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問題社員の正しい辞めさせ方/新田龍

評価

☆☆☆☆☆

一言所感

管理職となり、営業スキルもひと段落、マネジメントの基本もとりあえず抑えたが、部下の悩みは尽きない・・・。何がわからないのかわからないがうまくいかない。そんな私にちょうどいい良書でした。
部下のことをよく気にかけて、どうしたらうまくいくのかずっと考えているけどわかってもらえない。「また裏切られた・・・。」なんて勝手に思って勝手に苦しくなっている。指導するのもとても疲れるし、なんでこんなに問題行動ばかりするのだろう。俺のマネジメント能力不足だ・・・。
という方におススメです。

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付箋

26:コンプライアンスの本質は単なる「法令遵守」ではなく、「時代とともに変化する社会的要請を正確に把握し、それに応じた行動をとること」にあるのだ。

29:然るべき評価制度がもともと設けられていて、その評価の結果として「君は業績が悪いから、勧奨の対象になっているんだよ」と告げる形式であったことだ。さらに、あからさまに「辞めろ!」と迫るような扱いをするのではなく、「割増退職金」や「再就職支援」といった退職支援プログラムなどを提示したうえで、「今辞めると、これだけのメリットがあるよ」「そのほうがあなたのためになるよ」という具合に、「納得づくで退職を促す」というスタンスだったことも特徴だ。

31:重要なポイントは、いくらその存在が害悪で、「すぐにでも去ってほしい!」と願うような問題社員であっても、「相手の改善と成長を信じて積極的に働きかける」ということなのである。

33:どのようにでも解釈できてしまう、あいまいな言葉を使わない

33:「ちゃんと」「しっかり」「きちんと」といった言葉は、内容を詳細に意図しなくとも、それらしいニュアンスを表現できてしまうため実に便利なのですが、だからこそ危ういのです。

34:→「やむを得ない事情の遅刻なら仕方ないが、その分他の社員がカバーしてくれていることを自覚してほしい。職場秩序を乱すことにもなるから、体調管理を心がけ、多少の電車遅れも見越して到着できるようにするなど、できることを考えて実践してくれ」

34:→「ちょっとした誤字でも、ビジネスとして出す文書ではご法度なんだ。これからは書類を提出する前に必ず一度見返して、『本当にこれでいいのか?』と確認してくれ。そして、部長に出す前にオレに見せてくれ。それでOKなら提出していい」

39:場合によっては適応障害などの診断が出る可能性もありますので、医師の指示に従って、必要があれば休職させることをお勧めします。

47:普段から能力不足の根拠となる具体的な事実を示したうえで、当該社員を文書で注意・指導する必要があり、かつ注意・指導履歴をきちんと保管し、記録して証拠とするべきであった。

59:この組織には統一した対応指針もないし、管理職の対応もバラバラだ

60:規律が守られる風土が醸成されていくのだ。

62:この段階におけるヒアリングの目的は、「問題社員の言い分を受け入れる」ためのものでは決してなく、あくまで「問題社員が一体どのような理屈で問題行動を起こしているのか、相手の思考パターンと行動パターンを把握する」ためのものである。

62:まずは相手の感情が落ち着くまで話をさせ、言い分をきちんと聴いているという姿勢を示すことだ。

63:このとき留意しておきたい「聴くときの3ない」がある。それは「遮らない」「疑わない」「突っぱねない」だ(あくまでこの時点での話であり、問題社員の嘘がわかって最終的に疑うことはもちろん可能だ)。

65:ちなみに「共感」は決して「同意」ではない。

73:<注意書のテンプレート>

92:規律を守れない/無視するタイプ

92:当該問題社員の上司や周囲の同僚の意見も先に聴取したうえでそれらの証拠を提示し、なぜそのような行動に至ったのか、本人に原因を確認しよう。

92:無断欠勤や遅刻、早退をした時間分については、給与から差し引くことも忘れてはならない。

93:また本人が申告したスケジュールどおりに行動できないケースが頻発する場合は、「朝夜メール」の導入が有効だ。

96:「体調不良を理由に頻繁に遅刻する/休む」「メンタル不調を理由に頻繁にミスをする」「少々の叱責で体調不良を訴え、数日間出社しなかった」など、慢性的に不調を訴えられたり、ごく一般的な注意や指導でも不調に繋げてしまわれたりすると仕事にならないケースもある。このような場合はどう対処すべきか。

100:退職勧奨の場合は「適正に下された低評価」をもとにおこなわれるので合法なのだ。実際、これまで退職勧奨について争われた裁判においても、退職勧奨の進め方(執拗な要求、脅迫的な言動)が問題視されたことはあっても、問題がある従業員に対して会社が退職勧奨・退職勧告をおこなうこと自体はなんら違法ではない、との判断になっている。

102:会社側はミスの度に指導文書を発行したうえで、誰がどのような指導をおこなったか記録を残していた。

103:具体的には「家族構成」「配偶者は働いているか否か」「子どもの有無と年齢」「持ち家か賃貸か」「住宅ローンの残高」「要介護の親族の有無」「職場での評価」「これまでの人事評価資料」「懲罰実績」

120:労働契約書、職務記述書、目標設定シート、定期面談記録などの書面と照合し、本人が設定した目標や、会社と合意した期待業績等と比して、実際の結果が見合うものであったかどうか、また同部署の他メンバーと比較してどの程度の位置にあるのか、振り返らせる。

130:大抵は、怒りの感情を引き起こすきっかけとなった「源感情」が存在するはずである。

131:相手がどんな人物であっても積極的な(できれば、恋愛感情と同程度の)関心を持つこと。

132:「自分の仕事が誰かの役に立っている」「自分が必要とされている」と気付かせる機会を極力多く設けることができれば理想的だ。

154:採用時に、退職理由も明記されている「退職証明書」を提出してもらい、本人の申告とそこに書かれていることが合致しているかチェックすればよい。

154:採用面接時に「構造化面接法」を用い、応募者には「STAR」と呼ばれる手法をとることを勧める

156:行動面接では質問の流れとして、「当時の状況」(Situation)、「そのとき抱えていた課題」(Task)、「その際にとった行動」(Action)、「最終的に得られた成果」(Result)、という順に確認していくので、これらのアルファベットの頭文字をとって「STAR面接」とも呼ばれている。

159:インターネットにおける応募者名の検索は最低ラインであろう。

165:「うまく回っていないのは、テレワークやオンライン化のせいじゃないですよ。会社に元からあった問題が、テレワークをきっかけに顕在化したというだけです」。

171:まずは、部下がそれぞれ今「どれくらいの難易度の」「いつまでが納期の」「いかほどの量の」タスクを抱えているのか、逐次把握しておくべきであり、日々の業務スケジュールは「事前予定」だけでなく「事後の振り返りと改善対策」までを確認すべきなのだ。

171:自身のITスキルの低さ、指示のあいまいさ、決断の先延ばし、保身などといった理由のために、部下の貴重な時間を奪うべきではないのだ。

173:特に「わざわざ」「いちいち」「結局」「いつも」「毎度」やっていることを選別し、必要性を検討したり自動化を決断したりするのは「トップダウン」でしかできないと言っていいだろう。そして仕事の「言える化」とは、メンバーの本音を聞き出し、言い合える関係を作り、問題点や解決策を共有・対処できるようにすることである。

173:「心理的安全性」

183:まずは会社のしかるべき部署に報告、情報共有すべきである。そのときにあなたの言い分を会社側に伝えることで、結果的に会社側からの信頼を得られる可能性も高まるはずだ。



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