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追いかけるな 大人の流儀5/伊集院静

評価

☆☆☆★★

一言所感

新社会人の時に読んだ時とは違い、少し大人になっていたからか、よくわかると思うこともあった。
立場が変わり、役職のある人との付き合いも多くなり、大人としてどう振舞えばいいのか、男としてはどうすべきなのか。
実は意外と知らないものなのだな。
そう、もう若くない。最近本当に実感する。

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付箋

5 望み、 願い と 言っ た 類 い の もの を、 必要 以上 に こだわっ たり、 必要 以上 に 追いかけ たり する と、 それ が 逆 に、 当人 の 不満、 不幸 を 招く こと が、 私 の 短い 人生 経験 の 中 でも 間々 あり 得る こと を 見 て 来 た からで ある。

5 他人 が ゆたか に なっ たり、 元気 に なっ たり し て 欲しい という 出発点 と、 自分 だけが 救わ れ たい という 出発 では、 最後 の 最後、 ひとつ の こと を 成し遂げる 時、 たとえ トップ で 通過 し なく とも、 先 が 見える 生き方 と、 見え ない 生き方 の 差 と なっ て しまう。

6 私 が 言う〝 追いかける な〟 は、 前進 の ため に ある と 思っ て いただき たい。

15 去っ て 行っ た 人 は、 時間 は、 それ を 追いかけ られ ては 迷惑 を する。

19 私 が 言っ て いる〝 追いかける な〟 という のは、 いつ までも つまら ぬ もの に こだわる な、 という 意味合い の 方 が 強い。   今 は 切なく とも〝 悲しみ には 必ず 終り が やって来る〟 という 老婆 の 言葉 を 私 は 信じ て いる。

23 「そう。 淋しかっ たり、 孤独 だっ たり する 時間 を しっかり 持て た 人 は、 来 たる べき 相手 に めぐり 逢っ た 時、 その 人 の 良 さや、 やさし さが 以前 より、 よく 理解 できる よう に なる。 いい 恋人 が いる とは、 皆、 孤独 で、 淋しい 時間、 自分 は 何 なのか、 を 見つめ て い た 人 だ」

38 作家 は 自分 一人 の 才能 で 一人前 に なる と 思っ て いる 人 も いよ う が、 それ は 違う。 人間 の 才能 なんて 高 が 知れ て いる。 どんな 職業、 仕事 も 周囲 の 人 が 見守り、 育て て くれる ので ある。

43 弟 の 死後、 彼 の 部屋 で 見つけ た 日記 に、 ちいさい 頃 から いつも 助け て くれ た 兄ちゃん が そう し たい なら、 自分 は 医者 になり、 その後 で 冒険 へ 行く、 と あっ た。 無念 で あっ た。

46 今 ある 悩み や、 今 かかえ込ん で いる 問題 の 本質 を 見る と、 独創性 を あと 回し に し て、 易き に 走る 輩 が、 目 の 前 の 明る さを 求め て〝 追いかける〟 から 失敗 を する。   人 は すべて、 一人 で 生まれ、 一人 で 去っ て 行く 生きもの で ある。 追いかける な。

78 なぜなら、 マンガ の 中 には、 友情 や、 懸命 に 生きる 人間 の 姿勢 が 見える もの が たくさん あっ た からで ある。

79 私は小説家であるから、本を読みなさい、と言う。しかし私はガキの頃、本を読んで何が面白いの、と思った。それでも読まないより、読んだ方が良かったと、かなり先になって感じた。そういうことが今のゲームにはあるのか。そこを誰か教えてくれぬか。

91 子供というものは何ひとつわかっていないものだ。最初から行儀が良い子供なぞいない。子供は自分がしたいことをしようとする。ましてや他人のことを思うことはない。

91 「子孫のために美田を買わず」

100 皆が賛成したり、ひとつのものに集中する処には、必ず、落とし穴と誤ちがある。

112 人間は順番で生きるものなのである。

121 「へたも絵のうち」

123 便利なものには毒がある。手間がかかるものには良薬が隠れている。

150 本気で憤れ。心底口惜しいと思え。それしか強くなる方法はない。

152 食の話というのはどれほど慎重に書いても卑しさがともなう。


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