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2024.3.31 つかんだものと水星の逆行

 鏡リュウジに占星術を教わったことがある。オンラインで月に1〜2回、2年ほど受講したと思う。鏡先生が語る星の世界は深く広く壮大で、聴くたびに目の前が星の海になった。いつしかわたしの中で鏡リュウジは星の王子様となった。

 そんな鏡先生の言葉で忘れられないものがある。
占星術では12星座は火地風水、いずれかのエレメントに属する。火は情熱、地は現実、風は知識、水は感情と形容されることが多い。火のエレメントは牡羊座獅子座射手座。鏡先生は火の直観というものが長い間ピンと来なかったそうだ。火は情熱と書いたが、直観も火の象徴である。海外の占星術家が「火の直観とは目に見えないものを掴む力」と説明しているのを聞いて深く納得したと話す姿が脳裏に甦る。

 火の星座に天体が多いが大して情熱的ではないわたしにとって「目に見えないものを掴むチカラ」はとても魅力的に聞こえた。わたしの発達具合なのか、性質なのかわからないが、ふと感じたことを考えたり、実行せずにはいられない。それは目に見えないものを掴む力なのだろうか。他者との比較が苦手なため気になることがあった場合、他の人がどんな行動に出るのか、自分と同じ行動をどれくらいの人が取るのか想像ができない。

 ふと思いついた時に自分が掴んだものが、果たして正解なのかどうか、答えは誰にわからない。それどころか何を掴んだのかさえわからないことが多い。ただ「そんな気がする」だけなのだ。時にその感覚は確かなものとして抗えない確信へと変わる。そこに理由はない。だがほとんどの場合、目に見えない感覚は掴んだ瞬間に過去へと過ぎ去ってしまう。名残だけでもとなんとか言葉に残そうとわたしは今日も言葉を紡ぐ。

 4/2から言葉を表す水星が火の星座である牡羊座で逆行を開始する。直観を言葉や行動に移しやすいかもしれない。反面、不用意な言葉や行動で火の粉が飛びやすいとも言える。物事がスムーズに進まないとも考えられるので、余裕を持った行動や言葉選びを心がけたい。

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