」「開かれた学校」といえば誰も反対しないが、いざこの仕組みを導入しようとすれば、躊躇する学校は少なくない。

ではその「学校運営協議会」にどのような問題があるのだろうか
学校運営協議会の機能は下の3つとされている

  1. 校長が作成する学校運営の基本方針を承認する

  2. 学校運営に関する意見を教育委員会又は校長に述べることができる

  3. 教職員の任用に関して、教育委員会規則に定める事項について、教育委員会に意見を述べることができる

詳しくはこちらをどうぞ↓

1については有名無実の項目だ。大体学校の基本方針など、ほとんどが抽象的な美辞麗句を並べて書かれているので、これが会議で非承認などと言う聞いたことはない。

2についても、もともと学校評議員という仕組みや学校関係者評価という仕組みがあり、これらと大差はない。

問題は3だが、実はこれも何の問題もない。この項目は教育委員会の規定で外しておくことができるし、たとえ置いておいたとしても意見を述べるだけで教育委員会はそれを聞かなければならないという訳ではない。

実際私も委員をしたことがあるし、学校運営協議会を設置している学校に何か問題があったかと聞いてみると、ほとんど問題らしい問題は生じていない。様々な調査を見てもそうだ。多少の手間がかがったり形骸化することは多々あるだろうが、問題と行ってもその程度だ。

もちろん導入したからと行って学校と地域の連携に劇的な効果があるわけではないが、この仕組みによって地域もいくらか積極的になってくれることが多い。

してみると、なぜ導入が進まないのかますます不思議になるところだ。
多くの自治体になぜ導入しないのかと聞いても、大抵は奥歯にものが挟まったような答えしか返ってこない

・・・ということでこの問題は結論としては単なる「食わずぎらい」ということにつきる!
慎重に考えて問題がないようなことでも前に進もうとしない。
これこそが日本の学校のかかえる最大の問題だ。